市民本位の健康医療に向けて

第25回(4月)定例会報告(メモ)

2010年4月27日 by KISK事務局  


第25回健康医療市民会議・定例会講演メモ

<講演>
「意味ある健康診断のすすめ」
聖路加国際病院消化器センター内視鏡室長・増田勝紀先生宮本会員ご紹介の講師の「正しいガンの検診とは・胃ガン大腸ガンと内視鏡検診の現状」のお話が始まりました。聖路加病院で内視鏡の総括責任者8年・その前の慈恵医大でも内視鏡の責任者で合計35年間「内視鏡の覗き」検診と診察を担当。検診・ガン検診の考え方は国や地方公共団体と現場の病院では少し違う。
死亡率が高い、発見しやすい、治りやすい、費用が適切等で対象を設定。最近の日本のガンの傾向を図表で説明。
男性は胃ガンが減り、大腸ガンが増え、前立腺ガンが60-70歳で増加。
女性は胃ガンは減り、乳ガンが爆発的に増えており、大腸ガンも相当増加。
乳ガンは死亡率は低く治りやすい。死亡率は大腸は高い。
07年のがん対策基本法とがん対策推進基本計画は国や地方公共団体の早期発見施策の充実強化と国民自身の生活環境を正し受検診する努力義務を規定。
発病は、早期・進行・死亡となるが胃ガンでは早期ガンの段階が8年ともいわれ、早い時期の検診が大切。
検診の社会的意義は、対象者を「ふるい分ける」こと。検診は「対策型検診(職場や地域の全体の死亡率を下げる集団検診)」と「任意検診(個人の死亡率を下げる人間ドックで個人負担)」がある。受益が団体か個人の区分。検診の精度は「感度(偽陰性・問題対象の把握率)・90%をさらに高める」と「特異度(偽陽性・良い対象の把握率)」があり、費用との兼ね合いも問題。「対策型検診」の適否は、簡単・全国での可能性・費用負担等で丁度良さを判断。「対策型胃ガン検診」は胃間接XP検診をやり、異常なら内視鏡検診へ。一次検診でも胃XPより内視鏡の希望者が激増で医者のマンパワーが不十分。バリウムは国際的に有効とされる。内視鏡はガン検診として推奨されるが、必ずしも死亡率に結びつかず厚生労働省は余り推さない。個人は対策型の集団検診か任意型の人間ドックかを選択する。個人は「早く・手術回避・簡単な治療」を求め、死亡率よりも「生活の質の維持」を選ぶ傾向が強い。胃ガンの対策型は全国では20%程度。
胃ガン発生の研究。ピロリ菌は慢性胃炎に。ウエアーゼ(尿素分解抗原)、アンモニアで胃が荒れる。
液で胃の健康度が判る。ピロリ菌で粘膜が萎縮する。胃ガンの対策型検診(地域職域)の全体像を、血液検査のペプシノーゲン値や結果の数値と年齢の一覧表でご説明。「きれいな胃」の写真。ピロリ菌感染でブツブツが。荒れた範囲が広がる。まだら模様に。この中に胃がんが見つかる。粘膜萎縮で血管が見えてくる。ピロリ菌と萎縮があればカメラやバリュウムへ。高齢で慢性胃炎の率高まる。萎縮の割合が増えれば胃ガンが分布。若い人の萎縮は比較的問題なし。胃ガンの背景因子は男性は女性の3倍。これからの検診は、対策型では血液検査でふるい分け、そして内視鏡へ。任意型検診では直接内視鏡へ。萎縮が無ければ毎年やる必要はなく、その人の状況で毎年かどうかは考える。3ミリ程度のがんは内視鏡で切り取れる。内視鏡で異常があれば毎年やる。超音波の検診もある。ピロリ菌はゼロにはできない。時々検診が必要。任意型では内視鏡は高齢者や希望者に実施。
次に大腸ガンは増加。国の方針でも重要視。直腸挿指法・便潜血法・S状結腸がん・全大腸がん等の説明。世界的に潜血反応検診は有効。50歳以上の10%は大腸が問題。便潜血検診の精度は高い。聖路加病院は頑張っているが、全国の検診率はお寒い限り。400万人のみで、世界レベルでは問題。6%がひっかかり、精密検査へ。国は対策型の大腸ガン検診を25%から50%にする意図。二次検診も少ない。便検査2000円は2000万人で4000億円。大腸のポリープはガンになりやすい。大腸ガンは発見しやすく治りやすい。一次予防は食事・肥満・遺伝子での対応。異常な脂肪はポリープになりやすい。大腸は毎年便潜血検査、3-4年で任意型検診。

人間ドック利用の主体的な健康管理が大切で、任意型検診も先生に相談して欲しい。会場の質問「人間ドックは毎年か・大腸ガンで壁に穴あくことも・内視鏡専門医の仕組みは」には「パッケージ大腸検査は3年に1回、テーラーメイドは望ましいが、全国では十分にはできない。無茶苦茶な検査は不要。専門医の区分の実態は種々」とご説明。なかなか判りにくい検診の意義の適切なお話に会場の拍手喝采が続きました。

<ドクターのワンポイントレッスン>
「歯科医療と統合医療シリーズ ②歯科における統合医療」
明徳会サンデンタルクリニック院長・医学博士小山悠子先生
シリーズの2回目で、統合医療のお話が始まります。患者さんが気持よく受診でき、腫れないようにが大切と、30年前から恩師福岡明先生の東洋医学の知識を勉強。鍼麻酔の一本の針で、腫れて開かなかった口腔が開いた。麻酔注射なしで二本の抜歯をした。血も止まり、翌日には良くなった。患者本人の性格と導入方法で効き方は異なる。口腔対応の整体のツボの針の刺激で、自己に備わっている力でモルヒネ状ものが出て対応か。「井穴刺絡」・指先のターミナルポイントの井から爪や指をもみ、井血をだす。医師か歯科医師しか出来ないが1-2秒で痛さがなくなる。また歯の痛み止めに「合谷のツボ(親指と人差し指の付根の厚肉)」を治療の10-15分前に揉んだり指圧するのも効果。目の健康にも良い。首のうしろ横のツボの指圧や極細針利用の方法もある。足の反射療法もリラクゼーションの気持ちよさに有効。また「操体」は体を温める、固まった筋肉をほぐすに加え、筋肉の回復で効果的。寝違った場合には緊張を緩めるため、反対側の筋肉を揉むと治る。歯科治療の精神的緊張の緩和のめ、頸や肩の指圧をしながらの抜歯もある。ゴム電極による完骨低周波通電で、催眠のツボの「完骨」を利用する催眠歯の適用や自己催眠の利用もある気と催眠法でのうつ病対応の低周波利用もある。大村恵明先生の開発された「Oリングテスト」の指の筋力センサーを利した事前スクリーニングとしての各臓器・薬・細胞・ウイルス・ガン・重金属・異常部位の発見や自己の体への適否の判定法もあり、金属アレルギー対策等にも応用。補綴惨復物の判定には1・Oリングテスト 2波動測定 3金属電圧測定システム 4パッチテスト(皮膚科依頼)などを利用。最後に「人が、その生まれを全うするには、患者自らの治すタイミングが大切。どのような治療法や治療者に出会えるかはその人の「運」が大切。それを決定するのは常日頃、そのための意識を持った活動をしているかどうかによる」と。人間を丸ごと見る統合医療の実践の真髄の一端の拝聴に感謝し、自分もと考えながらの会場の拍手喝采が続きました。

<過去の講演復習>
「私の選んだ一言(前編)」      会員 黒川弘 様
ちょうど2年前の4月に始まった定例会では毎回講師の先生をお招きして勉強、情報交換をしてきましたが、ご多忙のためご参加出来なかったり、勉強しても忘れたりした会員の方々のために、毎回、定例会の講演のメモをとってお休みの日にまとめ、この会報のために寄稿して頂いている会員の黒川様に、簡単に講演で学んだことを振り返ってもらう企画の前編として、第1回の定例会の癌研有明病院名誉院長武藤徹一郎様の講演からの1年間、第12回までの講演、レッスンについて、先生方の映像を見ながらプレゼンテーションしてもらいました。
黒川様の「私の選んだ一言(前編)」も記載し、必要な場合にそれぞれの先生に相談して頂けるよう、連絡先も記載した講演者リストを当会ホームページ(http://www.kisk.jp)に載せております。ぜひご覧ください。

<健康関連機器紹介>
生体電流インピーダンス測定 EIS 紹介   セラピスト 中尾恵里様
微弱な電流を体に流して電気抵抗(インピーダンス)を測定し、体脂肪率など体の組成を見る機械は、体重計とセットになっているものなど家庭用にも一杯普及していますが、このEISは、臨床試験努力により、神経系統の状態も診ることの出来る本格的な業務用の機械。開発はアメリカFD Technology という会社のもので、日本では野口グローバルライフという会社が代理店をしており、都合上、その代理として波動の検査でお世話になっているセラピスト中尾様に紹介してもらいました。
すでに何人かの会員が、受診体験をしましたが、無料体験のスケジュールを頂き、5月には10人程度の会員が体験してみる予定になっています。

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