市民本位の健康医療に向けて

第53回(8月)定例会報告(メモ)

2012年8月27日 by KISK事務局  


8月の定例会は21日、国際医療福祉大学大学院にて開催。梶原代表の中間報告と恒例の市民学第11弾として「血管の強め方―1」の後、薬剤師で㈱自然美の村上百代様の講演「四季の漢方養生と夏から秋へのアンチエイジング対策」がありました。

1)中間報告 梶原代表

まず情報の共有として、7月の定例会の、市民学「うつ予防の法則―その2」、講演の「リフレクソロジー」について簡単に振り返った後、今回講演の村上先生の紹介、9月定例会の予定の話がありました。

次に、市民の自衛策として、健康医療市民倶楽部(「キスク健康村」としてイメージ図提示)の経過報告、心身バランス計事業の経過報告、市民農園について理想農法研究会で千葉県木更津の現場見学の予定などの話がありました。

2)市民学シリーズ「血管強化法」梶原代表

本日は市民の立場から「血管強化法」を。脳出血、脳梗塞などの「脳疾患」や心筋梗塞などの「心疾患」は、いずれも脳や心臓などの血管障害、「血管病」である。内科や外科等の診療科ごとの血管専門はあるが、トータルの血管診療科はあまり聞かない、全体として一つで考えることが大切。腎臓病のろ過機能の障害、解毒機能の肝臓も毛細血管の障害で肝硬変。血管は血液を体の隅々まで送る動脈の幹線、支線、末端の毛細血管、そして血流を心臓に返す静脈の支線や幹線等で、延長は地球を2.5回まわる長さとの指摘もあり、血管は全身臓器とイクォールともいえ「人体最大の臓器」である。情報の脳、呼吸の肺も動かす。友人は破裂で致命傷の腹部大動脈瘤、サイレントキラーと言われ前兆の自覚がなく半身不随で本人も家族も大変。予防が大切。参考図書の冒頭の自治医大の島田和幸著「一生切れない、詰まらない『強い血管』を作る法」は、内皮細胞の劣化予防には運動だ、血液の汚れは万病の元だとする。

血液の汚れ防止の「五化け」は、1「塩化」塩分摂りすぎ・高血圧 2「糖化」糖分の摂りすぎ・インシュリン処理能力を超過・糖尿病・腎臓病・高血圧 3「油化」脂分の過剰・コレステロール堆積・血管の硬化・閉塞 4「酒化」過剰で継続のアルコール摂取・肝硬変 5「泥化」血液ドロドロ・血管障害、とその詳細をご説明。

「五化け」の対策は、1「定時観測」血圧測定、歩数計、体重測定等を生活習慣に。危険時間帯は血管収縮の起床時、トイレ、入浴時、寒暖の差、運動時、激怒時など、年一回は健康診断を。2「飲食 ビタミン、ミネラル、酵素、腸内細菌」野菜・大豆・魚、塩分、糖分、脂肪分、腹7分目、よく噛む 3「運動」ウオーキング7千~1万歩・週3~4回、筋トレ・血管若返り筋トレはa腕振り足踏み運動・b簡単スクワット・c足上げ運動曲げて上げる・d背泳ぎ運動寝ながら 4「自律神経 ストレス解消」リラックス・副交感神経優位・アロマセラピー・癒しの音楽・快食療法・マッサージ・森林浴・趣味・睡眠・日光 5「クスリ」サプリメント ブロプレス・小児用ブァファリン半錠・ミミズ 等の説明がありました。ポイントを踏まえたエキスの御説明に拍手喝さいがありました。

3. 「四季の漢方養生と夏から秋に向けてのアンチエイジング対策」

村上百代様 ㈱自然美・薬剤師

梶原代表から、30年以上東洋医学、漢方養生を基本に健康美を研究し実施されている幅広い漢方専門家との紹介で、自然美エネルギーが体中にみなぎる村上講師のお話が始まりました。30年間「真の美容は健康から」をモットーに自然美を追求してきた。四季の養生は6千年の歴史。中国古代医学書「黄帝内経」は2千年前、経絡やツボを説く陰陽五行説4千年前、その基になる易学占い学2千年を加え6千年か。研究の成果の伝達のため5年前からブログを週2回程度始め、1年前からフェイスブックも始めた。友

達1.5万人、いつも見てくれるのは100人程度。このような世界に入り薬剤師を目指したのは育った松本城の近くで母が軽い統合失調症で、見た目には正常だが発言に異常があり、異常と正常の差を考えたとき、髪の毛を考えている人が多いことに気がついた。北里大学卒業後製薬会社に勤めたが2年後、生活全般が幸せに関係するとの漢方に興味を持ち、自然美と漢方を研究しテレビや雑誌にも登場し、本年9月からは横浜のカルチャースクール「みなとみらい大学講座」で漢方と体質から考えた美の健康法を総合的に話す3ヶ月講座を担当する機会にも恵まれ感謝。会社では神戸や新宿から現在は飯田橋で自然美漢方薬局での漢方相談を担当し、処方箋調剤薬局にも席を置く。配布した「真の健康美容は食習慣から」「人生そしていのち」グループ代表萩原俊雄著は15年前の本だが現在も基本は同じ。自然から生まれた人間の健康美の方途は自然の法則の中にある。髪や肌のトラブルや容姿の衰えの症状は心と体への自然からの警告で、病の前駆症状と捉える。数千年の実績の東洋美容医学をベースにそれぞれの症状や体質にあった有効な施法で、心身を健康に導く。マッサージ、頭の体操、ツボ対応等があるが、言葉の力も凄いと思う。私も年より若く見え首に皺がないといわれる。アンチエイジングもリズムが大切で陰陽の季節の動きと関係する。植物は、春に生、夏陽で長じ、最高から下りへ化、秋収穫、冬蔭で臓、の循環を図面で示す。また、春東肝木、夏南心火、土用脾土、秋西肺金、冬北腎水の五行で、人間の体と内臓と自然の関係を説明され、自然が人間の中にあり、同じ机を見ても立場で別の意味を持つ。土用は4回。土は胃にも関係と、次の陰陽五行説の全体相関図を示されました。

○「五臓の色体表」

五行 五臓 五体 五腑 五味 五生 五志 五色 五支 五季

木     肝  目     胆   酸   筋   怒    青   爪   春

火     心  舌     小腸   苦   血脈   喜    赤  顔    夏

土     脾  口     胃   甘   肌肉   思    黄  唇  土用

金     肺  鼻     大腸   辛  皮    悲    白  毛    秋

水     腎  耳     膀胱   鹹  骨    恐    黒  髪    冬

日本人は真ん中の土用の影響が強く、和や調和を大切にする人が多い。一方胃腸の弱い人が多い。また、この循環が「相生」で前のものが次のものを助ける。一方「相剋」で相反し支配するものの関係もある。思・くよくよや悩みは胃を悪くし、歌で喜ぶと良くなる。夏のゴーヤは血管に良い。怒ると肝臓に良くない。足のこむらがえりは肝木が悪く青い野菜が良い。しかし各食物も多くとかではなく、適度適量が大切。ミミズも効果がある。むくみは腎臓が悪い

関係する症状を5区分した一覧表で示されました。

1肝木「運動系異常・情緒の変動・自律神経の失調・風・イライラ・疲れ目・こむらがえり・爪がもろい」

2心火「循環器系・中枢神経系の異常・暑・動悸・息切れ・不眠・高血圧・舌炎・多夢・精神病」

3脾土「消化器系の異常・湿・小食・食後腹が張る・慢性下痢・便秘・四肢のだるさ・貧血・低血圧」

4肺金「呼吸器系の障害・燥・咳・痰・声がれ・鼻づまり・くしゃみ・カサカサ肌・のど痛・呼吸困難」

5腎水「泌尿生殖器系の異常・内分泌系・寒・めまい・耳鳴り・脱毛・白髪・健忘・性機能減退」

また「食効」として「四気」を熱性・温性(交感神経刺激)・平性・涼性(副交感神経)・寒性の食物で、「五味」を酸味・苦味・甘味・辛味・鹹しおから味で説明され、昇降浮沈や作用の意味のお話も。

また個人の「体質」として、それぞれの人に遺伝的「先天の気」と生活環境・習慣や食事慣習で決まる「後天の気」があり、それぞれの状況下で、「(がっちりし言葉も元気)」と「(体格はきゃしゃで言葉柔らか)」に、また「(喉渇き冬も冷たいもの好き・陽)」と「(喉渇かず冬も熱いもの好き・陰)」に分かれその組合せが「体質」を決める。さらに「燥」と「湿」の区分があるが、日本人は環境的に水分代謝の良くない「湿」にあてはまる。「実熱」の人はスイカ・バナナ・セロリが、「実寒」はネギ・らっきょう・にんにくが、「虚熱」はぎんなん・ユリ根・ハトムギが、「虚寒」はなつめ・りんご・うなぎがむいている。「実」の人はガンでも取り込み頑張るが、「虚」の人はガンでも流してしまい長生きの人も多い。各人が「自己の体質」を認識しこれに合う食事や療法を選択することが大切。食物の「色」から見た食材も説明。夏は赤いもの苦いもの、秋は潤いのあるもの等がよい。季節の代表的な食材は、春のにらとしいたけ、夏の玉ねぎとゴーヤ、土用の人参とキャベツ、秋の山芋とごぼう、冬のクルミと豚肉を示している。ごぼうは解毒効果、クルミは脳によい、肉は腎臓によい、肝臓にはレバーがよい等効果なども説明された。

「先天の気」では本人の生年月日から宿命を診て対応することも大切とご指摘。

次いで「髪は血の余りなり」とされ、食事が髪に基本的影響を与える。髪の毛の一生を時間的と経過的に図で説明され、表皮の刺激やホルモン補給や清潔保持の重要性を力説され、小宇宙の一部としての体や髪の毛の丸ごとの観察が大切だと。白髪や抜け毛は腎臓や胃腸などが弱っていることの前兆だ。胃痛に効く「ツボ治療」として、冷えるときには暖めるお灸が有効、気海や足三里のお灸は好い。虚寒には中浣や関元等をと指摘されました。最後に毛穴が詰まっている写真を示され、地皮を洗うことの大切さや濡らしてマッサージすることなど御指摘。必要なら「飯田橋店」での相談に、と締めくくられました。また低分子海洋コラーゲン、安定持続型ビタミンC、和漢ハーブ等を配合した「ビューティーヘルスゼリー」の御説明も。

会場からの質問「高齢者のエネルギー増強に良い「腎水」対応の食品は、にら、クルミ、豚肉とあるが他には何か。一日2合のお酒は」には「高麗人参やレバーも良い。一番大切なのはその人の体質に適応する食事だ。酒はその人に応じた適量ならよい」とされ、次いで会場の数人の方の体質論と食事の議論がありました。我々の毎日の食事や女性会員多数の髪の毛と健康と体についての素晴らしいお話に拍手喝采。どうも有難うございました。

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