市民本位の健康医療に向けて

第49回(4月)定例会報告(メモ)

2012年5月1日 by KISK事務局  


新年度1回目となる第49回定例会は4月24日、日本財団の会議室をお借りして開催。インターフェロンの発見で著名な小島保彦先生の講演と梶原代表の市民学シリーズの第7弾「若返りの法則」などがありました。

1.中間報告 梶原代表

3月の定例会の報告として、市民学(21世紀市民の常識)シリーズの第6弾として「統合健康法」を発表したこと、それをフェースブック上で考えている健康医療市民倶楽部の「市民健康道場」のテキストとして予定していることの報告がありました。また、久島達也先生の「これからの医療における鍼灸の役割」も有意義だったとの報告。また、4月の講演の先生小島保彦先生の簡単な紹介がありました。 また、前述の健康医療市民倶楽部については、近く、「市民健康道場」をスタートさせ、また、患者側市民の体験情報を紹介する「タイ・エビ情報バンク」の準備中とのこと。

2.「市民学第7弾 若返りの法則」梶原代表

戸籍年齢と心身年齢は違う。小学校の同窓会では良くわかる。人体内のタンパク質はいつも入れ替わっており、骨を含め半年で殆ど入れ替わる。鉄道に例えると特急か急行か、ゆっくり楽しんで鈍行かを選ぶ必要がある。

「若さを保つ法則」は種々あるが、まず、「心」「体」「氣」の「統合健康法」の基本を守ること。第一が「クラウド」健康法で、脳・心が編集長になって臓器・細胞・遺伝子が協働して共通のネットワーク・ソフトウエアを構築しており、良い型の協働クラウドを構築することが大切。第二は「類人猿」健康法で人類は脳、特に大脳は大きく進化したが、体は類人猿とたいして変わらない。人間とチンパンジーは3.9%の差しかない。その気構えの生活態度で自然治癒力を発揮することが大切。酒やタバコはなかった。環境汚染、都市化、ストレスをうまく対応すること、「野生」が重要。第三が「親和力」健康法。多くの人間、人間集団、自然、宇宙のなかで「生かされている」ことを良く認識し、常に他との関係性の中で存在しており、その親和性の基本エネルギーは「氣」です。良い「氣」を沢山呼び込んで生活しましょう。これが健康を保ち「若返る」鍵となる。

「若返り法則の五則」は、情報力・代謝力・ホルモン力・免疫力・変身力を鍛えること。特にホルモン力は30歳がピークで分泌量が減る。若さや美しさのためには、五つのホルモン、女性ホルモン、男性ホルモン、成長ホルモン、「メラトニン」、「DHEA・代表的な若返りホルモン」を増やす工夫が大切。食事、運動、睡眠の習慣を変えれば3週間で変化を実感できる。また「ブラセンタ(胎盤エキス)」の補給が更年期障害や肝機能障害に効果がある。副作用はないとされる。米国での1500人を80年間検証したデーターでは、エゴの強い性格は長寿が約束されない。「長寿の性格4原則」は1誠実・勤勉性2社会的ネットワークの広さ3身体活動4生涯現役・生涯学習 とされている。人間は宇宙の一部、宇宙のすべてのものは究極的には「振動」だとされる。共振や同調で根源的な「宇宙エネルギー」を吸収できる。各自の考えとその実行が全てである。次いでご自身の「若返りの法則10か条」をご披露。また、実施のシステムとして近日中に「市民健康道場」を開設するとの報告で締められました。

3「インターフェロンの発見から東洋思想へ。―寿命は努力によって延ばせるー」小島保彦先生・NPO法人インターフェロン・ハーブ研究所長・医学博士

梶原代表からノーベル賞にも匹敵するインターフェロン(ウイルス抑制因子。INFと略称)の発見者で、現在まで引き続き研究とその健康実践手法に取組まれている素晴らし先生との紹介で、若きエネルギッシュな84歳の講師のお話が始まりました。考えが同じ基礎にたつ市民会議の場で話せて嬉しい。20年前屋根から落ちて足を痛めたが頭はすごく元気で、研究している東洋思想は「自然との調和と共生」が基本。陰陽五行説でも調和が大切。仏教の空も大切。インターフェロン(INF)を体に作らせることが大切。漢方や東洋医学は3千年前の書「黄帝内経」で自然との調和の具体的方法を記載。人生にはそれを決める時の決定的な人がいると思うが、私には長野泰一先生がそれ。20年にわたり東大伝染病研究所で指導を受け「天然痘の予防のための精製紫外線不活性化ワクチンの研究」のテーマを与えられ1954年世界初のインターフェロン発表論文「不活性牛痘ウイルスの発がん防止作用」は先生と連名で発表(インターフェロンという名称は1957年に英国のアイザックスが名づける)。知識を広めることも大事だが、過ぎると知恵が出なくなると教わる。実行が必要と、牛の乳搾りの女性は天然痘にかからないことから天然痘の種痘を発見したジェンナーは息子の友人で実験したが、私はウサギを使ったりしながら沢山の実験を繰り返した。幸い強力な低温真空超高速遠心分離機や紫外線照射機を利用できた。現代医学は病気を治し、東洋医学は病人を治す。人は食事で免疫力が高められ、その方が自然で安全性が高い。多面的生物活性化。sensei

北里研究所にいたとき漢方生薬や食品素材や薬膳料理からのスクリーニングで、「インターフェロン・インデューサー(体内でのインターフェロン誘導因子・誘発物質)」を数多く発見(食べるワクチン)。有効成分は生薬の高分子多糖体。内で細胞からINFを出させると同時にウイルス分解酵素も産出し幅広くウイルスの増殖を抑制。ウイルスを駆逐するのでなく増殖を抑制し発症させない。IgA抗体養生。敵味方共存の原則。自分のインターフェロンが出てくるわけで、副作用がなく安全。30件以上の国際特許も取得。現在、活性の高い植物を使ったインターフェロン・インデューサーのサプリメントを提供中。

「マクロファージ」も組織の掃除を実行しIFNやリンパ球と協力して健康、長寿法に寄与する非常に重要な細胞。腸は自分の免疫力の70-80%に寄与しているとして身体でのマクロフアージ分布図をご説明。最初の外敵に対してまっ先に駆けつけ、攻撃、その情報を免疫の司令塔であるリンパ球に提供。また、NK細胞の活性化にも寄与。マクロファージは、ストレスを受けたり食生活の乱れにより弱る。そうすると死んだ自己細胞を掃除することが出来なくなり、リウマチなど自己免疫疾患の原因の一つとなる。

次いで「ウイルス病の時代的変遷と対策」を天然痘・ポリオ日本脳炎・ハシカ風邪・インフルエンザ・ヘルペス・ガン・プリオンの順でご説明。体が弱ってくるとどこかに病気が出てくるので、常日頃から身体の本質を強くして置くことが大切。現代医学は個別の知識に強いが、遺伝子を含め「総合と分析」を大事にし全体像をみることが大切。科学的自然観も西洋は神と人、東洋は宇宙と自然と人だ。

栄養三大機能として、第一次から第三次までのご説明。飽食の時代と言われ久しいが、食事量を減らすと長寿になることが、マウスやアカゲザルでの実験で分かっている。腹6分目の食事がよい。寿命も見た目年齢にも大差が出る。貝原益軒の腹8分目はまさに先人の知恵。また、エネルギーは脂肪で摂るより炭水化物の方がよいという結果が出ている。

次いで陰陽五行説と身体と植物の関係を一覧図でご説明。{以下は補注含め文章化の表}

相生は木火土金水の順

相克は木と土 火と金 土と水 金と木 水と日の関係

木 肝・肝臓   見る・ 目  東 春 青 魂 驚く怒る 叫ぶ 酸ぱい 梅干レモン

火 心・血液精神 味わう・舌 南 夏 赤 神 喜ぶ 笑う 苦い ピーマン抹茶

土 脾・消化吸収 話す・ 唇口 中 四季末 黄 志 悩む 歌う 甘い サツマイモ

金 肺・呼吸   嗅ぐ・ 鼻 西 秋   白  魄 悲しむ 泣く辛い 生姜大蒜

水 腎・生殖泌尿 聴く・ 耳骨髄 北 冬 黒 想 恐れる 呻く 塩辛い 昆布

人間の長寿の条件の一つに体内免疫力(自然免疫と獲得免疫)の能力。これを発揮するのがインターフェロン。マクロファージの活性とインターフェロンの誘起作用に着目した四種の植物の組み合わせで感染症・花粉症・アトピー等に効くのがカボチャ種・スイカズラ花・オオバコ種子・ベニバナ花のハーブが免疫の平衡を保つ。インターフェロン・インデューサーの規格としては生き生きした腸空内のマクロファージのみがインターフェロンを産生するので、自然免疫の活性化と獲得免疫への情報伝達に貢献することが判明している。55歳で自然年齢と見かけ年齢の差は±14歳。つまり見た目40歳から70歳くらいまでの幅が出来る。それだけ身体的老化も進むし、寿命にも影響する。高齢になるほど幅が大きくなる。健康にも努力が必要と締めくくられました。gogyosetu

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