市民本位の健康医療に向けて

第58回(1月)定例会報告(メモ)

2013年1月30日 by KISK事務局  


第58回(1月)定例会報告(メモ)

1月の第58回定例会は22日、国際医療福祉大学大学院をお借りして開催しました。代表の中間報告、市民学「男女別健康法」前編に続いて、劉超先生から呼吸法を中心とした健身気功のお話と実技、梁蔭全先生からは気功療術の実技の紹介を中心に講演して頂きました。

1)中間報告 梶原 拓 代表

kaji12月定例会は、講演と懇親会の会でしたが、90歳を過ぎてもお元気な鮫島純子様の講演は感動もので、今までで一番よかったという声も多く、自分もその一人、と簡単に振り返った後、今回の市民学・個別化健康法の「男女別健康法」(前編)の予定、講演される気功のお二人の先生、健身気功の劉超(秋山智恵里)先生と、当代最高レベルの気功療術師として梁蔭全先生の紹介がありました。

患者・市民の自衛策としては、特に農村部の高齢化、健康の問題をとらえ、われわれの「レクトレ」(レクリエーション風にトレーニングするという造語)事業の提案が25年度政府予算案に組み込まれる見通しとなり、具体的な計画に取り掛かるという報告がありました。農村の高齢化は、農業従事者の心身の健康の問題でもあり、運動療法などで自立を支援する必要があるという事業ですが、同時に、農村以外の地域でも予想される震災等の災害に対する避難能力の確保や東北の大震災からの復興にもつながり、また、うまく都市の農業団体と農村の農業団体の交流、特に、老若男女、いろいろな職業など様々な「ふれあい」によって、健康づくりをすると効果的で、それにより農村を活性化してゆくような事業として展開することが出来るのではないか、との報告がありました。

中間報告および「レクトレ」の詳細は当会ホームページ(www.kisk.jp)をご覧ください。

2)市民学シリーズ第16弾・個別化健康法4「男女別健康法」梶原 拓 代表

前回までの「血液型別健康法」「体質別の健康法」「年齢と健康法」に次いで今日は「男女別健康法・前編」を話す。

ホルモンの産生部位は、視床下部(司令塔) 下垂体 副腎 腎臓 膵臓 消化管 細胞脂肪 甲状腺 副甲状腺 心臓 肝臓 卵巣 睾丸で、男女の差の大きいのは卵巣と睾丸。

ホルモンのバランスを整えるための4原則は、

1 睡眠不足は大敵 ―生活リズムは整えて―

2 ストレスは司令塔(視床下部)を狂わせる ―アロマやお風呂の活用を―

3 極端なダイエットはダメ ―たんぱく質、脂質をとろう―

4 適度の運動はやっぱり重要!!

加齢とともに減っていくホルモン、エストロゲン、プロゲストロン、成長ホルモン、メラトニン、副腎からのDHEAを良く勉強しよう。

これらの詳細は次回定例会で話したい。

3)「健身・養生気功で生命力アップ」

日本健身気功国際連盟理事長 気功文化センター理事長 劉 超 様

ryu梶原代表から健身気功の実践指導の第一人者との紹介を受け、元気いっぱいのすらりと引き締まった講師の力強い話が始まりました。中国在住中から気功家「馬礼堂」師から養生気功を学び、88年から東京電機大学と大学院で気と気功の研究をし博士号を取得し、また気功の普及に日本と世界を駆け回っている。気功と人間の潜在能力を研究し、呼吸法が命を支えるテーマと考えた。本日は呼吸法の中の「調息」を中心に述べる。自分が使う技、自分の命を護る技を磨く。養生気功の三要素は「氣・功・法」、功は氣を意識する元の工夫、呼吸は自分の体の意識作用を活用。

「天地人の気」の天の氣の呼吸は季節、地の氣は万物の成長や大地の恵みの栄養、人の氣は息の調整制御で、効果は防病治病、身体強壮、精神健全、延年益寿、開知増恵を目指す。気功の技術は「三調」で、調心・目標、調息・呼吸、調身・姿勢。「調息」は呼吸・息(随意性)で、「吸う、吐く、止める」。「止める」も意識で自律神経を調整。気功の基礎の「腹式呼吸」は意識を腹部に集中し、「順腹式」は吸うとき腹部を膨らませ、吐くとき腹部を凹ませる。「逆腹式」は吸うとき凹ませ、吐くとき膨らませる。その時大切なのが「提肛呼吸」で、腹部を凹ますとき肛門を閉じて、持ち上げる。これが自己をコントロールするポイント。これを生活習慣になるように努力しよう。呼吸の三要素の吐く・吸う・止まるの組み合わせは4パターンになる。良い呼吸は「深く、長く、均等に、細く」で、呼吸の特徴は「随意性(交感神経と副交感神経の調整)」で、生理効果は長寿。自分の意識で早くも遅くもできる。吐くのは排出作用で細く長くやり、吸うのは自然にできる。呼吸は自分自身で調整できるもの。会場の参加者全員で劉講師の指導で、順式と逆式の「腹式呼吸の実践の練習」を行う。椅子に姿勢をただして座り、両手でミゾオチを囲んだ形で膝の上に置き、ミゾオチの周辺に意識を集中し腹部を膨らませ、凹ませての呼吸を実践。1分間に何度の呼吸を行ったか、順式と逆式で実施して回数を挙手で報告。細く長く吐く場合5回前後が普通。これによりリラックスしたり、意識の集中で武術の人は交感神経を強化したりする。逆式は苦しいこともあるが訓練で大丈夫になる。体の全てに気が影響する。気には「元気 宗気 栄気 衛気」があり、気には「押す・温まる・防衛・コントロール・気化」の機能がある。腹式呼吸は皮膚呼吸と共振し、提肛呼吸はそれを増幅し、あくび呼吸は深呼吸を導引しすっきりする。呼吸は自分で訓練でき、悪い所から元気に、また冷えている人も体温を上げる。あくびで酸素を補給し気持ち良くなる。毎日の練習で元気になる。皮膚の毛穴も呼吸し、陰の経絡で縮んでいる体の部分を伸ばし、両手を伸ばし、膝を回し、胸を押すことが大切。免疫力も高まり、不要物の排斥や涙や鼻水やヨダレも意味がある。陰の経絡・五臓(太陽のあたらないところ・肝心脾肺腎)を伸ばし、陽の経絡・六腑(太陽のあたる所・消化管)とバランス。「最高の名医は自分であり、最高の妙薬は自分の体内にある」で締めくくられ、健康はやはり自分だなと皆も意識し、拍手喝采が続きました。

4)「気功療術と不老不死科学入門実践」

梁 蔭全 様・全日本養生協会理事長、日本不老不死科学研究所所長

ryan梶原代表から、道教羅浮派の掌門主の広東の祖父から気功を学び気功の神髄と奥義を追求され1988年来日。昨年足立区島根町に全日本気功療術師養成学院を開設し本格的普及とその師の養成に乗り出された世界的な本格的自己健康法の師との紹介で、厳かな魂魄の生命力を秘められた温和な仏様とも観える老師の素晴らしい講義と実践指導が始まりました。日華堂総院長伍晏徹老師の素晴らしい通訳と補足説明がまた素晴らしい。理想の幸せ、不老不死を話す。現実にあった訓練と実践が大切。理論より実践が大切。理論は5分にとどめ3点を指摘したい。我々は生きている。病気もあり、風邪もひくが、病気には原因がある。

体内のエネルギーの低下が病気の原因で、このエネルギーの追求が大切。人間の体のエネルギーが生命力だ。病気はその低下。病気を治すには、薬によらず、根本的には生命力を増加させることで、プログラミングの一点は生命力増加が核心。トレーニングは生命力を増幅し拡充する、局所ではなく全身を見る。

ryan_kihonボクシングの勝者は腕は鍛えられている。マラソンランナーは骨格や筋肉は強いし、循環器や心臓は強い。しかし血管や経絡の循環と柔軟性がないと駄目。また大腸小腸も頑張ることが大切。我々の生命力の根源は、局所の強さではなく、体全体の生命力、平均的な力とバランスが大切。内の振動や細胞の呼吸が外への強さとなる。3ヶ月、半年、1年の訓練が、風邪に強く、内臓機能の低下を防ぎ、内面から少しずつ強化する。基礎工事に力を入れて、そして建物の強度や構造に力を入れる着眼が大切。日本人の体も構造的基礎的な強化が大切。意識と科学性が大切。自分の体の実践体験が大切。自分を材料にして実践し、吸収し、考え方や問題への訓練が大切。では、実技の実践に入る。まず「基本姿勢」だ。立つ。足を肩幅に開き少し内股にして両手を前に挙げ、膝を90度に曲げて、指は全て離し下に向け立つ、足首と膝の裏を強くし、血液の流れを良くし、昇るのは螺旋階段を登るように、血液の流れを上げる、膝曲げは下半身の力を上げる。これで10分間続ける。次に、この際に両腕を前で上下に並行させ、片手で反対側の肩の首下の筋を薬指で押すと手の掌が充血し血液が皮膚の表面の色に出る経験も。また両手を向い合せてそれぞれの指先から反対の離れた指先に氣を送り、そちらの指もかすかだが動く気の流れの実践訓練もありました。両足に圧力を集中させ、気が下り、また脳に帰って、また下りるで、よい血液循環となる。皮膚も広げて全身の毛穴から空気を吸う。自然のままに体が呼吸をする。呼吸は自然に廻せばよく、瞑想は不要、テレビ見ても良い。仕事を考えたり、芸術の設計を考えていても良い。3年前に指揮者の小澤征爾さんに教えたが、楽しかったと言っていた。忙しい現代人にも向いている。1体全体をリラックス、2苦労だとの不安なくす、3何気なく楽しく、が大切。何でも考えながらで良く気苦しいことはない。筋肉や骨格も考え、膝や腰も自然に。まず疲れないで立つ最初の訓練は10分だが、私は8時間立つても疲れない。大地のエネルギーを吸収し、体のエネルギーに使う。これを続ける。最初の5分間にセットし、また最後の5分間にも同じようにする。

ryan_go次に気功の実践技術の上達には36段あり、一段毎に自分の体質を改造し向上する。自ら主導的にやる。信じたものも、体験で拒否したりしながら、自分で実践し感じを吸収する。宗教ではない。信じるだけでは駄目で、実践で会得する。やってみないと駄目。やってみれば効果がでる。信じてもやらないと駄目。今日は「第一段」の実践を練習。メモでなく脳で記憶しないと駄目。両足の踵を真後ろで合わせ、つま先を左右の横に向け、一直線の感覚で、膝を両方で丸型に合わせ腰を中腰に下げ、半分しゃがむスタイルで。左手は開いて前で上げ、右手は腰の後ろに回し体の後ろの骨を抑える。気の廻わり方が違い、左手の掌は白く、後ろに回した右手の掌は1分で赤くなるのが実感できる。36段に上がるには10年以上かかる。元気の氣を回し、エネルギーを集中する技法で、体調は良く、病気をしない。陰の気を抑えず解放する。講師は黒板に「意の気 志の気 魂の気 魄の気」と書かれ段階的な発展を説明され、「混元気」「陰の氣と陽の氣」「神の氣」の素晴らしさをご指摘。[後で「神とは、衣を着るヒトと、申は天と人と大地を貫くエネルギーと生命力」だとのご示唆も]。不老不死は自分の体が判からないと駄目

自己の体の認識は1西洋医学・現代医学は自分の体を解剖して診る。2東洋医学の精神、中医学は遺伝子の研究で体の全体を診る、の二つの方法がある。北米では8千年前、インドでは6千年前の文献が指摘しており、全世界が通じ合っていたことが判る。

最後に、体の研究と自分の生命の研究が大切で、世界の研究との交流が大切と指摘され、自己の生命力の向上法の素晴らしい講演に会場からの大拍手と感銘の意識の交換がありました。会場の質問に「一日一回の血流の循環の基本姿勢の訓練が必要」とされました。

出席の方々には、関係の「仙道科学修練法入門」、4月開講「全日本気功療術師養成講座」案内とそのテキストの一部「仙道科学修練法入門」の配布もいただきました。

ryu_go確かに初歩から高度な技まで、「段」は多くありますが、一言で言えば、簡単なポーズをとるだけで、血流を良くすることが出来て、かつ、それを実感することが出来るという、本当に素晴らしいお話と実技の御指導でした。梁、劉両先生と完璧な日本語で通訳して頂いた伍先生、実技をアシストして頂いた唐様にもお礼を言いたいと思います。

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