市民本位の健康医療に向けて

健康クイズ 問題と解答 (1月定例会にて)

2011年1月21日 by KISK事務局  


<健康クイズ10問>
ABCDいずれかに○ (制限時間10分)

1.    塩分の摂り過ぎは高血圧やがんなどの病気の大敵ですが、カリウムにはナトリウム排出効果があり、塩分を摂りすぎたらカリウム摂取は大切です。次の食品の中で、100g中カリウムの最も多い食品は何でしょうか。
(A.    胚芽米   B. きな粉   C. ちくわ   D. 牛レバー)

2.    カリウムが大切と言っても、摂り過ぎると、ある臓器の機能が正常でない場合には、高カリウム血症となり、不整脈や心臓病を引き起こします。その臓器とは何でしょうか。
(A.    肺     B. 膵臓    C.腎臓    D. 肝臓 )

3.コレステロールに関する次の記述の中で間違っているのはどれでしょうか。
(A.  コレステロールは抗酸化作用をもつ大切なものである。)
(B.    コレステロールは血管を通して肝臓と末梢組織の間を往復する。)
(C.    カロリーの摂取と消費のバランスが悪いとLDLコレステロールが増える。)
(D.    LDLコレステロールと HDLコレステロールは、食べる食品に左右される。)

4.肝臓で合成され、たんぱく質や血液の凝固に大きな役割を果たし、怪我をした時の止血などには重要
なビタミンで、逆に、血液さらさらのためにはマイナスとなるビタミンは次のどれでしょうか。
(A. ビタミンA  B. ビタミンB1  C. ビタミンC  D. ビタミンK)

5. ポリフェノールはほとんどの植物に含まれ、多くの種類がありますが、特に赤ワインに多く含まれ、
抗酸化作用や血小板のねばつきの軽減作用で注目されるポリフェノールは何と言うでしょうか。
(A.    イソフラボン B. カテキン  C. レスベラトロール D. ルチン)

6.体温を上げると健康になる、下がると免疫力が低下し万病の元と言われていますが、体温を上げる方法として間違っているのはどれでしょうか。
(A.筋肉を増やす B.温暖な地域の野菜を食べる C.紅茶を飲む D.41度のお湯で半身浴)

7.体重63kg、年齢65歳の男性の基礎代謝(何もしていない時に必要なカロリー1日分)量はおよそ
何カロリーでしょうか。
(A.    700~900kcal   B.  1,100~1300kcal   C.  1,500~1700kcal   D.  1900~2100kcal)

8.次の画像診断の中でX線を使用するのはどれでしょうか。
(A. CT   B. MRI   C. MRA   D. 超音波<エコー>)

9.次の費用の中で保険が適用されるのはどれでしょうか。
(A. 高血圧と診断され、管理栄養士さんから食事の指導を受けたが、その指導代)
(B. 歯並が悪く、噛み合わせが悪かったので矯正したが、その矯正治療代)
(C.  腰痛がひどくマッサージを受けた。そのマッサージ代)
(D. 通常保険適用の相部屋が一杯で、やむなく個室に入院した場合の入院費)

10.救急車による搬送は、日本では無料ですが、多くの国や都市では有料化されています。ニューヨ
ークで救急車を呼んだらいくらぐらいかかるでしょうか。(αは距離、時間などによる割増分)
(A.    約¥5,000+α B. 約¥10,000+α  C.  約¥25,000+α D. ¥50,000+α)

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<健康クイズ10問・解答と解説>

今までの会報の中からピックアップし、10問作ってみましたが出来はいかがですか。
(当日の成績優秀者は10点満点中、9点が1名、6点が1名、5点が5名程で、半分できれば優秀と言えるほど難しかったようです。)

1.    カリウムの多い食品・・・・答:Bきな粉
この4つの中ではきな粉が100g中、1900mgと断然。(胚芽米51mg、ちくわ95mg、牛レバー300mg)。つまり原料である大豆にカリウムが多く含まれていると言うことです。豆腐や納豆を食べましょう。他にはナッツ類や海藻類に多く含まれます。

2.    カリウム摂取を制限する病気・・・答:C腎臓
腎不全など腎臓の働きが悪くなるとカリウムの排泄が悪くなり心臓停止などの危険さえあります。透析をしている人はもちろん制限します。食材のカリウム含有量には十分な注意が必要です。

3. コレステロールの記述・・・答:D 食品に左右される   は間違い
LDLコレステロールとHDLコレステロールの違いは、コレステロールを運ぶたんぱく質の違いで、どの食品に含まれているコレステロールも同じコレステロール。また、コレステロールは大部分体内で生成されるので食品由来のものは10~15%程度と小さい。要は、食べ過ぎや運動不足が中性脂肪を溜め、LDLコレステロールが増えて、血管内にコレステロールを置き去りにし、動脈硬化などの原因になるとのこと。

4. 血液凝固に関係するビタミン・・・答:DビタミンK
ビタミンKは、胆汁酸や膵液と混合され小腸から吸収され肝臓に運ばれ、肝臓で合成されタンパク質
や血液の凝固に関与しており、止血、傷口をふさぐなど重要な働きをする。一方、脳梗塞などの予防に
重要な薬であるワーファリンはビミンKの働きを阻害することによって血液をさらさらにする。ビタミ
ンKを多く含む納豆や海藻、抹茶などはワーファリンの効果をなくす働きをするのでよくない飲み合わせとなる。

5. 赤ワインのポリフェノール・・・答:Cレスベラトロール
一般的には、赤ワインにはポリフェノールが多く含まれていると言われるが、正確にはポリフェノールは総称で「沢山のフェノール基(-OH)」という意味で、ほとんどの植物に含まれる色素や苦みの素。5,000種以上あるとのこと。つまりA~Dすべてポリフェノール。赤ワインに多く含まれるのはレスベラトロールが正しい。ぶどうの皮の部分に多く含まれているので赤ワインに多く含まれると言うことになるが、赤ワイン消費量No1のフランス人が心臓病になる確率が他の欧米国に比べて断然低く、平均寿命も長いこと(フレンチパラドックスと呼ぶ)から注目された。

6. 体温を上げると健康になる・・・答:B 温暖な地域の野菜  が間違い
一般的には、なすやトマトなど温暖な地域の野菜は身体を冷やす働きがあり、寒冷な地域にとれるショウガ、ネギ、ニンジンなど根菜類は野菜は身体を温める働きがあります。また、コーヒーや緑茶よりは、発酵させた紅茶とか中国茶の方が体を温めるにはいいようです。体温の多くは筋肉で産生されるので、まずは筋肉をつけ、ウォーキングなどで筋肉の多い下半身を鍛えることも大切です。

7.基礎代謝・・・・・答:B 1,100~1,300kcal
普通の人間のカロリーの消費の半分以上はただ寝ているだけというような基礎代謝によって消費されるのですが、したがって体重や年齢によってもかなりちがうようです。また、基礎代謝計算法も統計が取りにくいようで結構難しいようです。ネット上でいろいろなサイトに出ているもので、同じ性別、年齢、身長、体重でもいろいろ異なる結果が出ますが、大体Bの範囲に収まるようです。

8.X線を使う画像診断・・・・答:A CT
CTはX線を360度から照射して吸収の程度を見るもので、磁気の共鳴を利用するMRIやMRAとか、超音波を利用するエコー診断と違います。その意味では放射能の被ばくリスクがあると言えますが、画質とか、検査時間とか、造影剤の副作用とか、それぞれ一長一短あるようで、一概にどれがいいとは言えないようです。他にも、ペットとか、SPECTなど、新しいものも出ているので余裕があれば積極的に診断しましょう。

9.保険適用・・・答:A管理栄養士さんの指導
高血圧は病気で、栄養士さんの指導は治療のひとつとみなされているようです。予防、健診、美容、贅沢には原則として保険は適用されないことになっていますが、いずれも境界線は微妙なもの。迷ったら医師に相談しましょう。

10. ニューヨークの救急車・・・・答:C ¥25,000+α   α=約¥600/マイル
軽症でも気軽に救急車を呼ぶなどタクシー代わりに使うようなモンスターペイシェントが話題となったことがありますが、先進国では無料はイギリスと日本ぐらい。ドイツ、フランスでも万単位のお金がかかり、同じアメリカでもサンフランシスコはもっと高い(¥38,000+α)ようです。ちなみに東京都の場合救急車にかかる費用は年310億円、出動回数は69万回で、1回出動すると平均¥45,000の経費がかかっているということです。

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