市民本位の健康医療に向けて

代表挨拶


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岐阜県知事、全国知事会長などをさせて頂いた梶原です。 その節は大変お世話になりました。ご支援頂いた多くの方々に心よりお礼申し上げます。

さて、知事在任中より、また、退任後の日本再生研究会の活動の中においても、健康・医療に関しては特別に関心を寄せる課題でありましたが、私たち有志は、2008年の春、患者・市民本位で健康や医療を考え行動する「健康医療市民会議」を立ち上げ、私がその代表として“自分の健康は自分で守ろう”を合言葉に、この市民運動推進の先頭に立つことになりました。

近年、健康や医療の領域で様々な問題が噴出し、今や「医療の崩壊」とまで叫ばれる深刻な状況となっていることは周知のとおりであります。がんによる死亡者の増加、生活習慣病の蔓延、産科や小児科の医師の激減、地域の医療過疎現象、救急患者のたらいまわし、医療過誤をめぐる紛争、縦割りで過度に細分化された西洋医学・医療による横割りの総合的診断・治療の欠如、「かかりつけ医」でなく初期の段階で全身の有機的な関係を総合的に診ることの出来るホームドクター「家庭医」の不在、健康保険の対象となる医療範囲の限定による治療法選択の制約、激増する医療費負担等々、いずれも究極のところ犠牲になるのは制度・システムのユーザーである患者・市民です.

これらの問題解決のため供給者である医療側でも真剣に対応されつつあります。また政治・行政の面でも本格的な取り組みが始まりました。これらに大きく期待するものではありますが、同時に患者・市民側も責任の一端を担うべきものと考えます。またユーザーとして発言の機会を与えられるべきものと考えます。そのためには良識ある患者・市民が結集し、情報を共有し、行動を共にし、自らを守っていかなければなりません。

このような事情を背景に有志の市民が動き「健康医療市民会議」を立ち上げたわけであります。現在、東京を中心に300人規模の信頼でき良識ある有識者・市民組織を結成することが出来ました。この会の活動は、健康・医療に関する情報の収集、蓄積、共有、検証、評価、公開、応用、啓蒙活動、医療改革の提案などの要素で構成されていますが、具体的な活動の形としては、

・月1回、「定例会」を開催。会員が集い著名な専門家から講演を聞いて新たな情報を得たり、お互いの情報交換、交流を重ねています。

・ほぼ毎月、「医療改革懇談会」(三者会)を開催し、当会代表数名、医療の専門家数名、国会議員数名の三者が集い、議論し、アドバイスを受けながら、国に対して、市民として例えば医師不足の解決に向けた提案をしています。

・すでに評価委員会を設置していますが、予防法、治療法、サプリメント、健康医療に関する著書等の評価をし高評価を得たものは「すぐれもの」としてご紹介してゆきます。

・がん、血管系疾患(脳・心臓)、認知症については「三つの重点」として、予防法から治療法までを学んで普及を意図した研究会を設置します。今、認知症研究会の準備中です。

・情報公開の一環として、当会ホームページを開いています。まだ、情報量としては不十分ですが、過去の定例会の報告、推薦商品などを掲載しています。

なお既に多くの著名人や有識者あるいは信頼できる市民の方々が本会の趣旨に賛同され、ご入会していただいており、併せて相当数の国会議員の先生方や健康・医療専門家の方々にも、本会の顧問・特別会員として、ご参加いただいております。どうか本会の趣旨をご理解の上、活動にご参加・ご支援くださいますようお願い申し上げます。

平成21年1月吉日

健康医療市民会議 代表 梶原 拓

かじわら たく
1933年11月14日、岐阜市本郷町生まれ。
56年に京都大学法学部を卒業後、同年建設省に入省。
大臣官房会計課長、道路局次長、都市局長などを歴任。
85年岐阜県副知事に就任。
89年、「夢おこし県政」を旗印に知事に初当選。
4期16年にわたり知事を務め2003年9月には全国知事会会長に就任。
04年2月に勇退。
2005年3月、岐阜県顧問、財団法人岐阜県イベント・スポーツ振興事業団会長に就任。

05年日本再生研究会設立。07年健康医療市民会議設立。
著書に「国土情報学」(ぎょうせい)、「自治体職員のための地域情報学」(ニューメディア)など