市民本位の健康医療に向けて

第22回(1月)定例会報告(メモ)

2010年1月25日 by KISK事務局  


第22回健康医療市民会議・定例会講演メモ
(平成22年1月19日(火)16-18時・南青山・国際医療福祉大学大学院
・東京サテライトキャンパス5F)
1 「がん診療から見た日本の医療のあり方」2010.01_tsuchiya_sensei
国立がんセンター中央病院病院長・土屋了介先生
梶原代表が講師はがん診療特に肺がん手術のご専門だが、日本の医療界全体の指導的お立場にあり、医療教育や専門医制度の論客とご紹介。80余の医学部等に26の公衆衛生学科があり、信濃町にも予防医学教室(戦前外国資本の寄付で開設)があるが、医療制度全般は医学部では学ばなかった。米国のハーバード大学は公衆衛生学部と医学部の双方がある。日本の公衆衛生学は、占領中のGHQが、DDT撒布や下水道整備、道の舗装、清潔な居住等を実施したのが現実。日本は幅広い医療システムを作る努力が十分でなかつた。医療制度は改めるべきだ。現在は、現場の若手医師が自己の判断で決断し行動できず、現場医師の自主独立が大切。医療従事者の発言が信用されない。中医協等も医療の専門家がその分野の意見を出し、厚生労働省が取り纏めるが、9割を開業医が占める医師会が力を持ち、社会全体の意見不十分。大学に残る医師はアウトサイダーになる。2年前の「がん対策基本法」は、適切ながん医療の受診と選択を国民ができる医療提供体制の整備を規定。がん対策基本計画の作成にはがん対策推進協議会の意見を聴き、19&20条はその委員に患者や家族の代表、がん医療従事者等を明記する。市民、患者、自治体関係者、二次医療圏域の拠点病院の代表が入るべき。がん診療拠点病院協議会の会長も。
現在8つの医療制度問題に関心を持ち取組み中。1がん専門医 2現場の危機的打開策 3「安心と希望の医療確保ビジョンに関する国会議員検討会」顧問 4医療確保ビジョン具体化に関する検討会委員 5専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班座長 6内閣府「規制改革会議」7厚生労働大臣関連 8経済産業大臣関連・医療産業等
国立がんセンター中央病院では麻酔医師の確保の問題は改善に向かう。医療幇助職員と患者数減少対策。レジデント医師の改善等問題は多い。独立行政法人化は2010年4月と閣議決定。収入が毎年250億円なのに。財投の債務600億円を引継ぐとされていた。利子で毎年30億円。与謝野大臣や千石大臣の努力で170億円に減額か。舛添医療人事も生きる。
大学入学定員は80余医大の平均100名、全体8000人を1.5倍にすべき。人口千人の医師数は日本2.1人・独3.5仏3.4英2.5米2.4。病床百の医師は日本12.5人・米71.6英40.7独37.6仏35.2。医療教育制度は、日本は医学部6年・臨床医2年で狭い専門医の世界。米国は幅広いカレッジ4年・医学校(大学院大学)4年で幅広い人脈と知識。と言えるか。専門医の集中と家庭医の強化が大切。肺がんは脚気から見つかること多い。手術病院とかかりつけの家庭医との連携と往復が重要。がん患者も6割は在宅での死を望む。しかし1割が現状。集中と分散。情報・運送の強化と24時間の手術体制。医療クラスターが大切。幅広い診察や相談の家庭医や薬局等コメディカルとの連携強化が重要。トータルな検診医制度と後期研修(専門医・家庭医)制度の確立重要。それには、各省(財務・総務・文部科学・経済産業・国土交通)、患者市民、県の機構の総合的意見大切。築地医療クラスター構想(高度医療、ホテル、介護運動施設、医療産業や羽田利用の交流も可)。山梨県等でのドクターヘリ活用クラスターも。医療計画、医療圏域整備、市民や患者の参加、業界団体の役割、医師の信頼回復等の改革、一緒にやりましょう。と。会場質問「研修医の方向・患者教育・子宮頸がん予防ワクチン」には「総合的に専門医家庭医を活用する教育制度。年一回検診やタバコ弊害の周知。子宮頸がんの予防ワクチンは90%以上予防可・費用4-5万円・米国や欧州は公費負担・国をあげて実施を」とのお話に、会場の満場の拍手が続きました。
2 「脳の健康が体を健康にするシリーズ3・快食療法」(ドクターのワンポイン・トレッスン)・横倉クリニック理事長・横倉恒雄先生2010.01_yokokura_sensei
卒業後10年体重80kg・中性脂肪1250(参考値150-30)。運動継続で10年後に68kg・200、その後「快食療法」の実践で6月後に体重63kg・中性脂肪80に。健康は脳が管理。脳は生きるために本能の食欲を管理。制限はおかしい。「快食療法」は「食べたいものだけを・食べたい時に・満足するまで食べ・運動はしなくてよい・やせ薬もいらない」。その効果は「体脂肪のみ減少し・体力もアップする・ストレスもなく・97%以上の成功率」と。学会発表の健康外来での臨床実験の成績をグラフで説明。A快食療法・B従来型健康指導(カロリー制限と運動療法)・C非治療群。実施前と実施一年後数値の各肥満治療群平均値比較。
体重は  Aは69.3kgが58.2に。Bは66.5が64.2に、Cは68.5が68.0に。
体脂肪率 Aは39.1%が29.3に。Bは38.5が36.2に、Cは37.8が37.5。
血糖値 Aは115.2mg/dlが93.2に。Bは114.5が107.9に、Cは110.6が106.9に。
総コレステロール、善玉コレステロール、HLD等の比較表やソニー健康組合の臨床数値。
「美味しいものを素直に食べる」。脳を信じまず始める。方法は「お腹が空いたら・好きなものだけ・食べたいものだけ・美味しく・楽しく・心行くまで」「食べる」こと。考え方の基本は「健康に良いか悪いかで判断しない・好きか嫌いかで判断・食べたいか食べたくないかで判断・食べたいものだけなら健康に良さそうなものから・死ぬまで好きなものだけを食べる・明日死んでも後悔しない食べ方」。朝食昼食夕食という時間で食べる概念をやめる。動物と同じ。夕食は夜遅くても良い。食べてすぐ寝るのは最高に脳がリラックスする。「食べ過ぎた」と罪悪感を持つとストレスで肥る。「ああ美味しかった」と声を出す。
朝食。昔は作業や仕事してから朝食。食べたくなければ脱水補給とエネルギー補給の「水分と黒砂糖」を。昼はつなぎと考えて「おにぎり、そば、うどん」がお薦め。間食も遠慮なく。黒砂糖やりんごがお薦め。罪悪感は持たないこと。ケーキ、お菓子、果物は夕食後デザートとしてとると脳が満足して大変良い。ただし、デザート分を予め食事制限のストレスは駄目。食事も十分にとる。日本人の食習慣は江戸時代は一日二食。「快食」とは日本人が生活の中で自然に習慣の普通の食事。健康脳の食事は「栄養やカロリーではない」日本の食文化だ。大脳は飢餓状態の時は「生きるための栄養吸収の亢進」と脂肪貯蔵を、快食時には「生きるための栄養吸収抑制」と余分な脂肪の放出を、間脳に指令する。
「今日から快食を始めよう」と。元気一杯の講師のお話に満場の拍手が続きます。

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