市民本位の健康医療に向けて

がんの予防と治療の市民学

2011年10月24日 by KISK事務局  


がんの予防と治療の市民学(未定稿)

2011・08・29
(修正版)10・12

<「頭の健康法」に次ぐ市民学第2弾>

<がんでは死なないための10か条>

健康医療市民会議(KISK)
代表
梶原 拓

がんの予防と治療の市民学(未定稿)

<目 次>

はじめに   P.1

第1 がんの現状   P.1

1 夫婦いずれかが、がんで死ぬ
2 「お任せ」ではだめ

第2 市民主役の時代   P.1

1 自主努力(自主学習・自己選択・自己責任)
2 三つのキーワード(市民学・情場・陽明学)  P.2
3 市民の姿勢
4 「市民エージェント」の創設   P.3
5 「情場」活動

第3 「がん」とは   P.4

1 賊軍(がん細胞)と官軍(免疫細胞)との攻防
2 戦いのステージ(節目)
(1)ファースト・ステージ 毎日がん細胞5000個発生
(2)セカンド・ステージ イニシエーション 活性酸素
(3)サード・ステージ プロモーション 冷え、ストレス

第4 がん対策五原則   P.4

1 がんは「生活習慣病」   P.5
2 がんは「全身病」   P.6
3 がんに対抗する「総合戦略」   P.6
(1)がんの検査と診断  P.6
(2)がんの予防薬  P.7
(3)がん治療の難易度  P.7
(4)西洋医学の進歩  P.8
(5)器官別・段階別 西洋医学治療チャート  P.8
(6)ホリスティック医療・代替医療の分類  P.9
4 戦術は「選択と集中」  P.11
(1) 標準治療の効果と限界 集学的治療  P.11
(2) 補完・代替医療(統合医療)も選択の対象に  P.11
(3) 最善の組み合わせを(ベストミックス)  P.12
(4) セカンド・オピニオン  P.12
5 決め手は「自己治癒力」  P.12

第5 賊軍(がん細胞)への攻勢   P.12

1 総攻撃体制(集学的治療)  P.13
2 尖兵の出動(標準治療) P.13
(1) 外科手術  P.13
(2) 放射線療法  P.13
(3) 抗がん剤治療  P.14
1-化学療法の適用  P.14
2―がんの兵糧攻め  P.17
3-骨転移の特効薬  P.17
4-肺炎の警戒  P.17
5-抗がん剤治療の専門医  P.17
3 側面支援 各種西洋医学手法  P.18
(1) 免疫力の補強  P.18
(2) 夜の治療(クロノセラピー)  P.19
(3) 局所投与法  P.19
(4) 併用法  P.19
(5) 免疫力低下の監視  P.20

第6 防衛力(免疫力)の増強   P.20

1 免疫細胞療法  P.20
2 自然治癒力の強化  P.22
(1)薬品・サプリメント類の利用 低分子フコイダン 超高濃度ビタミンC療点滴法 丸山ワクチン大量療法  P.22
(インチキ療法) P.23
(2)好循環の保持 温熱療法 よい生活習慣  P.24
(3)食事療法が基本(医食同源)  P.25

第7 士気の高揚(自己治癒力)   P.29

第8 戦陣訓「がんで死なないための10か条」  P.33

1 心身の過労を避けること
2 睡眠を十分とること
3 体温をあげること
4 食事を大切にすること
5 適度の運動をすること
6 活性酸素を減らすこと
7 がんに好物(塩分、糖分)(冷え)を与えないこと
8 病気が進めば、がん集団(腫瘍)を一気に叩くこと
9 免疫細胞に「治療食」など援軍を送ること
11 前向きに明るく味方の士気を高めること

援軍を送ること

第9 がん関連用語   P.33

第10 がん情報サイト   P.35

第11 参考図書    P.35

はじめに
健康医療市民会議(KISK)は、活動を開始してから4年を経過しました。この間、毎月1回の定例会では専門の講師を招き健康と医療の問題を会員が勉強し、一方、国会議員やマスコミ、医療関係者からなる「医療改革懇談会」(大竹美喜・座長)を設け、医療の制度や政策について改革の提案もしてきました。
また、KISKの活動として、①認知症②がん③脳・心臓血管障害の三つを重点にして、「国際介護支援センター」の設立、「心身バランス計」の開発、健康食材の確保のための「市民農園」事業の計画などを進めてきました。
こうした活動を通じ、市民が自身および家族の健康や命を守るためには、国の制度や施策に依存しあるいは病院・クリニックに「お任せ」ではなく、自ら考え、実践する「自己責任」を自覚し行動しなければならないことを学習しました。
その一環として、先に「市民が考える認知症対策」をまとめ、本年8月の定例会で概略を明らかにしました。認知症は体の運動で予防し治療することが出来、中国上海市が、我々が応援してきた「心身機能活性療法」を活用し、認知症、脳卒中後遺症、子供の自閉症などの治療に最も熱心に取り組み成果を挙げています。その状況は、本年4月、国際放送「NHKワールド」にて世界に放映されました。
今回は「市民学」シリーズ第2弾として「がんの予防と治療の市民学」をまとめ、今後、会員が継続して学習する基礎をつくりました。
「市民学」シリーズ第3弾として、すべての病気に共通する「自然治癒力」と「自己治癒力」を「自分で病気を治す力」(仮称)としてまとめる予定です。がんについても、この「自分で病気治す力」を学習し実践すれば、予防も治療もできるということです。
その次は、脳卒中や心筋梗塞など脳や心臓の血管系の疾患に取り組みたいと考えています。

第1<がんの現状>

1(夫婦いずれか、がんで死亡)今や、日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで亡くなるという時代である。65歳以上であれば2人に1人ががんで亡くなっている。高齢の夫婦であれば、どちらかが、がんで亡くなるという高い確率である。がんによる死亡者は年間32万人を超え、肺炎で亡くなった約10万人のうちに、抗がん剤などで免疫力の低下した、かなりの数のがん患者がいる。家族のがん患者を含めると、日本人で、がんという病気に関係を持たない人はいないという状況にある。がんは正に「国民病」である。
2(「お任せ」ではだめ)また、がんの予防と治療は、個人の問題に止まらず、医療費負担の問題を始め、国家的課題でもある。
しかも、高齢化の進展とともに、がん患者の増大が予想され、更に深刻な事態が来ると予想されている。政治・行政、医療の専門家や業界に任せていては、患者や市民が犠牲になってしまう。患者側市民が、がんは自分の問題と自覚して立ち向かっていかないかぎり状況は打開できないでしょう。
がんに患者側市民が、がんと向き合うには、安易な「お任せ」ではなく、個人個人が自ら勉強し、自ら実践をしなければならない。
米国では、すでに1977年、連邦議会上院「マクガバン」委員会で、食生活の改善を中心とした「がん予防対策」(マクガバン・レポート)をまとめ、政府の公的活動や民間の協力で、その実践を進めた結果、がんの患者やがんによる死亡者の数が減少に転じ今日まで成果を挙げている。日本では、なぜか政府も医師会なども「マクガバン・レポート」に大きな関心を寄せず、今日に到っている。日本では今もって「予防よりも治療」「治療よりも加療」に重点が偏向している。消費者よりも供給者中心の医療サービスの考えが支配的である。

第2<市民主役の時代>

1(自主努力)
日本では現行の制度や政策に依存していては、がん患者やがんによる死者は増加するのみである。改革が必要であるが、先ず患者側市民が自覚して、自分や家族の命を守るため自主的に努力しなければならない。それには、市民が次の「三つの責務」に沿って行動しなければならない。
「三つの責務」
(1) 自主学習(自分から進んで勉強する)
(2) 自己選択(最後は自分の判断で決める)
(3) 自己責任(他人に責任は負わせられない)

2(三つのキーワード)
「自主学習」のためには、「三つのキーワード」がある。「市民主役の時代」の「市民学」、「情報化社会」の「情場」、「知識から行動へ」の「陽明学」の三つである。
(1)「市民学」 古代ギリシャ以来「市民」が学問の対象となった時代から、市民自身が進める学習「市民の、市民による、市民のための学習」へと時代は大きく転換しつつある。チェジニア、エジプトなど「アラブの春」に見られるように、発展途上国でも市民が自らを守るため立ち上がった。「市民が主役」は世界的な潮流である。
(2)「情場」 情報社会には、「新しい価値ある情報を創造する場」が必要である。農業社会の時代は「農場」、工業社会の時代は「工場」が生産現場の主流であった。情報社会の生産現場は「情場」である。「農場」とは異なり「労働力」でなく「知識・知恵」が価値を生む。「工場」と異なり「資本」でなく「人間」が価値を生む。その生産のメカニズムは「交流」「連帯」そして「創造」である。
1―「交流」 多様な人との交流、多様な情報の交錯によって、情報同士が「化学反応」を起こし「新情報」を創造する。同種の情報間では反応は起きない。昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言われてきたが、「衆知を集める」ための「場」の設定がポイントとなる。ネット時代では、オンラインの交流会が幅広い情報の交錯が期待でき、また異業種交流会のようなオフラインの人間同士の対話から密度の高い情報の「化学反応」が起きやすい。
2―「連帯」 関係する人たちで目的・情報・行動・成果の共有があれば、生産性は高くなる。人間集団においては「理論」よりも「情緒」、「理屈」よりも「感情」がより大きなインパクトを持つ。「情緒」も「感情」も時には「理論」や「理屈」の仮面を被っている
3-「創造」 メンバー各自の思考は自由で、相互の関係は平等で、常識・前例に捉われず常に挑戦する環境が新しい発想を生み安い。
(3)「陽明学」 単に知識・教養に止まるかぎり状況は変わらない。。実践しないと結果は出ない。「知識」から「行動」へ。知識重視の「朱子学」から行動重視の「陽明学」へ転換しなければならない。自分たちの健康や生活を守るためには、「知っている」だけではだめで「やってみる」ことが必要である。でなければ現状は何ら変わらない。
がんは「国民病」といってもいいほど患者も多く、罹病すれば命に関わる。医師や病院に「お任せ」ではなく、自分自身で勉強して、がんに立ち向かわなくてはならない。しかも孤独に闘うよりも、みんなで知恵を出し合い、励ましあって闘った方が、はるかに勝率は高くなる。仲間で集まって勉強会を開いたり、ネットでサイトを設け知恵を出し合う「情場」を開き、さらに具体的に共に実践活動を展開したいものである。そうすれば難敵の賊軍・がん細胞を攻略することも決して夢ではない。

3(市民の姿勢)
患者側市民として、自分自身や家族の健康や病気を考える時、その姿勢は
1 市民本位で、政治、行政、専門家、業界の都合に左右されない。
2 実益優先で、がんを予防し、治療できれば、制度や仕組み、主義や主張、派閥や学閥、主流派か少数派か、定説か異説か、一切の拘りを持たない。
3 臨床中心で、「論より証拠」、実際に病院やクリニック、患者の体験で実証された成果を尊重する。「科学的エビデンス」も考慮するが、より「体験的エビデンス」を重視する。
4 患者側市民にとって「理想の医療」とは、
(1) 必ず治る
(2) 直ぐ治る
(3) 痛くない
(4) お金がかからない
この4点につきる。医療サービスを提供する側とは、必ずしも
利害は一致しない。医療も営業で、経営を無視できない。
5 自分自身あるいは家族のために、最適の予防法や治療法を選択するのは「市民の権利」である。

このような患者側市民の観点から「がん」というものを実用的に大きく簡単に捉えると、
①「がんは<免疫力など自然治癒力とがん細胞の勢力のバランス>が崩れたとき、発病に到る。」
②「がんの予防も治療も、いかに自然治癒力をがん細胞に対し優位に保つか、そこがポイントとなる。」
というように、「がん細胞と免疫細胞との対抗戦」の構図に簡略化して考えることができる。こうした構図を念頭に、市民として、患者として、家族として「がん細胞に対抗」していくこととなる。

4(市民エージェント)
すべての市民が「自主努力」3原則(自主学習)(自己選択)(自己責任)を実行できないので、代わりに「学び・選び・伝える」市民の代理役(Citizens Agent)「市民エージェント」が必要となる。「市民エージェント」は
(1) 情報の収集 Collector
(2) 情報の要約(選択と解説) Digester
(3) 情報の伝達 Messenger
これら三つの任務を果たすこととなる。「市民エージェント」は
市民を最適な方向に誘導する「市民ナビゲーター」でもある。当面、患者を体験した人たちのボランティア活動に期待することになるが、いずれは、弁護士、税理士、司法書士などのように、プロの市民代理、市民エージェント(CA)が登場することになろう。
時代は官僚政治から市民政治へ移行しつつある。政治の世界でも真に市民の代理が務まる市民政治家の出現を期待したい。また、医療や健康に関する情報は膨大にあり、また難解な情報もある。インチキ情報もある。一般の市民にとって情報の取捨選択は容易ではない。医療の世界でも名実ともに「患者さん」の立場を代弁できる人材が育たないと、医療が真に患者本位のものとはなりがたい。患者側市民は、時には「患者モンスター」と呼ばれ枠を外れた不心得者もいるが殆どの人たちは医師には遠慮し寡黙である。医師を信頼し「お任せ」の風潮も残っている。医療側と患者側市民が対等で自由に情報や意見を交換できて始めて正しい医療の発展がある。

*「ピアサポート」(2011・09・27中日新聞) がん治療の経験者でつくるNPO法人ミーネットが名古屋市と協働で運営する情報相談サロン「ピアネット」(名古屋市中区)がある。このサロンでは、がん患者と家族を支援するため、特別に研修を積んだがん治療体験者が、経験を生かして相談に応じる「ピアサポート」に取り組んでいる。
がん患者同士の支え合いは、従来の患者会や病院のがんサロンでも広く行われ、患者特有の悩みの解消や精神的な支援で成果を挙げてきた。これに加え、ミーネットでは知識の裏づけを重視。医療機関の協力で計九十時間を超える講座と実習を容易し、約1年かけてピアサポーターを養成している。臓器別のがん治療の知識から、コミュニケーション術まで幅広く学ぶ。
ミーネットの花井美紀理事長は「主治医にお任せではなく、患者さんが、がんとより良く向き合う手助けをするためには正しい知識が必要」と話す。
「共通の研修プログラム」(同・中日新聞) ピア(Peer)は「同等の立場の人」を意味し、ピアサポーターの治療経験が当事者同士の共感を呼び、患者を支える上で役立っている。・・・
一定レベルのがん相談が全国各地で受けられる体制づくりのため、厚生労働症は本年度、日本対がん協会に委託し、がん総合相談の研修プログラムの策定を進めている。
十月二十三日には、全国のがん患者団体や病院のガン相談担当者を対象に、ピアサポートを考えるシンポジュウムを都内で開催。意見を集約し、研修プログラムの策定に生かす。策定委員でもあるミーネットの花井さんは「プログラムで標準化するだけでは、ピアサポートの発展は難しい。各地域の関係者の熱意が十分に発揮されるよう、自由度の高い仕組みが必要」と話している。
*NHKテレビ「総合医」など、視聴者とともに考える番組が増加傾向にある。新聞・雑誌も健康・医療関係の記事が大幅に増加している。
インターネットも健康・医療情報で溢れている。
5(「情場」活動)
この「がんの予防と治療の市民学」は、その試みの第一歩である。
①だれでも「がん」というキーワードを持てば、新聞、テレビ、雑誌、本、インターネットなど、目や耳に入る沢山の情報の中から「がん」に関係するものが磁石に吸い寄せられるように集まってくる。それを一つの情報ごとに紙切れやノートに残しておく。
②情報が集まれば、それらを机の上に並べると。お互いに似た、あるいは関係の深い情報のグループが浮かび上がってくる。
③これらの情報グループ群を一つの体系にまとめた配列してみる。
「情報のパッチワーク」である。これ五つぐらいの原則「5原則」に整理すると考え方の基本ができる。
④次に、具体的な実践の心得として「10か条」を定め、座右に置き毎日の行動の目安とする。
以上の作業を仲間で相談しながら進め、一緒にウオーキングをするなど実践活動も共同にやれば効果は格段に上がるでしょう。また。こうしたグループの中に「市民エージェント」のような
人が加われば更に効果が拡大するでしょう。

第3<「がん」とは?>

患者側市民は、予防や治療の段階で、「がん細胞との対抗戦」に勝利しなければならない。がん細胞を「賊軍」とすると、免疫細胞を中核とする勢力は「官軍」となる。
1 <がんとの攻防>賊軍・がん細胞に立ち向かう官軍・免疫細胞という構図になる。
がん細胞は、人間を殺す賊軍、これに対抗する代表が免疫細胞の官軍で、がんの発病、転移、再発は、すべて賊軍と官軍の攻防戦の結果である。
(1)毎日、がん細胞・賊軍兵士は数千個発生。これを官軍の免疫細胞パトロール隊が見つけて殺している。
(2)過労など免疫細胞・官軍の弱点(「がん体質」化と搦め手)が発生すると、がん細胞・賊軍が免疫細胞・官軍突破のきっかけをつかむ。「活性酸素」が問題だ。(イニシエーション)
(3)更に、がん細胞・賊軍に「冷え」「偏食」「ストレス」など援軍が加わり、免疫細胞・官軍との勢力の均衡が大きく崩れると、がん細胞・賊軍の勢力は加速度的に増大する。(プロモーション)
(4)がん細胞・賊軍の勢力が免疫細胞・官軍の勢力を大きく上回れば、外科手術、放射線療法あるいは抗がん剤・化学療法でがん細胞・賊軍を大量に叩く。また、賊軍への補給路を断つ。ただし、免疫細胞・官軍への打撃は最小限に止めなければならない。
(5)同時に、免疫細胞・官軍に強力で多様な援軍を送る。がん細胞・賊軍を急襲(対症療法)しても生き残った残党を免疫細胞・官軍が勢力を盛り返し討伐する。
(6)がん細胞・賊軍が再び勢力を台頭させないため、免疫細胞・官軍の士気を高め、作戦や戦術の高度化を進める。(自然治癒力・自己治癒力の強化) 免疫細胞・官軍勢力優位の状況を最低5年間保持 転移や再発の防止。

第4<がんの予防と治療の五原則>

~がんの発病、がん細胞の増殖・転移・再発の抑制の総合戦略~

1 <がんは「生活習慣病」> 生活を変えれば状況も変わる
2 <がんは「全身病」> 勢力バランスの崩れが「免疫劣化病」
3 <がんに対抗する「総合戦略」> 「標準治療」の長所を活かし短所を捨てる。「統合医療」の必要性。「集学的治療」と「補完・代替医療」
4 <戦術は「選択と集中」> 食事療法が基本
5 <「自己治癒力」こそが勝利への大道>

1<がんは生活習慣病>

がん細胞は誰でも毎日、数千個発生している。がんが発病しないのは、人体の免疫細胞など自然治癒力が働いているからである。がん細胞の勢力と自然治癒力の均衡が崩れるとがん細胞の増殖が始まる。
がん発病の原因は十分には解明されていない。
もともと遺伝子に問題ありとする説ある。
肝臓がんや子宮頸がんはウイルスが原因、胃がんはピロル菌という細菌が原因とされている。
皮膚がんは紫外線、甲状腺がんは放射線が原因となり、アスベストは肺がん、農薬や食品添加物が各種がんの原因となる。
これらは細胞のDNAを傷つける「発ガンイニシエーター」であるが、同じ条件下でも発病する人としない人がある。自然治癒力が強いか、弱いか、「がん体質」かどうか、体質の差が結果を左右する。
体質は日頃の生活習慣によって決まる。
自然治癒力を弱めるのは、「悪しき生活習慣」である。

「悪しき生活習慣」
1 人体のバイオリズムに反する不規則な生活
2 人体のメカニズムに反する偏った食生活
3 人体の活動を円滑にする適度な運動の不足
4 対人的な摩擦を惹き起こし精神的なストレスを生む行動

がんは原則として長年の「悪しき生活習慣」の積み重ねによって、がん細胞が増殖を始め(イニシエーション)、或る段階から増殖が加速(プロモーション)される。
がんは加齢とともに発症するのが通例であるが、小児がんは、遺伝子に問題があるか、母体の「悪しき生活習慣」の悪影響を胎児のころから受けてきたのではないかと考えられる。同様に壮年期のがんは、幼児や青年期の「悪しき生活習慣」が原因となっているのではないか。1センチのがん腫瘍になるには10年以上かかるともいわれる。そして、その腫瘍のがん細胞は何億という数に上る。既に対抗勢力の免疫細胞は劣勢に立たされている。

がんという病気になるのは
「細胞の遺伝子が外的な要因から変異して、がん細胞となり異常な増殖を始める」とするのが定説であるが、
「血液の異常で赤血球からがん細胞が生まれる」という説もある。この説は、通説の「骨髄造血」に対し、「腸管造血」を主張する。
われわれ患者側市民は学説の当否は関係なく、いずれにしても遺伝子や血液の異常をもたらすのは、「悪しき生活習慣」であることに相異はない。仮に、がんを発病しやすい遺伝子を持っていても発病するかどうかは生活習慣が左右する。特に食生活が重要である。

* 安藤由郎「がんになったら、私はこの代替医療を選択する」(現代書林)
(あんどう・よしろう)1992年、九州大学医学部整形外科入局。同大付属病院、福岡日赤病院、国立九州がんセンター勤務を経て、安藤整形外科を継承。
「近年、日本では肺がんと並んで大腸がんが増えています。これが戦後、急激に進んだ食事の欧米化がもたらした結果だということはもはや常識です。がんやアレルギー疾患といったさまざまな現代病の大きな原因の一つが「ミネラル」の欠乏です。ミネラルは人間が生きていくために最も重要な栄養素の一つです。このミネラルバランスの崩れががんを引き起こしている一因と考えられるのです。

2<がんは全身病>

がん細胞は、人体の特定の局所で増殖するが、発病は患者本人の心身にわたる全身と関係し、その治療には心身にわたる総合戦略が必要である。
治療の主体は、医師ではなく患者である。患者自身の免疫や代謝を中心にした医療である。したがって、がんの治療は
医師の助けを借り「がんの治療の3原則」に従って
1 がんの勢いをそぐ
2 免疫力を強化する
3 自然治癒力を引き出す
ために患者が、がんと戦う協働事業である。

(1)(ホリスティック医学)(帯津良一)「ガンを治す大事典」(二見書房)
(おびつ・りょういち)1962年、東京大学医学部卒、東京大学第三外、科共立蒲原総合病院外科、都立駒込病院外科を経て、帯津三敬病院院長。
1 ホリスティック(全的)な健康感に立脚する。
2 自然治癒力を癒しの原点とする。
3 患者がみずから癒し、治療者は援助する。
4 さまざまな治療法を総合的に組み合わせる。
5 病への気づきから自己実現へ。

2(標準治療)がんが増殖を始め、加速するのは、心身全体が弱体化して自然治癒力が低下するからである。がんは「自然治癒力劣化病」という名の「全身病」といえよう。そして特に弱点のある局所にがん細胞が増殖して発病する。その局所に対して、西洋医学による対症療法として
1 外科手術
2 放射線治療
3 抗がん剤治療
の三つが「標準治療」として実施されている。また、これが国民保健の対象でもある。

3<がんに対抗する総合戦略>
~がん治療の幅は広い~

(1) がんの検査と診断(中川恵一)「がんのひみつ」(朝日出版社)
(なかがわ・けいいち)1985年、東京大学医学部医学科卒、東京大学医学部付属病院放射線科准教授
がんの診断は、体に負担のない「腫瘍マーカー」の検査や「画像診断」から始め、最終的に病巣の一部を採り、顕微鏡で最終的な判断を下します。
(がんの発見に有効と考えられる主な検査)
脳腫瘍   CT(コンピュータ断層撮影)
MRI(磁気共鳴画像検査)
PET(陽電子放射断層撮影)
頭頚部がん 内視鏡、CT,PET<MRI
肺がん   X線検査、CT,喀痰細胞診
気管支内視鏡、腫瘍マーカー、PET
乳がん   超音波検査、マンモグラフィ
腫瘍マーカー、PET,骨シンチグラフィー
食道がん  上部消化管造影、内視鏡
腫瘍マーカー、CT
胃がん    上部消化管造影、内視鏡
肝臓がん   超音波検査、CT
腫瘍マーカー、血管造影
大腸がん   注腸造影、大腸内視鏡
便潜血検査、PET、腫瘍マーカー
子宮頸がん  膣・頚部擦過細胞診、子宮頚部内視鏡
超音波検査、MRI
子宮体がん(子宮内膜がん)
子宮膣内内視鏡、子宮内膜細胞診
超音波検査、MRI
卵巣がん   超音波検査、CT,腫瘍マーカー
MRI
前立腺がん  超音波検査、腫瘍マーカー
骨シンチグラフィー、CT<MRI
血液悪性疾患 血液細胞検査、骨髄穿刺、腫瘍マーカー
CT,PET
(2) がんの予防薬
がんは、できれば予防をしたい、生活習慣が重要であるが、ケースによって薬剤による予防策もある。

1-肝がん予防薬
C型肝炎から肝硬変や肝がんに移行して死亡する人が多い。
標準治療では、インターフェロンとリバビリンなどの抗ウイルス剤による肝がん予防治療が行われているが。効果は十分といえない。インターフェロン以外にも肝がん予防薬があるが、十分活用されていない。次の4種類の薬は、それぞれ成果を得ているが、健保適用されていない。
1 ビタミンの一種である「非環式レチノイド」
2 やはりビタミンの一種である「複合カロテノイド」
3 ビタミンK2
4 分岐鎖アミノ酸

2-胃がんの予防
発病率トップ、死亡原因2位の胃がんの病因にピロル菌があるとWHOが認めている。抗菌剤と胃潰瘍治療薬を2週間服用すれば除菌できる。40歳以上の日本人では10人中7人がピロリ菌に感染、ピロリ菌感染者からは10年間で5%の人に胃がん発生したとの調査(1500人対象)がある

(3)がん治療の難易度
「がん」といっても一つ一つ違う。千差万別で、治癒率が99%のがんも、0%に近いがんも存在する。
がんはDNAのコピーミスが原因だから同じがんは存在しない。しかも、がん細胞は、どんどん突然変異を繰り返して性質が変わっていく。だから、すべてのがんは、それぞれに違った「世界に一つだけ」の病気である。
しかし、どの臓器からできたものかによって、がんの性質はおおよそ決まる。
タチの悪さで言えば、①膵がん②肝臓がん③肺がん④乳がん⑤前立腺がん⑥甲状腺がんの順番で、番号が小さいほどより悪質である。
同じ臓器からできるがんでも、タチの悪さが違う。甲状腺がんの大多数は、非常に進行が遅い「分化型線がん」であるが、まれに「未分化がん」ができ、このタイプのがんは、すべてのがんの中でも、もっとも手に負えない。
肺がんでは、「小細胞がん」か「非小細胞がん」かで、治療法が違ってくる。
「小細胞がん」とは細胞の大きさが小さい特別なタイプのがん、「非小細胞がん」とは小細胞ではない、普通のがん。「小細胞がん」では、抗がん剤と放射線が治療の柱で、「非小細胞がん」では外科手術が中心となる。
再発したがんは、タチが悪くなっていく傾向がある。たとえば、放射線治療や抗がん剤治療をしたあとの再発したがん細胞は、そうした治療でも死ににくい。突然変異をしたさまざまなタイプのがん細胞のうち、放射線や抗がん剤に強いがん細胞が生き残るため、同じ治療が効きにくくなるから、がん細胞からみると淘汰によって進化したとみなすことができる。

(4)西洋医学の進歩

外科手術は、進歩している。内視鏡による手術など、体の負担を最小限に抑える技術など、外科手術は著しく改善されている。またがん病巣周辺のリンパ節を大きく抉り取るようなこともしなくなった。
放射線治療の普及も進んでいる。放射線治療は、日本では外科手術が早く発達・普及したこともあり、欧米に比べ普及が遅れているが、ガンマーナイフやサイバーナイフ、三次元照射や四次元照射、さらには陽子線や重粒子線治療など技術の進歩は目覚しく、正常細胞の損傷は少なく、がん細胞を征圧できるので、広く活用されるべきである。定位放射線療法のノバリスやトモセラピーのように健康保険の適用対象となっている治療法もあるが、重粒子線や陽子線治療は、「先端医療」として、「混合診療」とはならないが、300万円余の自己負担が必要である。
このほか、ラジオ波、超音波、波動などの応用による治療法があり、各種治療法との併用で効果があるであろう。
抗がん剤治療も改善されつつある。

(5)<器官別・段階別 西洋医学治療チャート>(帯津良一)(ガンを治す大事典)

+「食道がん」 技術的な進歩や、術後管理の向上によって期待のもてる手術だが、高齢者が多いことや、リンパ節転移の問題などにより、5年生存率は思わしくない。
+「胃がん」 早期のがんの5年生存率は90&を超え、手術も安全なので、早期発見、早期手術が大原則。抗がん剤の術前投与にも好ましい症例報告が増えている。
+「大腸がん」 決して予後の悪いがんではないが、直腸がんを自分で痔と決め込んだり、肛門の診察を敬遠するあまり、早期発見の機を逸することも多い。
+「肺がん」 小細胞がんなど、悪性度が高いほど、化学療法や放射線治療にいい反応を示すが、悪性度の低い非小細胞がんには化学療法や放射線治療は期待しにくい。
+「乳がん」 治療の中心は手術である。5年生存率は進行度Ⅰ度では96・7%という高い実績を挙げている。また、最近では縮小手術の傾向が進んでいる。
「肝臓がん」 がんは小さくとも肝機能障害が高度で腹水、黄疸などの症状があるときは手術は不可能だが、がんが大きくとも、肝機能が良好であれば手術の対象となる。
+「膵臓がん」 手術は労多くして功少なしの典型である。有効に用いることのできる戦術はすくないが、数少ない戦術をフルに活用することが他のがんに比べて大切である。
「卵巣がん」 手術だけでは根治の可能性は低いが、抗がん剤のシスプラチンの開発により、治療成績が向上してきた。しかし、長期の予後については今後の課題である。
「腎臓がん」 広範囲のリンパ節郭精も含め、拡大手術が一般化し、治療成績も向上しているが、骨などの遠隔への転移が起こりやすく、進行度の高いものほど予後は悪い。
+「脳腫瘍」 脳の性質上、他の臓器のように正常な部分を含めて手術で大きくとることはできない。術後の放射線治療と化学療法の併用によって効果を高めることができる。免疫療法もある。
「頭頚部腫瘍」 ①上顎がん 放射線療法、化学療法および手術による複合療法②舌がん リンパ腺転移のない例では原則としてラジウム針による組織内照射。化学療法はあまり期待できない。
③口腔底がん 放射線治療よりも手術の対象となることが多い。④喉頭がん 放射線治療は有効。⑤下咽喉がん 咽頭がんと反対に進行例が多く予後不良。
「甲状腺がん」 85%を占める分化型がんの治療成績はきわめて良好。残り15%の未分化がんの成績はきわめて悪く、組織型の差が大きいのが特徴。分化型の治療は主として手術。化学療法はあまり効果が無く、多くは術後にホルモン療法を行う。がんの中で最も治療成績のいい部類に属する。未分化型は放射線治療や化学療法が有効であるが予後は不良。
「子宮頸がん」 治療の基本は進行度の低いものは手術、高いものは放射線治療」 化学療法はあくまでも補助手段。
「膀胱がん」 治療の中心は手術。進行度の低いものは膀胱機能を温存した術式を。進行度の高いものは全摘。化学療法は期待できない。
「前立腺がん」 高齢男性に頻発。骨に転移しやすく、がんが前立腺のなかにとどまっている場合には手術をし、周囲にすでに広がっている場合は放射線治療か内分泌療法。
「骨肉腫」 10代の男性に多い。できるだけ早く術前の化学療法を行い、その後に手術。
「皮膚がん」 有刺細胞がんと基底細胞がんが主なもの。いずれも進行がゆるやかで転移も少なく、化学療法や放射線治療の効果も高く、予後も良好。
「悪性黒色腫」 治療は手術が中心。免疫療法が奏効。化学療法は他の皮膚がんほどの効果はない。初回の手術が不完全だと予後はきわめて不良。
「小児がん」 特長として、まず、がんの発生部位が成人のように胃や大腸など消化器のものは少なく、脳や神経系、肝、腎といったところに多く、また化学療法などの薬剤がよくきく。
{神経芽細胞腫}小児がんの約10%で、最も頻度が高い。副腎や交感神経節に発生、進行度が高いと予後が悪い。
{ウィルムス腫瘍}腎臓に発生、小児がんの約5%。タイプにより予後良好グループと予後不良グループに分け化学療法。成績はよい。
{肝臓がん}原発よりも転移のものが多く予後はきわめて悪い。
「小児白血病」 特徴は急性型が90~95%を占め、化学療法の進歩で60~70%の治癒が期待される。予後も良好。
「成人白血病」 小児に比べて一般に予後は不良。化学療法によりいい経過をたどるものもあるが、予後不良。骨髄移植の導入に期待。
「悪性リンパ腫」 ホジキン病と非ホジキン病に大別。いずれも化学療法が有効。ホジキン病の進行度Ⅰ~Ⅱでは放射線治療と化学療法の併用で90%に及ぶ治癒率をあげている。非ホジキンリンパ腫ではBリンパ腫とTリンパ腫があり、それぞれどの臓器に原発したかによって治療方針が異なる。

(6)ホリスティック医療・代替医療の分類(ガンを治す大事典)
*A 安価で使用が容易な療法
C やや高価か、施術者が必要な療法
B 両者(AとC)の中間的療法

対象1「身体」
免疫療法(A)ビタミンC内服
同  (B)ビタミンC注射、丸山ワクチン、AHCC,
MMKヨード、尿療法
同  (C)免疫監視療法、新リンパ球療法、蓮見ワクチン
その他(A,B)新免疫療法、遠赤外線療法、古梅霊芝から姫マツタケまで
その他(C) オゾン療法
対象2「気」
ハリ・灸(A)三井式温熱療法、ビワ葉温圧療法
同  (B)真空浄血療法
同  (C)濱口式ハリ治療
気功  (A)内気功
同  (B)真氣光療法
同  (C)外気功
食事  (A)食事改善+原則、リブレフラワー、ニンジンジュース、青汁療法、メイ牛山式、ワカメ、コンブ
同  (B)マクロビオティック、自然薬法、体質別健康法、パイイウオーター、森下式自然医学療法
同  (C)ゲルソン療法、医聖会栄養療法、甲田式小食療法
漢方薬 (A)エキス剤
同  (B)煎じ薬、佐藤式生薬療法
同  (C)天仙丸、馬蘭子
対象3「心」
(ABC)リラグゼーション、瞑想、イメージ、生きがい療法、サイモントン療法、心身療法、芸術療法、心身一体療法
* 詳しくは。帯津良一編著「ガンを治す大事典」(幻冬舎)参照
*(白畑實隆)「あなたの知らない新しいがん治療」(現代書林)
(しらはた・さねたか)1978年、九州大学大学院農学研究科食糧化学工学専攻博士課程修了。米国オレゴン州立大学生化学生物物理学科留学、1989年から九州大学教授、その後、同大学院細胞制御工学教室教授。
がん細胞だけに作用して、副作用が無く、体の免疫力をも損なわない、そんな治療法があれば、とは誰もが願うところですが、西洋医学の進歩をもってしても、その条件を満たす治療法はまだないというのが現状です。
そこで、西洋医学以外にも視野を広げ、さまざまな可能性を検討、追及するために代替医療も使っていくという考え方が出ています。代替医療にはキノコや植物などから成分を抽出した健康補助食品をはじめ、鍼灸、気功、カイロプラクティックなどがよく知られていますが、その種類は無数といっていいほどあります。これらのほとんどは、西洋医学に見られるような副作用は少なく、体に優しいことが利点として挙げられます。
その一方で、治療実績は西洋医学に比べて少なく、科学的な解明まで到っていないのが現状です。そして、がんの発見が遅くなればなるほど、手ごたえが得られなくなるのは西洋医学でも代替医療でも同じです。
しかし少しでも治癒の可能性があれば、また治癒は難しくてもできるだけ質のよい生活を続ける方法があるのなら、患者さんにとっては西洋医学、代替医療の別なく知りたいと思うでしょうし、受け手みたいと思われるのは当然です。
その気持ちに応える考え方として、近年注目されているのが「統合医療」なのです。
統合医療は、西洋医学だけではなく、東洋医学も含めたさまざまな代替医療を取り入れて、それぞれのメリットを活かした治療やケアを行っていこうという考え方のうえに成り立っています。
アメリカではすでに国立の「補完代替医療センター」(NCCAMC)が設立されており、代替医療に対する科学的な研究が進められています。また多くの医科大学で、代替医療や統合医療についての講座が開かれていたり、大学間の共同研究が行われていたりします。そうしたアメリカの動きに比べると、日本はまだ立ち遅れている立てが進んでいけば、統合医療は将来的にがん治療の主流になっていくのではないかと私は考えています。)
*(安藤由郎)「がんになったら、私はこの代替医療を選択する」(現代書林)
(あんどう・よしろう)1992年、九州大学医学部整形外科入局。同大学医学部付属病院、福岡日赤病院、国立九州がんセンターを経て安藤整形外科を承継。
国立がんセンターで西洋医学の限界を嫌というほど痛感した私は、さまざまな経緯があって10数年前から代替医療に取り組むようになりました。
代替医療とは現代の西洋医学以外の方法で、人間が本来もっている自然治癒力、免疫力を高めて体内環境を整えて、病気の治療や予防を行う療法です。西洋医学の限界を補う治療として最近注目が高まっています。

4<戦術は「選択と集中」>
①「体のどこにできたがんなのか」
その部位にできたがんなのか「他の部位から転移したがんなのか」と、がんの進行度を説明してもらいます。
②治療について「どのような治療法があるか」「治る可能性」「治療期間」「治療による副作用の有無」を尋ねます。
③「その治療法によって何かが失われる可能性があるのか」を確かめます。たとえば、乳がんでは手術によって乳房を失う場合もあります。
④手術を受ける場合、「手術の種類と成功率」「手術後の障害の程度と障害の解決法」「入院期間や日常生活に戻れるまでの期間」を確認します。
⑤薬剤療法を受ける場合は、「どのような種類の薬か「どんな効果がきたいできるか」投与期間」「副作用とその対処法」を尋ねます。
医師の説明があやふやでインフォームド・コンセントに納得できないときはもちろん、最近、相次いで起こっている医療過誤を防ぐためにも主治医以外の専門医の意見(セカンド・オピニオン)を求めることは有効です。
がんは難敵であり、一つの方法で簡単に征圧できるものではない。可能な方法を総動員して初めて、がんに勝つことができる。
また、がんの総合戦略を進めるに当たって留意すべきは、がん細胞を全滅することは不可能ということである。がん細胞は毎日、数千個発生しているし、また、がん病巣を標準治療で100%消滅させることはできない。目に見えないミクロの世界もある。完全を期して全滅作戦を強行すれば過剰な負担で患者本人の治癒力を、場合によっては命も失うことになる。がん細胞の増殖、転移、再発を抑制できるよう、とりあえず、がん病巣の勢力を鎮圧し、自然治癒力優位の態勢に持ち込めば成功といえよう。

(1)標準治療の効果と限界
「標準治療」(三大療法)は、これまで一定の成果を挙げてきてはいるが、限界もある。これらの標準治療は、あくまでも「がんの勢いをそぐ」ことに目的があり、効果もそこまでで、「がん体質」を変えなければ根治はできないと、理解をすべきである。これは専門の別を問わず、良心的な臨床の医師の共通の理解でもある。標準治療は、その限界を前提に実行されるべきである。
一つは、「標準治療」によって免疫力などが低下して肺炎などで患者が死亡してしまう。
二つには、がんの転移や再発を防止できない。
このような標準治療であるが、その効果と限界を心得ながら、がんの勢力が盛り上がり支配的になった段階で、勢力バランスを回復するため、癌勢力に対し大規模攻勢をかける手段・武器として有効に活用できるものである。一概に抗がん剤治療はダメだと否定すべきではない。一定の条件下であれば、また他の方法を併用すれば患者へのダメージを最小限に抑えながら効果を発揮できるものである。
(2)補完代替医療(統合医療)も選択の対象に
医師によって臨床で事例が蓄積され、また患者側で体験的なエビデンスが明らかになっている補完・代替医療もある。健康保険の対象外だ、科学的エビデンスが立証されていない、などの理由で、これらの治療法を軽視すべきではない。現在は定説とされている理論も、当初は異説であり、少数説であったものばかりである。患者側で情報を集め、各自で評価し、治療効果ありとすれば挑戦する価値がある。ただし、並外れて高額な負担を要求される治療法は概して、その効果に疑問のあるものが多いので要注意である。

(3)最善の組み合わせを(ベストミックス)
標準治療でも、三大治療法を組み合わせる集学的治療が一般化しつつある。同様に、効果のある治療法であれば、西洋医学か東洋医学か、伝統医療か先端的医療かを問わない。また保健診療か保健外診療か、治療の上では区別はないが、制度上は、「先進医療」として扱われているものを除き、保険外診療を組み合わせると「混合診療」として保険診療の部分まで保健の対象外となってしまう。患者側で検討し、医療機関を別にするなどの工夫が必要となる。
(4)セカンド・オピニオン
通常、医師は単一診療科目に専門化されているので、治療法を選ぶには、総合医療に熟知した医師に診てもらうか、セカンド・オピニオン、サード・オピニオンに当たるほかない。ファースト・オピニオンが内科であれば、次は外科か放射線科の意見を聞く、というように領域の違う医師から別の角度で診てもらうのがよい。いずれにしても、掛け替えのない、大切な自分や家族の命なので、治療法は慎重に最善の組み合わせを組むべきである。未だに「すべて先生にお任せ」する患者や家族が多いが、これは医師にとっても迷惑な話である。全能の医師など、どこにもいない。患者側も責任を分担しなくしては医療は成り立たないのである。

5 決め手は自己治癒力
(「自己治癒力」とは)川村則行「自己治癒力を高める」(講談社)
(かわむら・のりゆき)1986年東京大学医学部医学科、同大学院博士課程卒、国立相模原病院を経て国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部、同部心身症研究室長。
自己治癒力という言葉は、聴きなれない言葉かもしれません。実際に医学事典などにも、私の知る限りでは出ていません。しかし、最近いろいろなところでこの言葉に出会うようになりました。
この言葉は、もともといわゆる自然治癒力を意味しています。自然治癒力は、人間が生まれながらにもっている病に打ち勝つ力、生得的に備わっている病気や環境に対抗する力と定義できるでしょう。・・・
もし、私が病にかかり、あるいは、あなたが病にかかり、そこからなんとか逃れようとするときに、自然治癒という言葉と自己治癒という言葉のどちらが励みになるでしょうか。自己という言葉が、病からの回復を願う患者自身の意識を目覚めさせ、治癒を他人にしないような積極的な語感を持っていることにお気づきになるでしょうか。・・・
(人類の特性) 人間は強い意思と積極的な行動行動で最後まで諦めない力を持っている。問題は「心のベクトル」(意思の方向と強さ)である。「心のベクトル」が明るいか暗いか、前向きか後ろ向きか、やる気があるかないか、意思や気持ちが強いか弱いかで、結果が大きく左右される。逆に言えば、「無気力との戦い」でもある。それは「生きがい」(生きる目的)を強く持つかどうか、ということで近年「精神腫瘍学」(サイコオンコロジー)なるものが発達してきている
(イメージ戦略)あまり肩に力を入れないで、静かに頭でイメージを描く方法もある。心と体は表裏一体、心が体のリード役、体はイメージで動く。イメージが心のベクトル(方向と強さ)と体の有り様を決める。

*(闘争心)英国での研究 がんに闘争心で対応した人々の13年後の生存率は80%であるのに対し、絶望感に陥った人々は15%と5倍もの差が出ている。
*(心の改善)中山武「論より証拠!ガンをなおす いずみの会式玄米菜食」(花伝社)
(なかたま・たけし)1961年に早期胃ガンが見つかったが、食事療法などでがんの退縮、3年後再発、スキルス性胃がん、手術後、玄米菜食と生活改善で再発なく、90年、がん患者の会「いずみの会」発足、会長、理事長として、これまで多数のがん患者の指導。現在の会員は約八百名、会員の十三年間の年間平均生存率は九十四・八%という好成績。
常に私は、心のあり方がガン対策にはもっとも重要で、その力は六割を占めると述べてきました。それは今でも替わりませんし、歳を経るごとに、ますます重要な提言となっています。。

第5<がん細胞への大規模攻撃>(「標準治療」の効果と限界)

1 総攻撃態勢(集学的治療)
外科手術、放射線療法、抗がん剤治療は、国民医療保険の対象であり、この三大療法は「標準治療」と称され、我が国がん治療の主流である。これらは、「原因療法」という人もいるが、がん体質を変え、がんを根治するものではないので、やはり「対症療法」であろう。現に転移や再発が頻発している。これらは、がん細胞の勢力を削ぐ奇襲攻撃ともいうべきものである。実際に効果のあるケースと効果のないケースがある。副作用もあり、その功罪を考えた上で患者側はベストの選択をしなければならない。
外科手術と放射線治療は、「局所療法」。ある範囲だけ効力を及ぼすもの。化学療法は抗がん剤などの化学物質を、点滴や飲み薬という形で全身に投与するもので、「全身療法」と呼ぶ。
早期に発見されたがんの場合は、外科手術もしくは放射線治療のみで治療が可能であるが、ある程度以上進行したがんにたいしては、単独の治療法ではなく、三つの標準療法をのいずれかを組み合わせた複合的な治療が必要になることが多くなる。これを「集学的治療」という。「手術と抗がん剤」「手術と放射線」「抗がん剤と放射線」のように、いくつかの治療法を組み合わせる集学的治療によって、少しでも治療率を高めようとするものである。

2 尖兵の出動(三大療法)(標準治療)

(1)外科手術
外科手術は、ある臓器にとどまっているがんとまわりのリンパ腺を切り取ってしまう治療法。がんの組織だけを切ろうとするとガン組織を取り残す心配があるので、普通はガン組織のまわりの正常な組織を含めて切除する。
通常は一定範囲の切除にとどめる「標準手術」であるが、進行がんの場合は周辺の組織にもがんが及んでいるため、広範囲に切除する「拡大手術」となる。
乳がんの場合、乳房を全部切り取る手術と乳房温存療法は効果が同じ。リンパ腺を広くとる手術の伝統が、本当に正しいという証拠はない。
手術の方法は、腹部や胸を切って行う一般的な手術のほか、近年では内視鏡器具を使った「鏡視下手術」が注目されている。たとえば胃がんの初期の段階ならば、開腹手術ではなく、お腹に数箇所の穴を開けて内視鏡を挿入し、胃を切除してさらにリンパ節を切除できるようになった。

(2)放射線療法

放射線治療は、臓器にできたがんにだけ、あるいは、予防的にそのまわりのリンパ腺をふくめて放射線をかける治療。
ある決まった範囲(数ミリ程度の場合もある)にだけ影響を与えるので、手術と同じ「局所療法」。例外的に白血病などで全身にかけることもある、その場合は「全身照射」という。
放射線治療のうち最もよく行われるのは、放射線を当ててがん細胞を殺す「根治照射」である。
最近では、病巣に集中して放射線を当てる「ピンポイント照射」や、コンピュータを使って病巣の形に合わせて照射する「IMRT(強度変調放射線治療)」など、より精度の高い効果的な照射法がでてきた、また、病巣にもっと限局して照射ができる「粒子線治療」(陽子線)(重粒子線)もある。
放射線治療は、多くのがんで手術と同じくらいの効果が確認されている。クビやノドのがん、食道がん、肺がん、子宮頸がん、前立腺がんなど多くのがんで、放射線治療を中心として、がんを完治させることができる。
リンパ節転移のない小さながん、たとえば初期の肺がんなどは、放射線治療のみでも高い治癒率を誇り、3cm以下の肺がんの病巣だと、肺の局所だけでいえば90%近く制御できるようになった。
直腸がんで、がんが肛門近くにある場合、手術の前に放射線をかけると、がんが小さくなり、肛門との間に距離ができるので、人工肛門の可能性が低くなる。このように手術と放射線を組み合わせることで、治療後の美容を保ち、後遺症を少なくすることができる。
また、放射線治療は、痛みをとるための手段としても大きな働きをする。特に骨転移、脳転移したがんに対しては80%以上の痛みが緩和でき、患者のQOL(生活の質)の工場に役立っている。
がんの放射線治療には次のような特長がある。
+臓器の機能や美容を保つ
+手術や抗がん剤との組み合わせでよりよい治療結果
+がん治療の中でいちばん副作用が少ない
+早期がんから緩和ケアまで幅広く使える
+がん治療の中でいちばん経済的
しかし、日本では胃がんが多く外科手術が早く発達した経緯もあり、放射線治療があまり使われていない。新たに放射線治療を受けた患者17万人、がん患者の25%。(2005年)。
一方、米国では66%、ドイツでは60%の患者が放射線治療を受けている。「がんの半分は放射線治療」というのが世界の常識。

(3)抗がん剤治療(化学療法)

1-化学療法の適用
化学療法は、抗がん剤などの化学物質を点滴や飲み薬の形で投与するもので、化学物質が全身に行き渡る点で、外科手術や放射線治療と異なる。
全身に転移がある状況では、(外科手術や放射線治療などの)局所療法ではダメなので、理屈の上では唯一効果のある治療法。しかし、実はほとんどのがんで完治するためには、局所治療である外科手術か放射線治療か、どちらかが必要。逆にいえば、化学療法だけで治るがんはまずない。
白血病や悪性やリンパ腫、男性の睾丸にできる胚細胞腫瘍など、抗がん剤がよくきく特殊ながんに対しては治癒的な力を持っている。しかし、それ以外のがんに関しては、あくまでもがん細胞の活動を抑える作用しかなく、完全にがんを消すことはできない。医学の現状としては、抗がん剤治療は、通常はがんを縮小させて病気の進行を遅らせ、延命や症状の緩和のための治療となる。
抗がん剤には、大きく分けて三つの種類がある
一つ目は、従来からある一般的な「殺細胞性の抗がん剤」。増殖するがん細胞を殺す効果。正常細胞にもダメージを与えるため、吐き気や脱毛、白血球・血小板の減少などの副作用がある。苦しい副作用をもたらす代表的な抗がん剤。
二つ目は、「ホルモン療法剤」。乳がんや前立腺がんなどの、ホルモン依存性のがんに効果がある。
三つ目は、近年開発が進んできた「分子標的治療薬」。がんの増殖メカニズムに着目した薬剤で、がん細胞が発する独自の「増殖シグナル」を遮断することによって死滅させる。増殖シグナルが関与していないがんには効果がない。皮膚の湿疹や下痢、間質性肺炎など従来の抗がん剤とは異なる副作用がある。
*特に肺がん治療に使用されている。ただし、副作用に要注意。
1 イレッサ
2 タルセバ
3 マクロライド薬
(副作用の無い治療)平岩正樹「副作用のない抗癌剤治療」二見書房
(ひらいわ・まさき)1977年、東京大学物理工学科卒後、同大医学部に再入学、84年卒、同大病院第一外科、国立がんセンター等を経て、共立蒲原総合病院、同愛記念病院から現在、月島サマリア病院、半蔵門病院、我孫子東邦病院で非常勤、東京大学医学部講師。
各種がんに有効な抗癌剤
①肝臓癌 まず肝臓癌は大きく分けると、転移性の肝臓癌と原発性の肝臓癌とがあります。転移性の肝臓癌というのは、文字どおり肝臓以外の部分に発生した癌が、肝臓に転移してきた癌です。原発性の肝臓癌は、肝臓に最初にできた癌です。・・・
治療法は、主に四つ。
一つは、手術でがん細胞を取る。
もう一つは、抗癌剤治療です。
他には、肝臓癌特有の療法で、「塞栓術」と
「エタノール注入」といわれるものがあります。
転移性癌の場合、手術で取れるのは、大腸から転移した癌が中心です。・・・それ以外の部位から転移した肝臓癌に関しては、さまざまな条件がそろった場合にだけ手術でとることがあります。
抗癌剤治療を行うケースというのは、肝臓のなかにたくさんの癌がある、あるいは、他の臓器に転移していて、なおかつ、肝機能が比較的よい場合です。抗癌剤は、シスプラチン、アドリアマイシン,5FUとロイコポリンの併用が有効です。・・・
「塞栓術」は、肝臓癌の栄養補給ルートである疳動脈を詰めてしまって血液が流れ込まないようにすればいい、いわば兵糧攻めです。これは非常に効果がある。ただし、なかなか完治しない場合もある。その場合は、何度も根気よく塞栓術を繰り返すことで癌と闘います。
「エタノール注入」というのは、注射器でアルコールを癌細胞に注入する治療法です。原発性の肝臓癌には、手術と同じくらい成績は良好です。
転移性肝臓癌の治療は、「エタノール注入」や「塞栓術」は効果がありません。手術と抗癌剤治療が標準的な治療です。
イリノテカンを使用して延命できた症例 「5FUtoロイコポリンの併用」などで、いい結果が得られず、イリノテカンを使うことを考えました。副作用があり、危険性が全くないわけではありませんが、このケースの肝臓癌の成長は非常に早く、一ヶ月で倍になっていました。このままでは年内に肝臓が癌だらけになり、肝臓の機能が失われ、肝不全でなくなることが予想されたからです。副作用には、ヒスロンHとアセナリンを使っていましたが、予想される激しい下痢を予防するために使ったのが「半夏這心湯」という漢方薬です。さらに、副作用が始まったときのために、強力な下痢止め剤の「ロメミン」を大量に用意しておきました。
幸い、幸い、下痢はまったくありませんでした。他の副作用もまったくなし。・・・その結果、がん細胞がどんどん小さくなりました。・・・
②大腸癌
まず、癌はできる臓器によって、その性質が違います。同じ癌だからといって、大腸癌にも胃癌にも肺癌にも同じ治療法でいいということではありません。それぞれ性質が異なりますから、異なる抗癌剤を使います。・・・
ですから、同じ場所の癌でも、どこから転移してきたかによって、使う抗癌剤はまったく違ってきます。同じ肝臓癌でも、大腸から転移してきたのであれば、大腸癌に効果のある治療をし、乳癌から転移してきた癌であれば、乳癌に効果のある治療をします。
大腸癌は、癌のなかでは比較的おとなしい癌といえます。成長のスピードも比較的遅いし、転移も他の癌とくらべると少ないといえます。
また、他の臓器から転移してくる転移性の大腸癌はほとんどありません。大腸癌といえば原発性と考えて結構です。
大腸癌に効果のある代表的な抗癌剤は、二つあります。5FUとロイコポリンの併用、イリノテカンの単剤、あるいは両者の併用、あるいはこれ以外にもたくさんあります。
③乳癌
乳癌というのは、比較的な治りやすいものです。同時に、転移や再発に時間がかかることが多いというのが最大の特徴です。
つまり、他の癌は基本的に五年たって再発、転移しなければ完治したと判断していいですが、乳癌は実に二十年にもなります。ですから、十年過ぎて再発するというのはざらです。・・・
乳癌に対する最もスタンダードな抗癌剤治療は、CMFといわれるものです。CMFは三つの抗癌剤を併用する治療法です。Cはサイクロフォスアミド、MはメソトレキセイトFは5FU.
乳癌に効果があるのは、CMFの他に、CAFというものがあります。MのメソトレキセトのかわりにAのアドリアシンを使う方法です。その他にも、三種類ほど私がよく使う方法があります。
更に、最近では、タキソテールやイリノテカンも加わり、乳癌には有効な抗癌剤治療法がたくさんあります。どれが効くかは、やはりトライ・アンド・エラーということになります。もっともスタンダードなもんから使い始め、効果を見ながら、変えていきます。
或る進行した肝臓癌で、ファルノビシンとエンドキサンを併用、副作用を抑える薬としては、ヒスロンHとアセナリンを使用。一定の効果はあったが、次はCMFという治療法を行いました。サイクロフォスファミド、メソトレキセイト、5FUの三つを抗癌剤を併用するものです。・・・順調に治療は進み、副作用もありません。副作用を抑える薬としてヒスロンHとアセナリンを使用していますが、このケースでは、もうひとつ「アレディア」という商品名の薬をつかっています。
もし、CMFが効かなくても、他に多くの治療法が残っています。イリノテカンも効果は大きいし、タキソテールという薬も効果がたかいので、いまのところ非常に順調ということができます。
④進行胃癌 癌のなかでもっとも多いのが胃癌です。
日本人の死因の第一位が癌ですから、そういう意味では、胃癌がもっとも死にいたることの多い病だということができると思います。
しかし、早期発見で早期治療をすれば、ほとんど完治するようになりましたので、定期検診をぜひ受けるようにしてほしいと思います。
胃癌は、はじめに粘膜にでき、それが外側の漿膜のほうに向かって進んでいきます。その進行ぐあいが、粘膜下層までであれば早期胃癌、筋層より進んでいるものを進行癌といいます。
問題は進行胃癌です。進行胃癌になると、その発育のスピードは急に速くなり、しかも、転移の可能性が非常に高くなります。・・・
抗癌剤は、低分化癌と高分化癌によって違います。
低分化癌であれば、代表的なものはメソトレキセイト、ロイコポリン、5FUの組み合わせです。高分化癌は、EPAという組み合わせが代表的です。すなわち、エトポシド、アドリアマイシン、シスプラチンの三つです。
またFAMというものもあります。すなわち、5FUとドキソルピシンとマイトマイシンです。それにイリノテカンの単剤もあります。
⑤膵臓癌 膵臓癌の治療は、容易ではありません。二つ理由があります。
一つは、膵臓癌そのものが非常に治りにくい癌であること。・・・
癌患者の八割は、いわゆる「ベスト10」の癌が占めています。すなわち、肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、胆道癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌です。おのなかで、もっともやっかいなのが膵臓癌なのです。
膵臓癌の二つ目の問題は、そのまま放置されることがあるということです。膵臓癌はそのあまりのたちの悪さゆえに、医者はなかなか告知しません。
それで、膵臓癌の患者さんはどうなるかというと、告知されることも無く、手術されることもなく、抗癌剤治療されることmなく、そのまま放置されているわけです。膵臓癌の進行は早いですから、あっという間です。
副作用のない抗癌剤がある。そして厳しいけれども延命治療もあるんだということを私は訴えたいのです。そして、少なくとも、ほったらかしにされる状況だけはなくしたいと思うのです。肝臓癌に効果を現す抗癌剤は、たとえば、5FUとロイコポロンの併用です。
⑥肺癌 肺癌の死亡者が多い理由としては、発見が遅れるということがあげられると思います。自覚症状がほとんどありませんから、どうしても発見が遅れてしまいます。七割の患者が二期、三期で発見されることになってしまいます。
早期に発見されれば、かなりの確率で完治することが可能です。治療でいえば、一期。二期にかんしては手術が中心。三期、四期に関しては、放射線治療や抗癌剤治療が中心となります。三期、四期での発見が多い肺癌は、必然的に抗癌剤治療が多くなります。
肺癌で四期の42歳女性のケース 使った抗癌剤は、強力な抗癌剤であるシスプラチン、そしてイリノテカン、この二つの抗癌剤の併用です。いま考えられるもっとも強力な抗癌剤治療をしたわけです。というのは、ともかく「ワンチャンス」だと考えたからです。これで効かなければ、つぎの選択肢の抗癌治療をやる時間的余裕がなかったからです。この二つの抗癌剤を、クロノテラピーで使用しました。現在はすでに退院されており、ようすを見ているところです。
⑦卵巣癌 ここで紹介するのは、卵巣癌が肺まで転移していた患者さんです。卵巣癌は別の病院で、すでに切除していた三十代後半の女性です。すでに肺に転移していて、手術では取れないほど多くの癌がありました。
使用した抗癌剤は、タキソールです。これは、日本では乳癌にのみ承認されている抗癌剤ですが、欧米で行われた研究では、卵巣癌でもかなり効果をあげているものです。その方の癌は、一週間で15パーセントほど小さくなっており、はっきりと効果を現しています。
(専門医の現状)そもそも日本の抗癌剤治療は、メディカル・オンコロジスト、つまり癌内科医と呼ばれる専門医があまりにも少なさ過ぎます。
外科医が片手間にやっているというのが現状なのです。外科医の本業は「メス」ですから、抗癌剤治療などは自分の専門ではないという気持ちが大きく、手術が終われば、あとは見よう見まねでお手ごろな治療をすることになります。
では、内科医はどんな治療をしているのかというと、内科医が専門に扱う癌治療は、白血病などの血液の癌と肺癌の抗癌剤治療などです。その他の胃癌、大腸癌などに関しては診断にのみ力を入れる医者が多いようです。つまり、発見することに力を注いでいるわけです。
内科医が癌を発見すると、どうするかというと、すぐに外科に送ります。そして外科が手術をし、その後は、副作用もないけれども効果もあまり期待できないような治療を片手間でやるということになります。
つまり、内科医は診断が中心で、外科医は癌の切除が中心になっているわけです。底では、抗癌剤治療などは充分に研究、施療されているとは、とてもいいがたい現状です。

2-がんの兵糧攻め
最近では、「血管新生阻害薬」という、新たな種類の分子標的薬も出てきた。がんが増殖するとき、周囲の細胞から栄養を取り込もうとして新しい血管(新生血管)をつくろうとするが、そこをブロックしてがん細胞を兵糧攻めにし、死滅させる。高血圧や蛋白尿、喀血、血栓塞栓症など、これまでの抗がん剤に見られなかった副作用が確認されている。
がん細胞は、血管を新生し、それを血管を酸素や栄養の補給路にして増殖する。この補給路を断つため血管の新生を抑制することができれば、がんの増殖を止めることができる。こうした効果を発揮する物質、血管新生抑制因子を有する「血管新生を抑制するがん治療薬」がある。
1 「イルソグラジン」という胃の薬 1日4グラム経口投与
2 サメの軟骨 大量の注腸投与またはカナダ製「液体サメの軟骨エキス」の経口投与

3-骨転移の特効薬
乳がん、肺がん、前立腺がんなどは、骨転移を起こしやすいが、ゾメタという特効薬があり、またメタストロンという新薬も効果がある。ともに健保適用である。

4-肺炎を警戒
がん患者は化学療法などで免疫能を低下しやすいので、細菌やウイルスに対する抵抗力も弱くなっていることが多い。特に警戒しなければならないのが、インフルエンザと細菌性肺炎である。これに備えてワクチンの摂取をしておくことが望ましい。

5―抗がん剤治療の専門医

我が国では、抗がん剤の専門の医師が少なく、外科、内科、放射線科の医師が抗がん剤治療を行い
1 そのがんと、その症状に最も適切な抗がん剤は何か
2 どの程度の量を、どのように処方すればよいか
3 どのように免疫力の低下を防止しながら治療を行うか
など細心の配慮の下で治療を受けることが保障されていない。

(平岩正樹)「副作用の無い抗がん剤」
抗癌剤治療の目的は、二つあると思います。
ひとつは、完全に治癒する人を増やすということ。
もう一つは、治癒することは残念ながら望めないけれども、元気でいる時間を少しでも延ばすということです。・・・
また、抗癌剤治療は、その使用対象によって、二つに分けられると思います。
一つは、目で確かめることのできるがん細胞を叩くための治療です。たとえば三センチ、五センチの癌があるとして、これを抗癌剤を投与して小さくするという療法です。
もう一つは、面に見えないがん細胞を抗癌剤で叩くという方法です。取れるもの取ったけれども。データに照らし合わせてみて確率的に目に見えないがん細胞がある可能性が高いという場合に行う療法です。再発を抑える重要な量穂で、補助的抗癌剤治療といわれています。
アメリカでは、メディカル・オンコロジスト、つまり腫瘍内科医と呼ばれる専門医が四千人ほどいます。彼らは抗がん剤治療を専門にやっているのですが、日本では実に50人ぐらいしかいないのです。(2000年現在)しかも、その50人は主に何をやって入るかというと、新しい
抗がん剤が開発されたときに、正式に一般の患者さんに使われる前に厚生省の承認を売るための研究に追われています。・・・外科手術による癌治療の専門医は山ほど居るけれども、抗癌剤治療の専門医はほとんどいないというのが日本の癌治療の現実なのです。

*(平岩正樹)私は、静岡県・共立蒲原総合病院において、抗癌剤治療に関する三つの原則というものを唱えました。この三つの原則といっても、実は非常に当たり前のことで、その当たり前のことを掲げざるを得ないほど、日本の抗癌剤治療は特異の状況にあります。・・・
まず第一に「効かない抗癌剤は使いません」・・・
次に私が公言してきたことは「治療研究はやらない」ということです。・・・
「世界でもっとも有効な抗癌剤治療を行う」これこそが、私の三つ目の最後のスローガンです。
(平岩正樹)抗癌剤の副作用を大別すると「自覚するもの」と「自覚はしないが生命に関わるもの」とに分けられます。タキソテールという抗癌剤を例に取ると「自覚する副作用」には、脱毛、食欲不振、吐き気、倦怠感、下痢、口内炎、しびれ感、アレルギー、浮腫などです。「自覚はしないが生命に関わるもん」としては、白血球減少、肝機能障害、心障害、肺障害などです。
後者の副作用に関しては、生命の危険を伴うものですが、医師が充分な予防策をたてて定期的に検査していれば、非常事態になることはまずありません。白血球の減少に関しても、GCSFという特効薬の開発によって、劇的に抑えられるようになりました。
問題は、前者です。これらの副作用を抑える研究や開発は遅れているのが現状です。
特に、さまざまある抗癌剤の副作用のなかでもっともつらいのは、吐き気と食欲不振です。・・・
最初に見つけた有効な薬が「アセナリン」でした。・・・これが劇的に効いたのです。・・・
つぎは、「H3ブロッカー」という薬です。・・・これは、嘔吐は抑えますが、食欲不振にはまったく効果がありません。・・・そこで私がつかうようになったのが、「ヒスロンH」です。
(医師の本音)安藤由郎「がんになったら、私はこの代替医療を選択する」
2005年に医療雑誌に、がん治療に関する特集が掲載されました。その中で医師200名に対するアンケート調査が行われました。「あなたがもしがんにかかったら抗がん剤治療を受けますか?」という質問に対して、なんと82%が「受けない」と回答しています。患者さんにはすすめるけれど自分だったら受けない。もはや多くを語るまでもありません。・・・
がんセンターのような病院でも、西洋医学を基本としながら免疫的なアプローチを併用することは不可能ではないはずです。でも残念ながら、そういう発想は全くありませんでした。

3 側面支援 副作用の防止

(1) 免疫力の補強
がん細胞を全滅させることは免疫力にも致命的なダメージを与えるということでもある。にもかかわらず、免疫力を保持する治療は行われていない。吐き気、食欲不振、脱毛などの症状を緩和する対症的な手当てが行われているのに過ぎない。一部には、漢方やサプリメントなどの処方しているところもあるが、保健制度で「混合診療」禁止の枠が障害になっている。
免疫増強を軽視している標準治療の中にも、例外的に、いくつかの免疫療剤の使用が認められている。
1 PSK(商品名:クレスチン、アスクレ、アルポクリン、クレチール、チオレスチン)というカワラタケから抽出したエキス剤 適応は、胃がん、大腸がん手術後、あるいは小細胞肺がんの化学療法中の併用
2 レンチナン(商品名:レンチナン、レナカット)という、シイタケから抽出された注射液 胃がんでフラトラフール、TSIとの併用投与に適用。
3 OK432(商品名:ビシバニール) ある細菌の菌体成分より抽出した注射液 胃がん、肺がんで化学療法中などに適用
4 アセグラトン(商品名:グルカロン) 膀胱がん再発予防に効果
5 Z1000(商品名:アンサー) 放射線治療中の白血球減少対策に使用
6 健保で日常的に処方されている漢方薬のなかにも、がん治療の補助薬として活用できるものが多い。
7 その他 がん細胞の免疫破壊を防止、がん細胞増殖の抑制
リュウマチの治療に使う「非ステロイド消炎鎮痛剤」が、がん細胞が免疫を破壊するため発する酵素の一種・COX2の発生を抑制する。
なお、COX2阻害剤の長期服用によって心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増大することに要注意。

(2)夜の治療「クロノテラピー」
がん細胞は、夜中に増殖する。だから抗がん剤も夜間に投与すれば、効率よく少量で済み、副作用も少ないが、一般に職員の勤務体制からこのような治療をしてくれてない。
*(平岩正樹) 正常な普通の細胞というのは、昼間活発にはたらき、夜ははたらきが鈍ります。ところが癌細胞という細胞は、昼間より夜により多く細胞分裂し増殖することがわかっています。そうすると、細胞分裂が活発になる夜に抗癌剤を使うほうが、より高い効果をあげることができるというわけです。
つまり、昼より夜が、抗癌剤が効く、ということです。・・・夜、抗癌剤治療をした方が、癌細胞をより強く抑えることができ、同時に副作用を少なくできる可能性があるのです。・・・
クロノテラピーは、「副作用を抑える」「抗癌剤の効果をあげる」というほかに、生活面でも非常に画期的なことをもたらしました。
通常の抗癌剤治療は、昼前に点滴を始めて夕方に針を抜き、夜はただ寝る、というパターンですが、このクロノテラピーはだいたい夜の九時か十時ごろから始めて朝の六時ごろまで点滴します。
そのあいだ、患者さんは寝ています。朝起きたときには、もう終わっているということになります。つまり、知らないうちに治療は完了していて、昼間は普通の人と同じように行動できるということになるのです。

(2) 局所投与法
がん組織(腫瘍)へ酸素や栄養素を運ぶ役割をしている栄養動脈にカテーテルを挿入し、抗がん剤を注入する「動注化学療法」など、抗がん剤を、がん組織そのものへ局所的に投与する治療法を局所投与法といいます。投与後の腫瘍の縮小率は全身的な化学療法に比べて高いとされています。
抗がん剤は、なるべくがん病巣に近いところから注入すれば副作用が少ないし、効果も大きいとされるが、職員配置の問題などがあり、このような治療をしている病院等は極めて少ないのが現状。

(4)併用法
抗がん剤治療は、温熱療法など他の方法を併用すれば、投与量を半分とか三分の一まで下げ、がんの病巣の拡大を抑止する「休眠療法」もある。

(5)免疫力低下の監視
抗がん剤にしても、外科手術にしても、放射線療法にしても、がん細胞を根絶することは困難である。行き過ぎれば人体そのものを損壊してしまう。また、がんの根本原因である「自然治癒力劣化病」の体質までも変えられない。問題は、「標準治療」の効果を認めながら、その限界を知り、弱点をどのように補強するか、ということである。
免疫システムの一つであるNK(ナチュラルキラー)細胞の強さを示すNK活性(免疫能)の正常範囲は17・1~48・7%で、高い人ほど比例してがんの治療効果がよい。このNK活性を観察しながら抗がん剤等の治療をすべきであるが、殆どおこなわれていないのが実態である。
(済陽高穂院長「西台クリニック)の目安)
白血球 血液1立方ミリメートル中 3000~4000個以上(健常者4000~8000個)
リンパ球数 血液1立法ミリメートル中 1000個以上(健常者1400~2800個)

要すれば、「自然治癒力劣化病」の体質を変え、がんの転移や再発を防止することである。「標準治療」による100%治療に期待するのではなく、「標準治療」でがんの勢力に打撃を与え、足りないところを「自然治癒力」強化策で補うことが望ましい。患者側市民の立場からは、西洋医学も漢方や東洋医学も補完代替医療も、それぞれ効用もあれば限界もある。それぞれの長所を活用することが賢明であろう。複雑で高度な人体メカニズムに対応するには、一方に偏らないで総合的な戦略で臨む必要がある。

第6 防衛力(免疫力)の増強

(1) 免疫細胞療法
{武藤徹一郎監修「免疫細胞治療」(幻冬舎)
(むとう・てついちろう)1963年、東京大学医学部卒、同大学院第三臨床医学課程修了、ロンドン聖マルコ病院留学、大森赤十字病院外科部長、東京大学医学部教授、同付属病院長、同大学医科学研究所教授等を経て癌研究会病院院長、同名誉院長。
「免疫」と一言でいっても、さまざまな役割を持つ細胞があり、複雑なシステムをつくってお城(人間)を守っているのです。
そのなかに、外から侵入してくる敵ではなくて、身内に生じた“ならず者”から身を守る働きのものもあります。このならず者が自分自身の細胞が変化してできたがん細胞です。
こうした働きの中心になっているのは、さまざまな免疫細胞のなかでも特に「Tリンパ球」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」といった一群のリンパ球です。また、Tリンパ球を刺激することを専門にしている「樹状細胞」といった別の免疫細胞もあります。こういった免疫細胞を体の外へ取り出して培養しながら力を強めたり、数をふやしたり、また機能を持たせたりしたうえで、元の患者さんの体に戻すことによって治療する治療法が「免疫細胞療法」です。
1-直接にリンパ球を培養して使うのが「活性化自己リンパ球療法」
2-樹状細胞を培養して使うのが「樹状ワクチン療法」
です。

1「活性化自己リンパ球療法」
①アルファ・ベータT細胞療法 Yリンパ球の多くはアルファ・ベータ型です。個人差はありますが、2週間の培養でもともと500万個程度のアルファ・ベータT細胞が80億個ほど増えます。
②ガンマ・デルタT細胞療法 リンパ球の仲に数%しか含まれていないガンマ・デルタT細胞を選択的に活性化、増殖させて体内に戻す治療法です。個人差はありますが、3週間の培養で30万個のガンマ・デルタT細胞が50億個ほどに増えます。この療法の効果が期待できるのは、次の三つの場合です。
第1に、骨の悪性腫瘍に対してです。
第2に、抗体医薬品との併用においても、効果が期待できると考えられています。
第3に、ゾレドロン酸=「ゾメタ」という薬との併用です。ゾメタは骨のがんにも保険適用。
③CTL療法 患者さん自身のがん細胞を無菌の状態で得られる場合に行う治療法です。血液から得られるリンパ球をがん細胞で刺激し、患者さん自身のがん細胞を特異的に攻撃するTリンパ球(細胞障害性Tリンパ球=CTL)を効率的に増やします。

このように自分自身の免疫細胞を抽出して強化・培養して戻すと
いう免疫療法が行われるようになってきた。理論的には望ましい方向であるし、副作用も少なく、将来大いに期待できる治療法であるが、現在のところ、治療費が高額で保険の対象でないことを含め一般的に活用できる治療法としては十分に成熟していない。少なくとも現状では、まず自分自身の体で免疫力を強化することが、事柄の順番としても大切であり、現実的に効果的な方法であろう。
2―樹状細胞ワクチン療法
2―樹状細胞ワクチン療法
免疫細胞療法の一環として、自分のがん組織をワクチンとして接種する「自家がんワクチン療法」あるいは「樹状細胞療法」が成果を挙げつつある。これ自体でも効果を発揮するものではあるが、一般的に利用するには効果の向上、コスト面などで一層の改善が望まれる。
(武藤徹一郎)樹状細胞は、白血球の単球に含まれている細胞です。
樹状細胞自身は、がん細胞を殺す能力を持っていません。しかし、がん細胞を殺す能力のあるCTLに抗原を伝える役割を持っています。これを「抗原提示」といいます。
敵がいることを伝えるには、まず敵のことを知らなくてはなりません。樹状細胞はまずがん細胞を自分で食べて消化し、異常な分子だけを自身の細胞の外に出します。この異常な分子こそが「抗原」です。するとCTLは「おっ、これががん細胞の目印だな!」と認識し、仲間を増やして、同じ目印を出している細胞をやっつけるというわけです。
免疫細胞療法は、今なお進歩を続ける新しい治療技術ではありますが、他の治療法になり替わる治療法でも、何でも治る夢のような治療法でもありません。しかし、再発・転移の抑制はもとより、他に選択肢がない難治がん、進行がんの治療においても、ほとんど副作用なく、目に見えないがん細胞をも攻撃できる免疫細胞療法を集学的治療に組み入れることは、患者さんが生活の質を保ちつつ、治療をあきらめないで済むという点で、たいへんに意味のあることだと思っています。
現在のところ免疫細胞治療は保険適用外の治療法で、高額な医療になることも課題です。・・・ただ、実は抗がん剤の治療も入院費や副作用に対する治療の費用を含めると、おおむね同じような額あるいはそれよりも高額になります。しかし、抗がん剤は保険が適用されるのに対して、免疫細胞療法は全額自己負担のため患者さんの負担が大きいのです。保険適用が望まれます。

*「免疫細胞療法」を実施している医療機関 東京大学医学部付属病院21世紀医療センターほか 詳しくは
武藤徹一郎監修「免疫細胞療法」(幻冬舎)参照

* {吉田憲史「強い印パ球でがんを撃つ」(講談社)}
(よしだ・けんし)1965年、九州大学医学部卒、同大学院修了後、吉田病院院長、ヨシダクリニック・東京総院長。
「移入免疫療法」によって、この15年間に治療した患者さん2000人以上、がんの種類は乳がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、胆管がん、膵臓がん、肺がん、腎がん、膀胱がん、前立腺がん、睾丸腫瘍、子宮がん、卵巣がん、脳腫瘍、甲状腺がん、白血病、悪性リンパ腫などほとんどの種類に渡る。治療の結果、癌学会で発表した統計のとれる184例では、約48パーセントの患者さんに見に見える何らかの効果があった。これは当院を受診する患者さんの94・5%が病気(ステージ)から見ると、Ⅲ期からⅣ期のいわゆる進行がんといわれる状態の効果率としては、かなり高いのではないかと自負している。なかには、痛みや食欲不振などの自覚症状が著しく改善されたり、完治して社会復帰できた例も認められた。
(ヨシダクリニック・東京)
Email:kiseikai@xa2.so-net.or.jp
Tel 03-3663-6688

(2) 自然治癒力の強化

人間が本来もっている免疫細胞などの自然治癒力を強化することが必要で、それには薬品類・サプリメントの利用、温熱療法など好循環の保持、食事療法などがある。

1-薬品・サプリメントの利用

+(白畑實隆)低分子フコイダン療法
低分子フコイダンは、
1 がん細胞に直接作用して、細胞の自然死を起こしたり([アポトーシス]作用)
2 がん細胞に栄養を運ぶ血管の新生を抑制したり(「血管新生抑制作用」)
3 患者さん自身の免疫力を高めたり(「免疫力強化作用」)することが
私たちの研究でわかってきています。
これまでの多くの臨床例から、抗がん剤と低分子フコイダンを組み合わせることで抗がん剤の副作用が軽減され、患者さんの体力の低下を防ぐことで抗がん剤の効き目を増強していることが示唆されます。
*「低分子フコイダン」とは、モズクやコンブ、ワカメといった褐藻類のぬめり成分(フコースを多量に含む多糖類)を抽出した上で低分子化し、濃縮した液体のサプリメントです。(同著「あなたの知らない新しいがん治療」)
*(安藤由郎)フコイダンにがん研究者の注目が集まったきっかけは、1996年の第55回の日本癌学会での発表でした。農林水産省や青森県などでつくる研究開発組織「糖鎖光学研究所」が、フコイダンががん細胞を自滅させる一方で、正常細胞にはほとんど影響を与えないはたらきのあることを確認したのです。・・・
現在、フコイダンは「副作用のない抗がん剤」としてがん治療の現場で注目を集めています。日本国内だけではなく海外でも大きな関心が寄せられています。一般の人のフコイダンへの認知度は日本よりアメリカのほうが高いともいわれています。
ところで、フコイダンは抗がん剤や放射線療法と併用したらどうなるでしょうか?そんな疑問もわいてきます。
実は、フコイダンは抗がん剤の副作用を抑えるという報告もあります。ですが、私はこう思います。フコイダンの効果で改善に向かっているのであれば、抗がん剤の治療は受けない方がいいのではないでしょうか。フコイダンの効果を半減させてしまう恐れもあるからです。しかも、抗がん剤が患者さんのからだを蝕んでしまう危険のあることは誰でも知っていることです。
放射線療法については、肺がんが脊椎に転移するなどして寿命が短い患者さんの場合に限り。ポイント照射によってある程度がんを小さくすることができるのであればフコイダンと併用してもいいと考えています。(同著「がんになったら、私はこの代替医療を選択す
る」)

+超高濃度ビタミンC点滴療法
ビタミンCでがん細胞を破壊する。超高濃度ビタミンC点滴療法で、過酸化水素が発生し、正常細胞はカタラーゼという酵素で解毒するが、がん細胞はカタラーゼを持たないので破壊されてしまう。各種の進行がんで効果を挙げている。ただし、健保適用がなく、週5~6万円程度の患者負担が必要。

+丸山ワクチン大量療法 丸山ワクチン 標準的な治療では治せない進行がん患者に顕著な成果を得ている。同ワクチンは体内のコラーゲン繊維を増やし、そのコラーゲンががんを包囲し閉じ込めていくことで治癒を促進していく作用があることが明らかとなる。ただし、医薬品として認可されていないので、「有償治験薬」として日本医大から供給を受けることになる。
+ペプチド・ワクチン療法 東大・医科研・中村祐輔教授が発見した多種類のがんに共通したがん抗原(ペオウチド)の皮下注射でキラーT細胞のがん破壊力が100から1000倍に増強できる。全国41大学で臨床試験。肺・膵・消化器など13種類のがんに成果。

++接着分子抑制策でがんの転移・再発の予防
がん細胞は、接着分子により血管内皮に接着し、細胞の継ぎ目から組織に侵入する。この接着分子の発現を抑えれば、転移・再発を防ぐことが可能となる。胃潰瘍の治療薬「シメチジン」の長期投与に、この抑制効果がある

+漢方生薬「ごぼうし」の主成分アルクチゲニン 難治がんに効果
+国立がんセンター東病院で臨床試験
金チオリンゴ酸塩 リュウマチ治療薬 肺、大腸、膵などのがんで過剰発現している遺伝子を減少させる。
+プロテアーゼ阻害剤 肺がんはじめ60種類のがん抑制効果が期待される。
+がんテロメラーゼ消去療法 活性水素水
+一酸化窒素増加剤 狭心症の予防に使用されているニトログリセリンの貼付薬を1日1回張り替えるだけで、がん抑制作用が大幅に増加。

+「安藤式四位一体療法」(安藤由郎)
私ががんの代替医療に取り組んでいるのは、むしろがんセンター時代に患者さんを助けることができなかったことへの罪滅ぼしという意識からです。そもそも、フコイダイン療法にしても身内や親戚ががんになったときの選択肢を用意しておこうという考えで行っているのです。私自身も眼科系ですから。・・・
フコイダイン療法では3~4年の経験を積んで、がんという強敵と闘うには一つの治療だけでは限界があることを私は悟りました。
実際に波動測定をしてみると、フコイダインは「免疫」や「がん」の項目に対してはパワーが強いのですが、「血液」の汚れや「腸」の状態の改善にはあまり効かないのです。せいぜい10点ほどしか出ません。・・・この世に万能な治療などないということです。
こうしてたどりついたのが、独自の代替医療の方法論「安藤式四位一体療法」でした。そらは次の四つの治療法の組み合わせです。
(1)食事療法と波動還元水による水療法
(2)エネマシリンジによる洗腸・浣腸(腸のメンテナンス)
(3)フコイダン療法
(4)ワクチン療法(丸山ワクチン)
このうち、(1)と(2)にはがん、生活習慣病、アレルギー疾患などすべての病気に共通します。(3)と(4)はがん専門の代替医療です。
がん患者さんへの治療の基本は、血液や腸の状態は食事療法や水療法で強化し、臨戦態勢を整えてからフコイダインでがんを叩く、末期がんなどそれでは追いつかないケースにはワクチンを併用する、というものです。
丸山ワクチンは波動スコアで18点位いきますから、やはりそのエネルギーはすごいものがあります。でも、フコイダインと同じように、「がん」と「免疫」に対するパワーはあるものの、「血液」や「腸」にはあまり効かないのです。要するに、それぞれの治療法には得意・不得意があるということです。
(1)~(4)は、それぞれ単独でも改善率は2~4割でした。位一体療法による総合的なアプローチを実践するようになってから、がん患者さんの改善は8割ほどになりました。・・・
また現在、遠赤外線による温熱療法も取り入れていきます。
* (インチキ治療)平岩正樹「副作用のない抗癌剤治療」
大雑把に、ざっくりと、にせ治療の傾向性を指摘することは可能です。
私は、三つの大きなポイントがあると思います。この三つ全部に符合するようであれば、「怪しい」と思ったほうがいいと思います。
一つは「値段が高いこと」・・・
真っ当な治療というのは、安くて、しばしば採算に合わないことがおおいのです。ですから、べらぼうな値段のものは、怪しいと考えたほうがいいと思います。
二番目は「入手が困難なこと」です。
普遍性のある治療は、当然のことながら、どこの医療機関でも手に入ります。・・・ところが、にせ治療というのは、その医療機関にしか存在しません。他でも手に入れることが出来ない、という特徴をもっています。
三番目は、「肩書きを必要としている治療」です。
たとえば、「00教授が発見した」とか「00博士が太鼓判を押した」というように権威付けをしている治療は、怪しいと思っていいと思います。
代替、世界でスタンダードといわれている治療は、その治療法を誰が最初に始めたのかあまりよく知られていません。ルーツを探っていけば見つかるでしょうが、そういうことが問題視されないのです。このほか、にせ治療の特徴は
一つは、その治療法を提唱している人は、代替年寄りだということです。・・・
もう一つは、「ひとつの治療法で、あらゆる癌に効果がある」と主張している治療も怪しいといっていいと思います。・・・
およそ、万秒に効く薬というのは何にも効きません。どんな薬でもそうです。体にいいというのは、別になんの力を持っていません。単なる気休め程度の健康食品です。・・・
日本において、インチキ治療を糾弾できないのは、病院が充分な治療をしていないことと表裏一体になっています。
問題は、癌治療を本気でする病院が少ないということです。抗癌剤治療にかんしては手抜き状態で患者さんを見放すから、その受け皿となっているインチキ治療をなかなか糾弾できないのです。

2 好循環の保持
呼吸、血液、リンパ液、神経、「気」などの循環をよくすることで自然治癒力がよく働くようになる。

+温熱療法 がん細胞は41・5~44度Cで死滅する。いろいろな温熱療法があるが、最新鋭治療機器サーモトロンによる温熱療法「ハイパーサーミア」が実用化され、放射線治療との併用で、種々のがん治療で成果を挙げている。またNK活性の上昇などの免疫効果も認められている。一部、健康保険の適用になっているが、この装置の普及が遅い。

(田村周)「がんが自然と消えていく10の習慣」(現代書林)
(たむら・いたる)2002年、聖マリアンヌ医科大学卒、山口大学医学部、長崎医療センター、仁徳会周南病院、樹一会山口病院を経て田村内科へ。
<田村・内科医師の代替療法>
1 自律神経免疫療法
2 田村式はり療法
3 高濃度ビタミンC点滴療法
4 加島式色彩診断治療
5 プラセンタ注射
6 オーダーメイド漢方薬
7 加圧・筋肉トレーニング

(済陽高穂)「がんが消える食事の8原則」(かんき出版)
(わたよう・たかほ)1970年、千葉大学医学部卒、東京女子医科大学消化器病センターへ入局、米国テキサス大学外科教室へ留学後、東京女子医科大学助教授、都立荏原病院外科部長、都立大塚病院副院長を経て西台クリニック院長。三菱病院研究所所長、千葉大学医学部教授を兼務。
<免疫力を強化する生活習慣>
1 適度に運動する。
「自律神経のバランスを整え、免疫力を高める」 1日6000歩を目安に、疲れない程度に。
運動 運動不足はがんのリスク要因 運動でNK活性が増加 1日1時間のウオーキング
2 体を温める。
免疫力の維持・強化に体温アップは効果的。体温低下は免疫力を落とす。リンパ球が減る。入浴がいい。38度から41度のぬるめの湯にゆっくり浸かる。
3 睡眠を十分とる。
古来より、療養生活は、夜9時消灯、朝6時起床が基本。
できるだけ8~9時間の睡眠時間を確保。眠っている間に、情報
の整理、老廃物の回収、細胞代謝物質の分泌、メラトニン、セラ
とニン、成長ホルモンの分泌。傷ついた細胞の修復。十分な睡眠
で自律神経のバランス。
4 ストレスを溜めない。

<体調をよい状態に保ち、治す力を高める4条件>
1 体を温めること
2 食欲が増すようにすること
3 便が出るようにすること
4 睡眠がとれるようにすること

<血液の循環をよくする>
血管の正常化のため背骨など歪みの是正
血液ドロドロからサラサラへ
悪液質対策 がん毒素による自然治癒力の低下を防ぐため魚の脂に含まれるEPAを1日2グラム服用
体操
筋肉トレーニング
リンパ液の循環も
体温を上げる ぬるま湯入浴法
マッサージも
<気の循環>
「歩く気功法」(郭林新気功) NK活性の向上

2-食事療法が基本「医食同源」

基礎代謝の慢性的な異常ががん体質を生む。基礎代謝とは「体温の維持」「呼吸」「血液循環」「心臓の拍動」など生命維持に直結する活動であり、このうち取り入れた食事から必要な物質を化学合成をし、エネルギーを生産し、老廃物を排泄し、などの化学反応のルートに慢性的な異常が生じると細胞ががん化しやすくなる。細胞内ミトコンドリアのエネルギー産生システム(クエン酸回路)の機能が落ちると大腸がんなどになるという。
こうした代謝異常を起こす要因は四つある。
1 塩分の過剰摂取
2 クエン酸回路(エネルギー産生回路)の障害
3 活性酸素の増加
4 動物性蛋白質・脂肪の過剰摂取
がん細胞内にはナトリウムが異常に多い過剰な塩分は胃壁を荒らしピロル菌との相乗効果で胃がんが発生する。
クエン酸回路に障害をしょうじると細胞内外のミネラルバランスが崩れる。細胞内ナトリウム過剰。
活性酸素によって遺伝子が傷つけられると発がんの要因となる。タバコ、ストレス、農薬、食品添加物、過食などが活性酸素を生む。
動物性蛋白質を過剰に撮ると肝臓が疲弊し、解毒作用も弱り、体の免疫力も落ちる。動物性脂肪を過剰に摂ると悪玉コレステロールが増え免疫細胞(マクロファージ)の能力が低下する。

免疫力を保持し、強化するには、食事が基本になります。何を飲み、食べるかによって免疫力は変わります。昔から「医食同源」といわれてきました。欧米では「You are what you eat」(あなたが食べたものが、イコールあなた自身)という言葉があります。
先ず自然治癒力を阻害するものとして、控えなければならない飲食があります。人類は、脳とくに大脳は著しく発達しましたが、その他の人体メカニズムは、類人猿のころと大きく変わりません。この人体メカニズムに反した飲食が自然治癒力を低下させます。
加齢により、免疫の主役は、新しい免疫システム(胸腺、リンパ節、秘蔵)から古い免疫システム(涙腺、扁桃、肝臓、腸管など)に移行していく。このうち腸には免疫細胞のリンパ球が集中していて、腸管免疫は最も重要です。腸に優しい飲食が免疫の決め手になります。

*マクガバン・レポート」1977年・米国連邦議会上院マクガバン委員会
1 肉食中心の食生活が、がん、心臓病、糖尿病を生んでいる。
2 野菜の摂取量減少によるビタミン、ミネラルの不足
3 医学界は、病気と栄養の問題を無視してきた
このレポート以来、米国人の食生活が大きく変わり、がん患者も減ってきたが、日本では、この警告を軽視し、未だにがん患者、がんによる死亡者は年々増加している。
*<フードガイド・ピラミッド「日本版」>(渡邊昌)「食事でがんは防げる」
アメリカの「フードガイド・ピラミッド」を日本の食生活に合わせてさらに進化させたのが、私の考案した「食品ピラミッド」です。
最上段 味噌、香辛料、ハーブ、キノコ、海藻、ナッツ
20~30g
第2段 茶、乳製品など 100~150g
くだもの    100~200g
第3段 野菜      350g
葉野菜     200g
根菜など    150g
肉・魚     100~200g
第4段 穀類
(底辺) 玄米、黒米、赤米、大麦、ライ麦、オートミール、シリアルなど  400g
*(安藤由郎)食事など人間の基本となるライフスタイルを改善することで病気と闘うと力(免疫力)をアップさせた上で、病の直接の原因(がん細胞)に働きかける。その結果、人間の自然治癒力(自己回復力)が高まってがんが治るわけです。
ところが、がん治療を行っている医師のほとんどが「食事」にはまったく無頓着です。がんになると、医師に「タバコを止めるように」と厳しく指導されます。でも「食生活をこう改善するように」とはあまりアドバイスされないのではないでしょうか。それが私には不思議でならないのです。」(同著「がんになったら、私はこの代替医療を選択する」)

<人体メカニズムに応じた食事を>
人体は脳、とくに大脳の進化は著しいが、その他は類人猿と大きく変わらない。
1 理想的な食事バランスは、植物食85%、動物食15%です。人間の歯の数は全部で32本ですが、比率は肉食の犬歯1に対し、菜食の門歯は2、臼歯は5、合わせて7で、1対7となります。消化酵素など消化器系のメカニズムは、この比率に対応して働いています。
2 人類は餌にありついて満腹のときは例外で、殆ど空腹の状態で、沢山食べれたら飢餓に備えて、脂肪などで備蓄する仕組みになっている。肥満は異常で害となる。昔から「腹八分目」といわれている。
3 食物は生で食べるのが通常であった。火を使うようになって、酵素やビタミンなどが不足するようになった。
4 塩、砂糖、油などの精製食品はなかった。人体は、こうした精製食品を大量に摂取する仕組みにはなっていない。血圧、血糖値などに異常をもたらす。特に日本人は塩分を過剰に摂取している。欧米人の平均6グラムにたいし、その2倍の塩分を摂っている。
5 たばこ、アルコールなどもなかった。人体は、これらを害無く受け入れる仕組みはない。
6 冷凍食品もなかった。特に冷やしすぎたビールの一気飲みは胃腸に過大な負担となる。
7 穀物、野菜、果物、魚などは、丸ごと食べていた。これで栄養のバランスがとれていた。いまでは全体食でなく部分食で栄養が偏向している。
8 今は世界中から食糧が輸入されているが、民族が長年食べてきたものでなければ体に合わないおそれがある。例えば、農耕民族が牧畜民族のように肉食とか乳製品を多く摂取すれば問題がある。日本民族は腸が長い。動物性蛋白質を過剰にとれば腸、そして血液が汚れる。「地産地消」は健康のためでもある。
9 どこの国でも農薬の問題がある。また輸送の過程で保存料の使用もある。食事の際、このことに神経を使うべきである。なるべく目が届き、信頼できる食品を選ぶ必要がある。我々は、がん誘発物資の山に取り囲まれているといってもいい。
以上のような人体メカニズムに反した食生活を続ければ。胃腸、血液、そして免疫システムに異常が発生し、がん細胞との対抗力を失うこととなる。

<積極的に免疫力を高めるには、どのような食事がいいか>。
基本の栄養素 蛋白質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル、
酵素

これらの栄養素を賄う食材 1 玄米食 五穀米 2 菜食 3 魚 4 肉食

<環境汚染、農薬、食品添加物などによるマイナス分・不足分を補う必要がある>

1 デトックス(解毒) 2 抗酸化作用のある食材 3 サプリメントによる補完 ビタミン ミネラル 酵素

<対がん効果のあるもの>
きのこ類 フコイダン プロポリス 核酸
メラトニン 抗酸化作用 NK細胞を増やし免疫能を高める
*(中山武)「いずみの会」式食事療法
「いずみの会」は元がん患者・中村武氏が創立したがん患者の集まりで1990年発足、「心の改善」「食事の改善」「運動」などのがん対策を仲間同士の励まし合いの中で進めている。名古屋市本拠のがん患者約800名の会。1994年から2007年までの年間平均生存率は94・8%。
「自分のライフスタイルを自分で変える5項目」を実践している。
1 心を改善すること(不安とストレスの軽減)
2 体質を大きく変える食事をすること(玄米菜食)
3 運動などで血流をよくすること(散歩などの有酸素運動)
4 体の「冷え」を防ぐこと
5 「過労」を避けること
患者本位の姿勢で自主的に学習し、実践されて驚異的な成果を挙げておられ、大いに参考となる。

特に「玄米菜食」に注目したいが、「グループ効果」として
1 患者仲間で相互に「同病合い励ましあう」
2 患者相互の情報交換(一般に医師と患者間の意思疎通は十分ではない)(医師側の時間不足と患者側の遠慮)
が、食事療法とともに、患者の治癒力を高めてきたとも重要な
要素ではないかと思われる。
<「いずみの会」のメンバーが食べたもの>
玄米。すりゴマ。そば。麦。粟、稗などの雑穀。小豆、黒豆、枝豆、インゲン豆、えんどう豆などの豆類。納得、豆腐、高野豆腐、ゆば、オカラなどの大豆製品。里芋、さつまいも、ジャガイモ、山芋などの芋類。ニンジン、ゴボウ、大根、切り干し大根、玉ネギ、生姜、カブ、レンコン、タケノコなどの根菜類。小松菜、春菊、ほうれん草、菜の花、大根の葉、カブの葉、大葉、干菊、三つ葉、セリ、クレソン、ブロッコリー、グリンピース、ピーマン、にら、チンゲン菜、山菜類(ワラビを除く)などの緑が濃い野菜。椎茸、なめこ、舞茸、エノキ茸などの茸類。カボチャ、ミョウガ。キャベツ。ナス。長ネギ、あさつき。キュウリ。白菜。貝割れ大根。水名。みそ、醤油、塩。ゴマ油。糠漬け(キュウリ、ナス、カブ、白瓜、沢庵など)梅干。クコの実、ゴマなどの種実類。コンブ、ワカメ、ノリなどの海藻類。モロコ、ワカサギ、ジャコなどの小魚類。シジミ。少量の白身の魚(病状による)。オリーブ油、コーン油、菜種油などの植物油(病状による)。
+1 味付けは塩が中心。醤油も使うがっ少なめで薄味。中山会長は、すりゴマ、ニンジンジュースを毎朝摂る。
+2 がん細胞は、砂糖や果物の甘味を好む。人のエネルギー生成系の「」ミトコンドリア系 はがんを抑制し、「解糖系」は体温を下げ、がん細胞の増殖を促す。血糖が高いと血液の流れも悪くなる。
+3 「玄米菜食」は「よく噛む」ことが大切。よく噛むと、血流がよくなる、「パロチン」というホルモンが分泌される、便通が良くなる、脳に持続的な刺激を与えるなどの効果がある。
+4「玄米菜食」は「がん体質」を変えるもので、5年間は続ける必要がある。
<会のメンバーが食べなかったもの>
白米。パン類。牛肉、豚肉、鶏肉、その他の四足動物の肉。鶏卵、ウズラなど鳥の卵類。ウニ、タラコ、スジコ、イクラなどの魚類と貝類の卵。魚類(手のひらより大きい魚)。アワビ、ハマグリなどの貝類。カニ、タコ、イカなどの海の生物類。ギョーザ、シュウマイ、春巻、ラーメンなどのこってりした中華料理。スパゲッティ、ピザ、マカロニなどの地中海料理。牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、アイスクリームなどの乳製品。マヨネーズ、ドレッシング、砂糖、カレーの素、ソース、ケチャぷなどの味付け食材。和菓子、ケーキ、スナック、クッキーなどの菓子類。すべての果物、清涼飲料水。植物ではワラビ。食べ物外で酒、タバコ。
+動物性食品は、がん治療中は避ける。

* (済陽高穂)
<済陽式食事療法の指針>
1 限りなく無塩に近い塩分制限
2 動物性(四足歩行動物)たんぱく質・脂肪の制限
3 新鮮な野菜と果物(無・低農薬)の大量摂取
4 胚芽を含む穀類、豆・イモ類の摂取
5 乳酸菌(ヨーグルト)、海藻、キノコの摂取
6 ハチミツ、レモン、ビール酵母(エビオス錠)の摂取
7 オリーブ油、ゴマ油、ナタネ油の活用
8 自然水の摂取

<済陽式食事療法「がんの栄養代謝療法」>
1 新鮮な野菜・果物のジュースを1日1,5~2ℓ飲むこと
2 主食は玄米、胚芽米、全粒パン、日本そば
3 大豆製品と品質のよい卵1日1個、ヨーグルト1日400~500g
4 魚・鶏肉は少なく(週1回)、牛肉・豚肉禁止(最低半年間)
5 海藻、キノコ、蜂蜜、レモン(1日2個)、ビール酵母(エビオス1日20錠)
6 食塩の摂取は限りなく少なくする
7 禁酒、禁煙
<免疫力を高める食品>(済陽式食事療法)
1 活性酸素を無害化する抗酸化食品
2 クエン酸回路を働かせる食品
3 白血球やリンパ球を増やす食品
4 腸内環境を整える食品など
<ビタミンACEはがん予防のエース(ACE)>
+ビタミンAを含む食品 リンパ球のT細胞やNK細胞を増やし免疫力を向上 レバー、ウナギ、タマゴ。ニンジン、ブロッコリー、春菊、ホウレン草などの緑黄色野菜。
+ビタミンEを含む食品 老化予防、若返りのビタミン。リンパ球、白血球の働きが向上。大豆、ピーナッツ、アーモンドなどの豆、ナッツ類。ひまわり油、オリーブ油などの植物油。カボチャなど。
+ビタミンCを含む食品 免疫力を高めるのに必須のビタミン。もっとも大切で、もっとも不足するビタミン。キャベツ、ブロッコリー、小松菜などの緑黄色野菜やサツマイモなどのイモ類。ミカン、レモンなどのかんきつ類。イチゴや柿などの果物。

+ビタミンBⅰを含む食品 クエン酸回路の働きに必須のビタミン 玄米、豚肉、ウナギ、豆類、ゴマ、牛乳など。
+ミネラルを含む食品 体を作ったり生命機能を維持するのに必須。(セレン)青背の魚、小麦胚芽、糠(亜鉛)カキなどの魚介、ゴマ、牛乳。(カルシュウム)干した小魚、牛乳、乳製品。(モリブデン)穀類、牛乳、大豆などの豆類。
+ファイトケミカルを含む食品 植物が紫外線、虫などの外敵から身を守るために作り出した物質の総称。ポリフェノール、フラボノイド、カロテノイドなどの抗酸化物質で活性酸素を無害化。野菜、果物、豆類。特にプルーン、ブドウ、ブルーベリーナドモ。
+アリシンを含む食品 アリシンはにおい成分でイオウ化合物。疲労回復や免疫力アップ効果。クエン酸回路の賦活も。ニンニク、タマネギ、ネギ、ラッキョウなど。
+腸管免疫を活発にさせる食品 腸管は免疫の宝庫。老化を防止するヨーグルト、納豆、キムチ、漬物、味噌などの発酵食品。食物繊維の豊富なコンブやワカメなどの海藻。抗がん作用のあるシイタケなどのきのこ。腸を整え、活性化するリンゴとハチミツの「バーモント食品」
+ハーブや香辛料 ミント、タイム、バジル、ローズマリーなどのハーブや香辛料 多くの腫瘍に作用し、がん細胞の増殖を抑制したり死滅させたりする。
+以上の食品をバランスよく摂る。ただし、豚肉、レバーなどの動物性食品は、がん治療中は避ける。

(コメント)1 がん細胞はナトリュウム濃度が異常に高く増殖を促進 2 ヨーグルトは「インシュリン成長因子」を含み乳がん、前立腺がんを悪化させる 3 動物性脂肪は悪玉コレステロールを増やし、それを退治するマクロファージを疲れさせ免疫能を低下させる) 4 動物性蛋白質は腸内悪玉菌を増やし、腸管免疫を低下させる 5 がん細胞は糖が好き?高インスリン血症ががん細胞の成長を促進する。がん患者は糖尿病の治療をすべきである。
腸管免疫 腸内善玉菌の増強 植物性乳酸菌・ラブレ菌ノサプリメント「ラブレオリジナル」 免疫増強作用の発揮

第7 士気の高揚「自己治癒力」(心身一如)
「やる気」や「安らぎ」そして「祈り」が「がん戦争」の勝敗を決める。数々の世界的な「体験的エビデンス」が、それを証明する。

*米国の著名な統合医療学者・アンドルー・ワイル「がんにかかった患者は、身体的・精神的・感情的・霊的なすべてのレベルで改善を行い、全身の健康状態と抵抗力を向上させるよう心がけなければならない」(同著「癒す心、治す心」)
(川村則行)「自然治癒力を高める」
家庭内や仕事上の人間同士の対立、過密なスケジュール、金銭トラブル、交通渋滞、技術の革新など、現代社会の生むストレスが不眠症や心臓疾患、高血圧といった病気の背後にあることは以前から指摘されていました。しかし、こうしたストレス性の疾患に対して、孤独を避けたり、感情をコントロールしたりといった素朴な方法が有効なことに、医者があらためて気づき始めたのです。
そのことを象徴するのが、精神神経免疫学(ONI)の始まりです。この分野の研究は、一九七○年代に、脳内の情報伝達物質の複雑な仕組みを分析し、心と神経系と免疫系の相互関係を探る目的だ始まりました。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ハーバード大学)のハーバート・ベンソンの言葉を借りて言えば、「頭で考えたことがからだに影響し、からだを動かせば脳に何かが伝わる」ということになります。つまり、心から脳、からだへのつながり、からだからから脳、心へのつながりに関する研究といえます。
精神神経免疫学の実例をいくつか紹介しましょう。
米国オハイオ州立大学では、試験期間中の医学生に関してストレスの影響を調べました。すると試験にストレスを感じている学生では、免疫力の代表である、キラー細胞(腫瘍やウイルスなどと闘うのに不可欠な細胞)の活動が低下していることがみつかりました。・・・
有名な実例として、脳腫瘍を患った十代の少年の話があります。
彼は自分のがん病巣を黒い塊としてイメージし、それを敵に見立て攻撃するという創造を毎日毎日繰り返していたそうです。すると、ある日からいつもイメージしていた黒い塊の敵がいなくなりました。がんばって頭の中にイメージを浮かばせようとするのですが、うまくいきません。そのことを知った親が医師に頼んで検査してみると、驚いたことにがん病巣が消えていたという話です。

+(がんの生存率を決めたもの)(川村則行)
がんの予後に与える真理的な影響に関する研究を紹介しましょう。
このデータは、自己治癒力を考えるとき、避けて通れない重要なものです。同じ
がんでも、その受け止め方により生存率に差の或ることが、イギリスのグリアーという人の調査で示されました。これは早期の乳がんの人たちの調査です。
乳がん治療のもっとも効果的な方法は、外科手術によるhがんの全摘出ですが、グリアーはこうした切除手術を受けた人たちの、がん宣告後三ヶ月たった時点での心理状態を調べました。・・・
調査の結果、受け止め方はA-Dの四種類に分類されました。
グループAは、がんであることがわかっても前向きな気持ちを失わず、積極的に治療に取り組み、がんに打ち勝とうとした人たち。
グループBは、病気を拒否した人たちで、自分はがんなんかではない、あるいはそうだよしても早期だから大丈夫と、あえてがんという言葉さえ巨富氏、積極的に逃避しました。
グループCは、冷静に受け止めた人たち、ただしれいせいにといっても、すべては医者にお任せと仕方なく受け止めたのです。医者の指示に従って、優等生的な氷魚とたいです。
グループD
は、絶望的になり、もうあるのは死だけだと、四六時中恐怖心にさいなまれていた人たちです。
これら四つのグループのうち、もっとも生存率が高かったのはÅで、次いでB,C,Dの順番でした。がんになったから自分は死ぬのだと考え絶望した人の生存率は非常に低く、がんに真っ向から立ち向かい、希望を失わず闘った人は生存率が高いのです。この結果から、腫瘍の大きさや悪性度、治療法よりも、精神的なものの影響のほうが大きいことが証明されたのです。つまり、がんの早期においては精神状態が非常に重要で、その予後を左右するといっていいでしょう。
<自己治癒力を目覚めさせるポイント>(川村則行)
① 自分の主人公は自分である。
② 自己治癒力は、本来の自分に立ち返ることから生まれる。
(「自己」を抑える「自分」)精神免疫学が示しているように、本来は豊な自己治癒力があるのに、自分自身の意識のゆがみや心理社会的な過剰な負荷(ストレス)のために、あるいはまた不適切なライフスタイルをとることだ、ほとんど無力かと思えるくらいにその力が抑制されているのです。言い換えれば、「自己」の能力として本来働くべき治癒力が、後天的に作られてきた意識できる範囲の「自分」によって押さえ込まれ、バランスを欠いている姿が、病める姿、あるいは人の常態なのです。抑制されてしまう治癒力を引き出すための鍵になる考え方は、ここにあると思います。・・・
(脳の働き)人間というのは、ふつう同時にふたつのことはできませんたとえば頭の中に不安、不快、不満などが渦巻いているときなどは、もうそのことで飽和状態担っているはずです。この場合、大脳の中で不安や不満などで悩んでいるというのは、すでにひとつの行為ですから、同時に明るいことを考えろといっても無理ですね。
それでは、どうやって頭の中身をポジティブな方向へもっていけばいいのでしょうか。じつは、この「ひとつだけ」という特性にヒントが隠されています。頭の中を一足先に、安心、愉快、満足という内容にしてしまえばいいのです。一足早く、楽しい行為に出れば、すくなくともそのときに悩むという行為はできなくなるからです。・・・
(祈り)「ルルドの泉」の奇跡的な治癒例を研究したフランスの医師・アレキシー・カレルは、自らの体験した症例を端緒にして(もちろん科学的な研究に携わりながら)、こうした治癒を引き起こす原動力は祈りにあると考え、その後、祈りの持つ大きな力に関心が移り、そういった著作を著すまでになってゆきました。彼の到達した結論は、私個人の直感では極めて正鵠を射ていると思いますが、科学的根拠ははまだないと言わざるをえません。
私は、こういったことがいつの日か科学的に明らかになることの重要性を感じます。とはいえ、まだ明らかではない以上、やはり医師として中立の立場をとります。しかし、もし私が今、病に倒れていたとしたなら、私は「祈り」の力を信じ、祈りを行うでしょう。生きている主体、個人、人間として役に立つものは「知識」ではなく、それにいのちが吹き込まれた「知恵」なのですから。
平岩正樹 (告知の意義)医者だけが自己満足するがん治療ではだめなのです。病気と治療方法に対する患者の理解と戦う意思がないと、本当の戦いというのはできません。病気と戦うのは、あくまでも患者自身です。医者はそのために最大の手助けをする存在なのです。
治療の過程において、仮につらいことがあったとしても、本人に戦う意思があり、医者との共闘態勢が出来ていれば、大きな困難だあっても乗り越えられるかもしれません。しかし、本人に本当のことが知らされていない場合には、逃げるか避けてしまうのが普通です。問題の本質が知らされていない患者さんに、乗り越えるだけの意思が生まれてくるはずがありません。
*吉田憲史 「外科手術や抗がん剤で、目に見えるがんだけを治療しようとする立場の人には、患者さんの精神的なストレスのことはあまり考えないようだが、転移や未発がんをも念頭に置いて、がん治療の最前線を築いている私たちにとっては、精神的なストレスをいかにして取り除くかは、たいへんな課題なのである。」(同著「強いリンパ球でがんを撃つ」)
<学習と実践>人間は、自分の意思で学習し実践することができる特権がある。
<遺伝子の励起現象> 奇跡が起こる 原始的衝動 がんの自然退縮
<がん患者にうつ病が多い>(欧米での調査では48%~58%)免疫力(NK細胞)の低下。うつ病の治療で免疫力向上

がんは自分の力なしでは治らない。がんは自分で治すものという意識と姿勢を持つかどうかによって、医師や専門家の治療の結果に大きな差が出てきます。
笑いの効果>心身は連動する。 ストレスが胃潰瘍を起こす。効くと思えば効く「偽薬効果」もある。
<自律神経のコントロール>免疫細胞の活性化のためには常に「ゆったり」とした気分と十分に「吐く」呼吸法。

<「いずみの会」メンバーの成功体験>
「食事療法」は絶対必要だが、これだけでは不足。がん克服の要因の六割は心にある、心の改善であるとして、このため会のメンバーの患者は各自の工夫と努力で治癒に成功している。
例1 朝の海岸を散歩 朝日を浴び、深呼吸、体操、大声で歌を歌う(三期直腸がん、肝臓がんを克服した人)
例2 朝夕2回、川べりを散歩 芝生や草のうえに寝転んで青空や雲を眺める。何も考えない時間をつくる。(悪性の肺がんを克服した人)
例3 毎朝散歩 スポーツジム、ヨガの会など、人の集まる場所に積極的に参加 「いやなことを思い出さない」「幸せな人生とは、赦すことと忘れること」(三期の乳がんを克服した人)
例4 つらいときでも、何とか外へ出て人に会って話しをした。旅にも出た。毎日散歩 深呼吸 自分でマッサージ(乳がん、腎臓がん転移、膀胱がん転移・再発を克服した人)
例5 引っ込み思案をやめて、自分の気持ちを素直に出す。くよくよ考えない。イライラしない。生かされていることに感謝。(余命八ヶ月の肝臓がんを克服した人)
例6 仕事を離れ、海外旅行、いろいろなグループに参加、国内の温泉旅行。焦らず、争わず、ガンとともに生きていくことを心がける。(余命三ヶ月の前立腺がんを克服した人)
例7 あせらない、おそれない、あわてない。「いずみの会」の患者さんから元気をもらう。(三期の上行結腸がん、肝臓がん転移を克服した人)

(田村周)<田村・内科医師の実践>
(患者から学ぶ)
1 がんを治すことができるのは患者自身の力
2 がんを治すことができるのも、治す力が備わっているから
3 なぜ、治す力が引き出せないのか
4 体よりも心(考え方)が重要
5 幸せになる考え方が治す力を引き出す
幸せを感じることこそが最高の治療薬
幸せだなぁと感じるときは、免疫力を活発にさせるホルモンが分泌され、不幸せと感じたときは免疫力を低下させるホルモンが分泌される。
6 治す力、治る力を信じることが大切
(治す力を引き出す10の法則)
<がんが自然と消えていく10のポイント>
1 「幸せになることをする」
―1 「心が幸せになる食べ物」を口にする
-2 幸せになれるものを聴く
-3 好きな香りをかぐ
-4 幸せになるものを見る
2 「楽しみに思える目的・目標を持つこと」
3 「感謝の心、病気にも感謝」
4 「怒り、憎しみなどの悪い感情は病気を悪くする」
5 「あきらめない」
6「まずは治療を信じてください」
7 「頑張りすぎはやめましょう」
8 「ストレスになることを避ける」
9 「何事もプラスに考える癖をつける」
10 「自分を責めないで、自分を褒める!」

*<食べる、聴く、嗅ぐ>「快食療法」、「音楽療法」「アロマセラピー」 食欲とともに聴覚と嗅覚が人間の生命を守り、人類の生存を支えてきた。これらが人間の生存本能を活性化する。

<自分で行う療法>
治療は医師側と患者側の協働作業です。患者側の努力も必要です。患者が自分で治す意識を持つためには、患者が自分で行う療法を実践するとよい。
例えば
1 玄米菜食など食事療法
2 カイロ療法など温熱療法 食事、漢方なども
3 爪もみなど自律神経調整
4 専
門家の指導による音楽療法、アロマセラピーなど

第8戦陣訓<がんでは死なないための10か条>

第1条 過労を避けること。疲労やストレスが溜まるようなことをしない。健康状態を常に注意深く観察する。(早期の異常発見)
第2条 睡眠を十分とること。睡眠時間7時間から8時間を確保。
第3条 体温を下げないこと。冷えでがん細胞の活動が活発化。血液循 環をよくして免疫細胞の活性化。
第4条 食事を大切にすること。「医食同源」
第5条 適度な運動をすること。筋肉を鍛えることも循環をよくする。
第6条 がん細胞・賊軍に突破口を与えないこと。活性酸素の発生を抑える。
第7条 がん細胞・賊軍への援軍・補給路を断つこと。冷え、偏食、ストレスなどを避ける。
第8条 味方に援軍を送ること。免疫力を高める各種の方法。
第9条 機を見て賊軍を急襲、大量攻撃すること。対症療法・標準治療の副作用やリスクを押さえながら実施。免疫力の目安となる白血球数の維持。
第10条 自己治癒力を鍛えること。心を楽しく強く明るい方向に向ける。

「10か条」は患者側市民が自ら学習して自前のものを作り、実践することが望ましい。それを市民エージェントがサポートする。
できれば患者側市民の有志が集まり情報交換しながら学習し、実践すれば「いずみの会」のように大きなグループ効果を発揮できるであろう。スキンシップを楽しめるオフラインの集まりができるといいが、ネット上でオンラインの情報交流や協働作業ができるのもよい。若者には、その方が乗りやすいかもしれない。なるべく多様な人々の集まりの方が「三人寄れば文殊の知恵」、いい知恵が出る「生産性」が期待できる。これが「農場」「工場」に並ぶ新しい価値の生産現場「情場」である。
いい知恵が出れば、それを実行しなければ成果が出ない。単なる知識・教養に止まってはいけない。行動して初めて結果がある。「理」を尊重し知識中心の「朱子学」ではなく、時代は主体性尊重・知行合一の現代「陽明学」を体現することを求めているのではなかろうか
免疫力を中心に自然治癒力や自己治癒力の強化を始めがん克服の総合戦略を指導できるクリニックあるいは病院が増えていくことを期待する。また、自然治癒力を治療の基本とするよう制度や製作を見直し、市民の力で政治を変え日本の医療全体の方向転換を進めなければならない。

第8<がん関連用語>(佐々木常雄「抗がん剤」の作用・副作用がよくわかる本)

*「アポトーシス」細胞死の一形態で、遺伝子の命令によって細胞が自殺する現象をいい、ネクローシス(壊死)と区別される。人の体細胞や動物の変態(おたまじゃくしがカエルになるなど)などにみられるように、正常細胞は、一定の期間を過ぎるとみずから死んでいくように遺伝情報に組み込まれている。しかし、がん細胞ではこのシステムが動かず、増殖を続ける。
*「遺伝子」生物の遺伝的な特質を決定する因子で、遺伝情報をになう単位とされている。一つの遺伝子は、すべての細胞に含まれる二重らせん状のDNA(デオキシリボ核酸)上に、四種類の核酸塩基分子の配列がいくつか組み合わさって構成されている。この塩基配列に異常が起きて遺伝情報が変化するとがん細胞が発生する。
*「インフォームド・チョイス」医師に提示された治療方針に納得できない場合、患者側にはその治療法を拒否することもできる。あるいは、べつの治療法がないか相談することもできる。
具体的な治療法の最終選択は、医師と患者側で話し合い、同意の
うえ決定されるが、どのような治療法も長所と短所がある。なかで
も抗がん剤は、副作用の心配があることがよく知られているので、
不安を感じる患者も多いかもしれない。医師の説明をよく聞き、疑
問があれば積極的に尋ねて、治療にのぞむとよい。
*「温熱療法」通常、がん細胞は42・5~43度に加温されると急激に死滅する。これを利用した治療法だが、がん全体を十分にかおんするのが困難な場合が多く、放射線療法や抗がん剤治療との併用が一般的である。
*「寛解」(緩解)治療によって、一時的または長期的に症状がおさまった状態。異常が少し残っている場合を部分寛解または不完全寛解、完全に消失した場合を完全寛解、また、これらの期間を寛解期という。多くは、白血病の治療経過で使われ、固形がんでは使われない。
*「固形がん」白血病や悪性リンパ腫など造血器がんといわれる以外のがんのこと。固形がんには肉腫も含まれる。
*「サイトカイン」(療法)免疫を担当する細胞が作り出す生理活性物質。免疫担当細胞の活性化や増殖、機能亢進、免疫反応などに重要な働きを果たすほか、直接、がん細胞を攻撃するものもある。免疫療法の一つで、インターフェロン、インターロイキン=2、インターロイキンー12、腫瘍壊死因子などのサイトカインを用いた治療法をサイトカイン療法という。
*「支持療法」生活の質の低下を招く症状や治療(とくに抗がん剤治療)による副作用の軽減を刻的とした各種の治療。患者と医師の良好な関係づくりも含まれる。
*「集学的治療」三大治療法(手術、放射線療法、抗がん剤治療)のほか、治療効果があるとされるあらゆる治療法を組み合わせて行う方法。現代のがん医療の中心となっている。
*「腫瘍マーカー」がん細胞がつくり出したり、がん細胞に反応してほかの細胞が主として血液中に放出する、そのがんに特有の物質。これを測定して、がんの性質や状況の目安とする。
*「浸潤」がんの形態上の進展度を表す表現。がん細胞が周囲に散らばるように増殖していくこと。また、がん細胞が上皮組織の下の基底膜を貫通して、上皮下組織や周囲のほかの臓器にしみ出るように増殖することもいう。この状態のがんは浸潤がんと呼ばれる。
*「新生血管」がんは周辺組織に新しい血管をつくり、みずからの組織に導入することがある。増殖に必要な栄養を売るためと考えられる。
*「セカンド・オピニオン」医師が行った治療方針の説明に対して、十分に理解できなかったり、疑問を感じたりする場合は、主治医以外の医師(現在受けている治療法に対して第三者的立場にある専門家)に意見を求めるのも一つの方法で、これをセカンド・オピニオンという。
*「線がん」胃線や唾液腺、乳腺など、分泌線に似た形や性質を持つ組織から発生するがんのこと。肺がんでは、線がんが全体の半数以上を占め、多くの気管支が細かく分かれた先の肺野部にできる。
*「対象療法」病胃そのものの治療(原因療法・根本療法)とは別に、病気による症状の消失あるいは緩和を主目的とする治療。がんの場合、手術や抗がん剤治療は原因療法、痛みや発熱などの症状を抑えるための薬剤投与は対症療法となる。
*「転移」がん細胞が血液やリンパ液に入り込み、っ原発巣から別の部位に運ばれ、そこで分裂・増殖すること。
*「肉腫」筋肉、脂肪、造血組織、神経、骨、軟骨など、非上皮組織に発生する悪性腫瘍をいう。
*「二次発がん」がんの治療中または治療後に、転移ではなく荒田に発症するがん。最初のがんで受けた抗がん剤治療や放射線療法が原因となることもある。
*「病期」(ステージ)病期の進行状況を示す尺度。がんの場合は病巣の大きさや浸潤の程度、転移の有無などによって規定されている。分け方はそれぞれのがんによって異なる。がんの病期分類はさまざまだが、TNM分類が広く使われている。
*「ホルモン療法」ホルモンで増殖するがん(乳がん、前立腺がんなど)に対し、特定のホルモンの分泌を抑えるなどの方法によってがんの発育を阻止する治療法。ただし、がん細胞自体を殺すものではない。
*「マクロファージ」白血球の一種で、日確定大きな単核細胞。細胞質内に異物を取り込んで消化する働きがある(貪食作用)。抗原情報をリンパ球に提示して、免疫機能を活性化させる役割がある。
*「未分化がん」骨髄でつくられる幹細胞は分裂を繰り返して成熟し、皮膚や骨、臓器などの細胞になる。これを分化という。この成熟過程で、ほとんど分化していない場合を未分化、分化の程度が低い場合は低分化、分化の程度が高く、細胞の形がはっきりしている場合を高分化という。未分化がんは未分化の細胞から発生するがんで、元の細胞の特徴をまったく残していない。一般に、分化の程度が低い細胞ほど、がん化すると悪性度が高いといわれる。
*「免疫療法」人体に備わっている免疫力を高めて、がんを攻撃する治療法。免疫賦活療法、サイトカイン療法、免疫細胞療法などがある。白血病などに対する造血幹細胞移植(他人の免疫力を利用)や、インターフェロン治療で一部のがんに明らかな効果を示したもの以外には、まだ科学的根拠のある標準治療となったものはない。
*「薬剤耐性」薬の反復投与により、最初は十分効果があった薬がしだいに効かなくなっていく現象。
*「予後」病気や手術の経過と医学的な見通しのこと。

第9<がん情報サイト>

1(中川恵一「がんのひみつ」)

がんに関し信頼できる情報を得られるインターネットのサイト
* 国立がんセンター「がん情報サービス」
http://ganjouhou,ncc,go.jp/public/index.html
(各種がんイラスト入り解説)
* 癌研有明病院「がん・医療サポートに関するご相談」
http://www.jfc.or.jp/hospital/conference/index.html
(わかりやすい解説)
* 日本対がん協会
http://www.jcancer.jp/
(がんおよびがん検診に関する啓発)
* がん情報サイト
http://cancerinfo.tri-kobe.org
(アメリカ国立がん研究所配信)

2 武藤徹一郎「免疫細胞療法」

*がん相談“蕩蕩”
http://www.gan-soudan.com
Tel 03-3511-0051
第10<参考図書>(約60冊)

永田親義「がんは なぜ生じるか」講談社
同   「活性酸素の話」講談社
中川恵一「がんのひみつ」朝日出版社
同   「ドクター中川の“がんを知る”」毎日新聞社

帯津良一「ガンを治す大事典」二見書房
同   「自然治癒力で生き返る」角川文庫
同   「がんと向きあう養生法」NHK出版
帯津良一・李文瑞「がんは不治の病か」丸山学芸図書
鳥越俊太郎「がん患者」講談社
白畑實隆「あなたの知らない新しいがん治療」現代書林
伊丹仁朗「絶対あきらめないガン治療・30の可能性」三五館
安藤由郎「「がん」になったら私は この代替医療を選択する」現代書林
山本竜隆「補完代替療法」産調出版
旭丘光志「統合医療の力」実業之日本社

旭丘光志「AHCC治療最前線」DHC
平岩正樹「副作用のない抗がん剤治療」二見書房
武藤徹一郎「免疫細胞治療」幻冬舎

三井と女子「注熱でガン・難病が治る」一光社
奥村秀夫監修「ガンが消えた55人のレポート」(超吸収アガリスクの快癒力)イースト・プレス
市藤勇「マイナス水素イオンで細胞がよみがえる」教育評論社
自然治癒力を考える会「乳酸菌エキスの自然長寿法」光人社
白畑實隆ほか監修「ガン統合医療でフコイダンが注目される理由」現代書林
立川大介「ガン臨床医が認めた「海藻フコイダン」の効力」青山書籍
岡部正「奇跡のホルモン アディポネクチン」講談社
帯津良一監修「ガンは治った」(タヒボ 200人の証言)
大沼四郎「自然治癒を科学する」(サイトカインと遺伝子修復)千早書房

野本亀久雄「免疫とはなにか」講談社
谷口克「免疫、その驚異のメカニズム」ウェッジ
安保徹「最強の免疫学」永田書店
同  「免疫革命」講談社インターナショナル
安保徹・福田稔「免疫学宣言」河出書房新社
多田富雄「免疫学 個人授業」新潮社

渡邊昌「食事でがんは治せる」光文社
シャルロッテ・ゲルソン ベータ・ビショップ「ゲルソン療法」地湧社
済陽高穂「がんが消える食事の8原則」かんき出版
中山武「論より証拠!ガンをなおす「いずみの会式・玄米菜食」」花伝社
同  「ガンがゆっくり消えていく」草思社
岩崎輝明「食事道のすすめ」毎日新聞北海道支社

新谷弘美「20歳 若返る力」
安保徹「疲れない体をつくる免疫力」三笠書房
吉田憲史「強いリンパ球でがんを撃つ」講談社
田村周「がんが自然と消えていく10の習慣」現代書林

河村則行「自己治癒力を高める」講談社
ビル・モイヤーズ「こころと治癒力」草思社
池見酉次郎「セルフ・コントロールの医学」NHKブックス
保坂栄之助「イメージ・コントロール法」産能大
高田明和「「病は気から」の科学」講談社
藤平光一「健康の秘訣は気にある」東洋経済新報社
川嶋朗「見えない力で健康になる」サンマーク出版
同  「心もからだも「冷え」が万病のもと」集英社
稲田芳弘「ガン呪縛を解く」ECOクリエイティブ
別冊宝島「自分で選ぶガン治療」宝島社
岩田弘敏「五感健康法」岐阜新聞社
横倉恒雄「脳疲労に克つ」角川SSC新書
宗像恒次「遺伝子を見方にする生き方」きこ書房

ノーマン・カズンズ「笑いと治癒力」岩波現代文庫
石井直方「筋肉革命」講談社
満尾正「女40代からのずっと若い体のつくり方」三笠書房
健康食品管理士認定協会「健康食品ポケットマニュアル」同協会

米山公啓「手遅れにならない医者選びの常識」法研
川渕孝一「日本の医療が危ない」ちくま書房
日本経済新聞社編「がん医療これからどうなる」日本経済新聞出版社

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