市民本位の健康医療に向けて

私の選んだ一言 第三編(H22年4月から23年3月まで)

2011年10月28日 by KISK事務局  


「私の選んだ一言」

(健康医療市民会議 定例会H23/10/20 講演・レッスンの復習)

第三編 H224月から233月まで

会員 黒川 弘

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回数 年月  講師名  役職 『演題名』私の選んだ一言の内容

第25回H22-4増田勝則様 聖路加病院内視鏡室長『意味ある健康診断のすすめ』ガンの内視鏡責任者35年。07年のがん対策基本法は国や地方の早期発見施策と国民自身の努力義務を規定。検診は対策型検診(集団検診)と任意検診(個人負担)」。胃ガンは早い時期の検診が大切。胃間接XP検診をやり異常なら内視鏡へ。血液で胃の健康度が判りピロリ菌や粘膜萎縮があればカメラやバリュウムへ。3mm程度のがんは内視鏡で切り取れる。大腸ガンは増加だが発見しやすく治りやすい。人間ドック利用の主体的な健康管理が大切。

第25回H22-4小山悠子様 サンデンタルクリニック院長『歯科医療と統合医療②歯科医療と統合医療』気持よく・腫れないが大切と30年東洋医学を勉強。鍼麻酔、口腔対応の整体のツボの針の刺激、指先の「井穴刺絡」、痛み止めの「合谷のツボ(親指と人差し指の付根の厚肉)」の指圧等。大村恵明先生の「Oリングテスト」も指の筋力センサーを利用した事前スクリーニングとして、各臓器・薬・細胞・ウイルス・ガン・重金属・異常部位の発見や自己の体への適否の判定や金属アレルギー対策等にも応用。どのような治療法や治療者に出会えるかはその人の「運」。それを決定するのは常日頃の意識と活動。

第26回H22-5小山悠子様 サンデンタルクリニック院長「歯科治療と統合医療③歯ぎしりは誰もがしている?食べ物一口30回。8つの効用は1肥満予防 2味覚の発達 3言葉の発達 4脳の発達 5歯の抜歯なし 6ガンの予防 7胃腸の快適 8全力投球。咀嚼で発ガン抑制物質が出て、脳の発達も。食い気はつらつ、顔もよく、認知症予防にも。「医療催眠」や「身心統一の四大原則」1臍下の一点に心を沈め統一 2全身の力を抜く 3身体すべての部分の重みを最下部にむける 4氣を出す。も大切。

第27回H22-6宇住晃治様 ライフサイエンス研究所代表・KYG医療会会長「近未来の医療は堂あるべきか?近未来の医療の方向は、健康寿命の延長。対象は病気(対症療法)から人へ。部分から全体へ。人の生活を重視し、自己責任の活動を助ける。病気は多くはプログラム、一部はミス。現場に原因がある。生物の全滅を避け、淘汰の経験の中で恒常性の維持が図られる。病気は遺伝要因(体質)と環境要因(食・心・休養等)があり現代医学に加え伝統医学や民間療法を活用。健康は自然や社会の環境と心の持ち方がすごい影響力を持つ。

第27回H22-6小山悠子様 サンデンタルクリニック院長「歯科医療と統合医療④男も女もスマイル美人に」従来は入れ歯かブリッジ。インプラントはチタンの棒を骨の中に植える。良い先生を選ぶことが大切。「スマイル美人」にはまず歯茎の色。歯の色もホワイトに、また左右両方の歯で噛むことが大切。白く綺麗な8本の上歯と上向き口角のカーブが大切で、顔がきれいに見える。口角下筋や大頬骨筋で口角を上げウイニングスマイルに。脊髄を真直ぐ運動や股関節を持ち上げ体を伸ばして毎日歩くと100歳健康。足の運動も大切で、足の指先使いグー・チョキ・パーで足の筋肉強く。使用する筋肉は発達。

第28回H22-7藤平信一様 心身統一合氣道会会長「生活の中の心身統一合氣道」健康の基本は「姿勢」。自分の姿勢が相手をコントロールする。「立った正しい姿勢」は、尾骶骨の上の仙骨を立て、両腕を上下に振り、疲れない姿勢が自然体。一日立っても疲れないし集中力が。膝や体・頭の血管を圧迫しない。「椅子に座る正しい姿勢」も椅子に深く座り同じ状態に。姿勢は心の状態を現す。姿勢がおかしいと人は信用しない。姿勢を正し集中する、相手に氣を向けることが大切。手指と同じく足の指にも氣を回すことがすごく重要。次に「臍下の一点」。仙骨を起こし骨盤を正しくするとリラックスして心が静まり臍下に氣が定まる。意識が上がるとダメ。

第29回H22-8森田敏宏様 東大付属加圧トレーニング虚血循環生理学特任助教「加圧トレーニングとアンチエイジング」腕と脚4肢の付根をベルトで圧力をかけ血流を制限した状態での筋肉トレ。これで脳内の酸素が不足し、乳酸が貯まり、脳は危機と勘違いして成長ホルモンを分泌する。これで筋肉がすごく付く。美容にも良い。「加圧トレ+走る」で体質改善ができる。効果は筋肉肥大・筋力アップ・ダイエット。走ると有酸素運動、全身運動で、血液の循環が良好に。また加圧トレーニングは脳を活性化させると思われる。

第30回H22-9梶原拓様 健康医療市民会議代表「認知症ゼロ作戦」認知症の多くはアルツハイマーだが、蛋白質アミロイドβの脳への蓄積の原因説が定説になりつつある。入江義文先生は、これが活性酸素を出し海馬の脳細胞が死滅し認知症になるとされ、Aβの分解・除去・出た活性酸素の除去が今後の治療の方向とされる。30年来認知症改善の「心身機能活性療法」小川真誠先生の方式は全体プログラムだが、私の推論ではこの組合せが脳の運動野が活性化しAβを分解除去するのでは。脳の高度活動の領域ではなく、猿だった時代の「単純な反復の動き」をする最も基本となる脳機能の部分の活性化が大切と思う。

第30回H22-9長村洋一様 鈴鹿医療科学大学教授・健康食品管理士認定協会理事長「健康食品との付き合い方」健康食品には1有効性の表示2品質3医薬品との相互作用の問題がある。(3の例では、抗血栓薬として100万人に処方されているワーファリンと、納豆などビタミンK含有の食品の相互作用は効果削減例の典型)。消費者との間に介在すれば有効ではと16年に「健康食品管理士認定制度」が発足。現在7000名の協会では「健康食品ポケットマニュアル」を発行し、「民間使用例、有効成分等、相互作用のある医薬品等と市販名等、相互作用は増強か低下か、相互作用の理由、検査値への影響」と、過去に起きた副作用や管理士から寄せられた注意事例が記載。均衡よき食は病と未病を癒す。重要なのは低カロリーで、低栄養ではない。

第31回H22-10岩崎輝明様 日本綜合医学会理事長「自然治癒力と酵素」40年以上酵素研究。「自然治癒力」が基本で、食生活が良くないと病気になり医療に。食が血になり、細胞になり、脳や神経や心躰をつくる。私は46年玄米・黒砂糖・玄米パンの食事に改善し健康に。玄米を麹菌で発酵させ消化しやすく。人間の根本の腸の健康維持で自然治癒力がでる。緊急時は西洋医学だが、平常時は予防に力入れるべき。食は自然治癒力で、体はホメオタシス(体の恒常性)をもつ。その関係は「免疫・ホルモン・自律神経」の三角関係で考えると判りやすい。咀嚼は長期的には骨の強化・顎も発達。玄米菜食で酵素の補食にも効果。

第32回H22-11山﨑純一様 東邦大学大森病院循環器内科主任教授・日本心臓核医学会理事長「心腎連関」。血管は心臓・腎臓・脳とも相互関係で「心脳連関」でもある。慢性透析患者は現在およそ30万人。高血圧・糖尿病・メタボ・加齢が慢性腎臓病(CKD)発生のリスク。また慢性腎臓病は心血管系疾患の重要な危険因子。心血管系疾患対策の上でも慢性腎臓病の減少大切。高血圧関係の主な生活習慣は塩分の取過ぎ。これで体液が増え、それを排泄しようと血圧が上がる。また血液中のNa濃度が上がり血管収縮や腎機能低下で血圧が上昇。

第33回H22-12日野原重明様 聖路加病院理事長名誉院長「変ってきた健康の考え方と健康保持の対策」「健康」とは人の自立と心身の平静。WTOは健康には霊的なよい状態を含む。宇宙や太陽から授かり、宗教・価値観・生甲斐・赦し・感謝心に関係する。健康には、外へ向かう体の健康と内へ向かう心の健康の二つがある。体が病んでも老いても心の中に今日も生かされている感謝の気持が漂えば健康だ。健康とは「湧きい出でる健康感」なのだ。幸福とは上を向いて歩く人々がめいめいの胸にもつ幸福感だ。「創る気持ち」が大切。長がーく息を吐く・声帯のバイブレーション・踵から歩く等各人が日常の行動を分析して自ら対応してこそ健康になる。これが上手な死に方に通じる。

第34回H23-1箕田健生様 元帝京大学市原病院長「高齢者に多い目の病気ー白内障・緑内障そして加齢黄班変性」高齢者に多い目の病気。眼球は直径24㎜位で漏斗状の眼窩に納まる。前面は透明な角膜、瞳孔、その後にレンズに当たる水晶体あり、さらに眼球を満たす透明なゼリー状の硝子体 があり、奥のフィルムにあたる網膜に視細胞が沢山ありそこから脳に連絡。網膜の中心窩を囲み黄斑部。その後ろに脈絡膜。「白内障」は水晶体が濁って網膜に光が届かなくなる病気。治療は1薬物療法・進行の抑制2手術療法「超音波水晶体乳化吸引術」・現在眼内レンズはシリコンとアクリルソフト。年間100万件超の手術は安静期間の短縮で日帰り手術も可に。「緑内障」は一般に房水が流れにくくなり、眼圧上昇で脳に情報を伝える視神経の障害により視野が狭くなる病気。治療は1薬物治療では眼圧下降を2手術治療ではレーザー虹彩切開術等。40歳過ぎたら年一回の眼底検査を。「加齢黄斑変性」は眼球の底の網膜の中心にある黄斑(4.4㎜円)が萎縮したり、出血し視野障害の疾患。予防は1禁煙2ビタミンC, E, ベータカロチン,B2、亜鉛、銅、マンガン、ルティンなどを含むサプリメント(オキュバイト)の内服等。

第35回H22-2梶原拓様 健康医療市民会議代表「KISK式認知症予防法(患者・市民が学び・実践する認知症の予防法) 60冊以上の本を患者・市民の立場から読破。認知症は「アルツハイマー型・脳血管性・レピー小体型・前頭側頭型」があり、従来脳の神経幹細胞は再生しないとされたが、最近、新生ニューロンでの脳の成長が判明した。神経外科医ペンフィールドさんの「ペンフィールドマップ」は、体から脳へのインプット「体性感覚」では手と顔の影響が強く、脳から体へのアウトプット「身体運動」は指令を発するのは前頭連合野で体ではやはり指と顔や口が強く、それは隣り合う場所にあり、小脳と大脳基底核が運動を補佐する。これには活脳体操・ウオーキング・筋力トレーニング(成長ホルモン発生)が効果的で、小川式の心身機能運動が脳を活性化させるのが判る。健脳食を含め市民患者の立場での「認知症予防十か条」を皆さんと一緒に策定し普及したい。

第35回H23-2小川真誠様 心身機能活性療法指導士会理事長「認知症予防トレーニング・運転感覚強化プログラム」認知症は介護だけとされてきたが、予防と改善が一番。生活習慣の改善の心身機能活性運動(脳と心と体を鍛える)の活用が大切。「認知症改善プログラム」の全体像は、事前運動としての「心身体操」次いで「1活性温熱療法」「2フィンガースポーツ運動」「3フラハンド有酸素運動」「4ゲーゴルゲーム運動」「5回想療法」を毎日繰返えし、三箇月続ける。愛情ある行動で精神的に落ち込んでいた活動が取り戻せる。指導者と向き合って一緒にやる。脳の司令塔の前頭原野を活性化させる。周りの人との触れ合いやお互いに認めあう交流や喜びあいで人間力が回復する。認知症だけでなく、自閉症や引き篭もりや脳梗塞脳卒中の後遺症、若年認知症や能障害児の改善もできる。刺激が大切。年齢に関係なく認知症の予防にもなる。

第35回H23-2中澤聖人様KKユーミーケア認知症脳卒中改善相談センター責任者「第一号「地域センター」平塚の改善業務報告」

認知症改善センター第一号の責任者。最初の対象者は85歳で介護度3の男性。心身機能活性運動を90日間実施。施設では他に多くの高齢者がいるが、その他の生活時間の過ごし方がこの対象者と全く違う。ボーっとして内に籠っているのとは全く違う。施設の職員も治らない介護から、症状が改善する楽しみのある心身運動の手伝いで、特に若い職員の生甲斐や志気が全く変ってきた様に思う。対象者は心身バランス計で改善がみられ、自宅に帰ってからも家族ともども毎日の積極的運動が続き、家族の喧嘩もなく感謝の気持が皆に涌くようだ。

以上平成22年度の定例会の講師の講演メモからの印象の或る一言の取りまとめ。

(23年3月は東日本大震災のため定例会は中止となりました)

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