市民本位の健康医療に向けて

第15回(6月)定例会講演メモ

2009年6月22日 by KISK事務局  


第15回(6月)定例会講演メモ

(21年6月16日(火)16-18時・千代田区丸の内国際ビル8F 日本倶楽部大会議室)

1 講演「医療改革について」前野一雄・読売新聞編集委員・前医療情報部長
昨年秋読売新聞社は「医療改革提言」を発表。「医療崩壊を防ぐ5つの緊急対策」1医師不足解消 2たらい回し防止 3病院勤務医 4高齢者ケア 5社会保障費。及び「構造改革5本の柱と21項目」1医師増員と偏在改善 2医療機関の役割分担と連携強化 3医療の質の向上と安全性の確保 4高齢者医療と介護の一体的充実 5給付と負担の新ルール。
まず提言に至る取組みと提言の経緯。医療報道が変化。「医療ルネッサンス」継続掲載等から1長期的全体的把握、2国民世論の変化、3「病院の実力」シリーズで自ら調査した報道の蓄積。連載は92-9月からで17年前。当時は科学部の報道は最先端医療の紹介が多く、各部では縦割りの記事が多かった。しかし読者は「心と体に優しい医療」が関心事で「医療を知った上で、治療受けたい」とその間を繋ぐ記事を求めた。1分かり易く役に立つ記事。2毎日掲載。第一部の「変わる現場」では「腹腔鏡下胆石手術」、某キャスターの長い休暇でない治療の願いから出発し着地。数個の穴、カメラで見て電気メスで手術。腹に傷残らない。反響がすごく全国から「身近な場所と方法の照会」電話殺到。仏海軍で87年始まったが続かず、米国の患者の要求で米国に広まる。患者と医師との話合い。某野球監督の胃がん腹腔鏡下手術にも繋がり有名に。次は脳ドックの体験談。脳動脈瘤、放置はくも膜下出血に。自らの希望で手術を選択。新聞協会から表彰。17年の4500回の記事は本なら40冊分、CDで発売。3世論の動向は04年の満足度の調査では一位は「医師等がキチンと説明」が66%、二位は「専門医をキチンと紹介する」。不満足の一位は「説明しない、説明がだめ」。85年と比較すると国民の目が厳しく、患者のニーズが広範化。3横浜市立大学での99年の医療連続ミス「患者のとり間違い」「点滴ミス」が世間を騒がせ、病院のランク付けの記事が大流行。シリーズ「病院の実力」へ。04年から毎月手術体験や治療法を独自に調査し75回。乳がん治療50回/年・以上の病院のアンケートも調査。乳房の全摘と温存法(一部摘出と放射線治療)の調査では病院毎の調査で、5%から94%と差があり大変な驚きが。大都市だけでなく、必ず47都道府県を調査する。国際比較では、医療費のGNP比や人口あたりの医師数はやや低い。人口あたりの病院数や医師あたりの病床数はすごく多い。医療費の抑制があるが、将来像としては、医療・年金・介護・少子化の政策は一体のもの。低負担低福祉から中負担中福祉路線に転換すべき。消費税の社会保障税化が必要。
提言は紙面8頁。現況と問題点を分かり易く説明し、さらに継続してフォロー。取り纏めは今までの蓄積に加え、さらに半年間、全ての部や組織を網羅する32名のチーム(社会保障研究会)を老川座長のもと25回開催、医療崩壊を防ぐ継ぎはぎでない統一的な、現行法を超えた提案を指導する渡辺主筆への説明5回。厳しいチェック、全国を見る目、関係専門家政治家役所の意見をも聴取し、「全国民の参加した議論へのたたき台として」対策の基本的考え方を提言。医師不足への対応、「医療は「公共財」との認識」、安定した医療財源等が中心。また医療情報のオープン化が大切。多くの医療機関が閉鎖されるなか高齢者が5.7%から21%への「超高齢化時代の医療制度の大転換」を即すもの。入学定員1.2倍、中小を含む病院の集約化と機能分担、専門医を目指す後期研修での適正枠の設定が大切。と我国や諸外国の実情を踏まえた提言のエキスのご紹介があり、素晴らしい提言に拍手喝采。
会場での質問では、自治医科大学の役割、外科医の希望者の減少と患者のすぐ大病院への行動の反省への応答があり、次いで御出席の東大名誉教授渥美和彦・日本統合医療学会理事長から「米国のある医学の研究では代替医療でよいものが1/3あり、これによって費用が13%減るとのデーターがある。日本も医療特区でこれを実施し、予防医学を含めての費用逓減を図るべき」との強い発言があり、市民会議への期待も高まります。
2「ドクターのワンポイントレッスン」「生活習慣病対策②糖尿病」久野則一・久野マインズタワークリニック院長
糖尿病は、エネルギー源として人間の生命を維持している血液中のぶどう糖の代謝異常の病気。血糖がエネルギー源として利用されるためには、すい臓から分泌されるインスリンの助けが必要。不足するとブドウ糖が十分に利用されず、高血糖になる。血液中のブドウ糖は腎臓で再吸収されるが、多すぎると尿中にブドウ糖が排出(糖尿病)。検査では空腹時血糖値は126以上、2時間値200以上が問題。インスリンが筋肉等の細胞の表面にある受け皿・インスリン受容体にはまり込むことで、細胞が扉を開き、血糖を吸収し、エネルギー源として活用される。血糖値が高いと神経障害、網膜症、腎症等の合併症を起し、また動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞等の原因にもなる。適切な治療が大切。数値も朝とかその状況で変動するので正確な検査が大切。肥満で脂肪細胞は血糖の取り込みを阻害する物質を出し、吸収のための細胞の扉ガ開かなくする。腸管が大切で重要な機能を持つので、食生活をもう一度考えることが大切。食事量を減らし、トレーニングでの運動効果も大切。と。
3緊急アドバイス「インフルエンザ対策に鎖骨ほぐし」大沼善誉・自然医学総合研究所長
新型インフルエンザの報道が続く。地球の自転と気候の変化で大気は移動する。ワクチンの開発は何時も発病より後になる。76年ニュージャージー州の米軍基地で19歳の患者死亡500人感染、パストゥール研究所は自然発生といえないことは無いとした。18年のスペイン風邪、発生は米国デトロイトだった。57年のアジア風邪、68年の香港風邪。厳しく対応しても体内には多くの菌が生存し、全ては殺せない。病気にはその原因となる体の弱体化があり、鎖骨を適正に維持し歪みを無くせば、胸腺の働きが活性化しキラーT細胞やヘルパーT細胞を生み免疫力が向上する。病気は、血液悪化で白血球が働かない、ストレスで骨格が歪む、出るものが出ずに滞ることが原因。ゴムバンド療法は、体の滞留した悪血を一挙に除去し血液の循環を良くする効果がある。会場の参加者に、左右の肩の鎖骨の溝に反対の人差し指を深く入れ、その腕を廻す実践運動を御指導。自然療法の免疫力強化の熱弁に拍手喝采が続きます。梶原代表の元某県知事の白血病の症状の質問に、リンパ球の機能低下による古い血の滞留と常時エネルギー活用で交感神経が休息できない状態なら、適切な対応の選択が必要との応答。

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