市民本位の健康医療に向けて

第34回(1月)定例会報告(メモ)

2011年1月26日 by KISK事務局  


本年最初の定例会は、1月18日(火)日本財団会議室にて開催しました。講演は、初めて、眼科の先生、箕田健生先生をお招きして高齢者に多い目の病気についてお話を聞きました。また講演後、健康に関するクイズタイムを設けました。

講演: 「高齢者に多い目の病気―白内障・緑内障そして加齢黄斑変性」箕田健生先生
とだ眼科顧問・元帝京大学市原病院長・東京大学医学部卒ニューヨーク大学留学
元東京大学助教授・日本眼科学会名誉会員・埼玉県腎・アイバンク協会理事等

梶原代表から元帝京大学市原病院長で眼科暦48年の眼科医療の第一人者との御紹介のあと、謹厳実直で深遠な雰囲気の箕田先生のエネルギッシュな講演が始まりました。この様な幅広い場で話せるのは大変光栄。本日は高齢者に多い目の病気1白内障2緑内障3加齢黄斑変性の話をしたい。会場参加者の挙手で現在治療中がそれぞれ6人3人3人と御確認。図形で「目の基本構造」と精巧な働きをご説明。眼球は直径24㎜位でじょうごのような眼窩に納まる。前面は透明な角膜、瞳孔、その後にレンズに当たる水晶体9㎜&5㎜があり、さらに硝子体があり、奥のフィルムにあたる網膜に視細胞が沢山ありそこから脳に連絡。網膜の中心窩を囲み黄斑部。その後ろに脈絡膜。

「白内障」は水晶体が濁って網膜に光が届かなくなる病気。種類は1先天白内障2後天白内障(老人性・併発・外傷性白内障)だが大部分は加齢。「症状」は、かすむ・ぼやける・見にくい・まぶしい。眼鏡が合わない・近視の進行・55-60歳でも。私も60歳過ぎでも眼鏡があわず、62歳で右67歳で左を手術。いろいろの目の写真で濁りや色の症状をご説明。軽くても要望で対応できる。治療は1薬物療法・進行の抑制・数年可能 2手術療法「超音波水晶体乳化吸引術Kelman1967」・「眼内レンズRidley1951」。眼内レンズの材質は初期は固いレンズPMMA、現在は眼内レンズsiliconeシリコンとアクリルソフト。表面の膜を二つ折りにし、超音波で砕いて吸い出した水晶体の代わりの眼内レンズを巻いて挿入する。小切開(創)白内障の進歩で、年間100万件超の手術・術後の安静期間の短縮で日帰り手術も可に。術後の視機能の速やか且つ大幅な改善・手術後の患者のQOL生活の質の飛躍的な改善が。手術の合併症は早期には感染症、後期には後発白内障や水疱性角膜症状があり注意。

「緑内障」は一般に房水が流れにくくなり、眼圧が上昇することにより脳に情報を伝える視神経の障害が起こり次第に視野の狭くなる病気・角膜のむくみのため瞳孔が開き緑に見える。房水が流れにくくなる所により「開放隅角」・排出路と「閉鎖隅角」・虹採の根もとがあり治療法も異なる。一般に水分の房水は毛様体でつくられ後房へそして瞳孔を通って前房へ流れ、前房隅角・排出路の孔から眼球の外へ出て静脈へ。緑内障の種類と日本人の40歳以上の有病率は1原発性閉塞隅角緑内障0.32%  2原発性開放隅角緑内障・正常眼圧緑内障3.60%  3続発性緑内障1.86%合計5.78%・多治見市での疫学調査。20人に一人の緑内障・その6割は正常眼圧緑内障です。正常眼圧緑内障の「症状」は、初期は無自覚・無症状・成人病検診で発見、中期と末期は目の疲れ・視野異常・狭窄・視力停下。「緑内障の定義」は「視神経と視野に特徴的変化を有し、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼疾患」とされます。緑内障の特徴的な視神経変化は1視神経乳頭陥凹の拡大(特に上下方向) 2網膜視神経線維層欠損3視神経乳頭周囲出血です。平面図と断面図を利用の詳細なご説明。眼底視野の初期中期末期への黒い棒状の不視野の広がりの図表提示も。「日本の視覚障害者」2007は、矯正視力0.5未満のロービジョン164万人、0.1以下の失明者18.8万人。主要原因は緑内障24.3% 糖尿病網膜症20.6% 変性近視12.2% 加齢黄斑変性10.9% 白内障7.2%です。緑内障の治療は1薬物治療では眼圧下降点眼剤と眼圧下降内服薬で具体名を 2手術治療では閉塞隅角緑内障のレーザー虹彩切開術・虹彩切除と、開放隅角緑内障・正常眼圧緑内障の繊維柱帯切除術・隅角切開術など。「緑内障の早期発見」のため、イ40歳過ぎたら年一回の眼底検査を! ロ強度近視の成人は緑内障のリスクが高い。ハ視野異常の自己チェック! をご推奨。

「加齢黄斑変性」は加齢に伴い、眼球の底の網膜の中心にある黄斑(4.4㎜円)が萎縮したり、出血したりして視野障害をおこす疾患。欧米では中途失明者の原因疾患の上位を占めており、日本でも高齢者社会の進展に伴い急速に増加。平面図で眼底の中央窩をとりまく黄斑の範囲、横断図で黄斑部の脈絡膜から網膜にもろくて破れやすい新生血管網が伸びている症状のご説明が。「症状」は、中心部が歪んで見える・部分的に欠けて見える・ぼやけて薄暗く見える。この発症率は豪州白人は3.3% 西インド諸島黒人0.7% 福岡県久山調査の日本人1.4%(男性2.6%女性0.8%)です。治療法は1レーザー光凝固療法2光線力学療法3抗血管新生療法で、具体的ご説明を。「加齢黄斑変性の予防」は1禁煙・喫煙は本症のリスク要因2ビタミンC, E, ベータカロチン,B2、亜鉛、銅、マンガン、ルティンなどを含むサプリメント(オキュバイト)の内服3「アムスラーチャート」による自己チェック・碁盤様のチェックシートを片方ごとに、目でじっと見つめると・線がぼやけて薄暗く見える・中心がゆがんで見える・部分的に欠けて見える・があれば担当医に相談することが大切・以前よりもさらに問題が出てきたときも相談を。と力強く予防法を含めた心構えを示唆され、締めくくられました。加齢とともに問題が増してくる目の病気の詳細で判りやすいお話に万来の拍手が続きました。

会場からの質問「サプリメントのオキュバイトの効果は」「網膜症との関係は」「緑内障と白内障は併発もあるか」「目玉を洗浄することを昔はやっていたが」「赤道直下や高山では紫外線が強くサングラス必要か」「緑内障は正常圧のものが多いがその原因は」「眼圧下げる点眼薬の利用はいつまで可能か」には、「効果ある」「高血圧や動脈硬化ともあわせて考えることが必要かも」「併発はある。」「いろんな細菌対策で昔はやったが、現在は異物や薬物が入ったりしたときは必要だが、通常は洗眼は必要ない」「その時の状況で必要」「同じく視神経がやられるのだと思うが根本の原因は解明されていない。ミステリーだ。眼圧の個人値と全体平均値での対応に差があるのかも知れない」「手術で進行を遅らせることも出来る」と対応されました。目の病気での関心の広さをうかがわせた素晴らしい講演に再度拍手が続きす。有難う御座いました。

<健康クイズの復習>
講演の後で黒川様に進行をお願いして実施した健康クイズは、4択だったので、全く無知な人でも2、3点、平均6点は取れると思っていましたが、10問中5問出来たら優秀な方に属し、ちょっと残念な結果でした。ホームページに問題、解答を載せましたので欠席された方は見てほしいのですが、記憶しておいてほしいことをちょっと触れておきます。

カリウムは塩分排出には大切だが腎臓病には大敵
・きな粉など大豆を原料とする食品にはカリウムが多く含まれるので、塩分摂取が多い人は大豆の入った食品を取ることは大切です。しかし、腎臓に問題を抱える人はカリウムは大敵です。

ワーファリンにビタミンKは大敵
・ビタミンKは血液凝固に重要な働きをする。しかし、ワーファリンのような血液をサラサラにする薬のお世話になる人には禁物、ワーファリンが効かなくなります。脳梗塞気味の人は、ビタミンKを多く含む納豆や海藻の食べ過ぎは禁物です。

悪玉コレステロールの元はカロリー過多
・コレステロールの善玉(HDL)と悪玉(LDL)は食べる食品とは関係ありません。食べ過ぎや運動不足が中性脂肪を溜め、LDLを増やすのです。

体温を上げるには寒冷地の野菜を
・「体温を上げると健康になる」の方法として、暖かい地域の野菜(トマト・なす)より寒い地域の野菜(ショウガ、ネギ)がよいし、コーヒーや緑茶より発酵させた紅茶や中国茶がよい。

放射線を使わない画像診断の増加
・昔は画像診断と言えばX線(レントゲン)のことでしたが、今はMRI、MRA、エコー(超音波)などX線を使わない(被ばくリスクのない)画像診断が増えました。それもレントゲン技師の仕事!

救急車のコストは甚大
・救急車をタクシー代わりに使うようなモンスターペイシェントは、多くの国、都市では救急車は有料で1回呼ぶと2万円~4万円徴収されることを認識すべし。東京都の場合、救急車出動経費は年間310億円。1回につき¥45,000の経費がかかっているとのことです。

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