市民本位の健康医療に向けて

設立趣旨


健康医療市民会議

設立趣意書

 

周知の通り、現在の日本の健康と医療は大変多くの問題を抱えています。人口の高齢化の問題、生活習慣病の増加、それらに伴う医療費の増加と財政の圧迫、医療介護の人手不足、薬害訴訟、医療に絡む電子化の遅れ、新薬認可の時間の問題、薬害・医療訴訟の増加、混合診療、有害食品・・・・・等々、数えきれないほど多くの問題があります。

 切り口を変えてみましょう。健康法とか医療については、市場における一般的な商品やサービスと異なり、その消費者である患者、市民が最適なものを選択することが大変困難である領域であると言えます。例えば、ある人が体の変調を訴えて病院の医者に相談したところ、がんであることが分かったとします。そこでその患者がすることは、多くの場合、その医者に治療法を丸投げしているのが現実ではないでしょうか。実際、がんの治療には幾つもの治療法があり、それぞれ長所、短所があり、それに適した病院とか、医者がおります。本来それらを比較検討して選択するのは患者であるべきなのに偶然最初にかかった医者のすすめが大きく左右しています。がんに限らず、最適な医療を選択しなかったばかりに、治る病気も治らず、救える命も救えず、不要に大きなお金を支払うということが少なからず起きています。

 問題は、市民患者側、医療機関側、行政機関等それぞれにあることは間違いありません。しかしながら、医療機関とか行政に文句を言っているだけでは改善は始まりません。ここで大切なことは、患者、市民の一人一人が、自分の健康、自分の命は自分で守るという意識です。自分で自分に最適な健康法、医療を選択しようという意識です。これにより、今まで、専門的だからと避け気味だった健康、医療に興味をもち、みずから情報を収集し、評価することの重要性を理解するようになります。

 健康医療市民会議は、患者、市民が結集し、健康、医療に関する情報を収集し、共有し、みずから最適な健康法、医療を選んで、みずからの責任で健康な社会づくりに貢献していこうという趣旨に賛同する人の集団です。同会議は、具体的には、情報収集および情報交換の例として、がん、血管系疾患、認知症に焦点を当てた臨床例の研究を、患者とか医療の専門家から学ぶ機会を作ります。また、主として会員、その家族、友人等の実体験を交換する機会を作ります。また、実際に、健康法、医療の現場に出向き、それを評価、情報の交換の機会を作ります。情報共有の例としては、会員相互の情報交換会に加え、「自分の健康は自分で守る」をスローガンに、広く統合医療の観点から、市民啓蒙活動をします。また、インターネット上では、同会議ホームページに収集した情報を載せ、広く一般市民の参考になるよう公開します。また、同会議が、患者、市民の立場で評価し、すぐれた商品、サービスについては、周旋、仲介等の業務も行います。このような事業活動において、発見、理解、評価をした健康医療情報に基づき、必要な場合には、医療機関団体、行政機関、立法機関等に働きかけ、慣習、政策、制度の改善等の提言を行います。

このように、健康医療市民会議は、まずは情報の収集と会員相互の情報共有に始まり、市民啓蒙活動、さらには医療機関、行政、立法機関への政策・制度提言に至るまで、患者、市民本位で健康、医療を考え、行動し、健康で明るい社会の発展に貢献するという趣旨で設立された団体です。

 

          

  平成20228

               健康医療市民会議

               代表 梶原 拓  ㊞